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IS<インフィニット・ストラトス>2

SF
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評価/★☆☆☆☆(12点)

IS<インフィニット・ストラトス>2 評価

全12話
監督/菊地康仁
声優/内山昂輝,日笠陽子,ゆかな,下田麻美,花澤香菜ほか

あらすじ
女性にしか反応しない世界最強の兵器「インフィニット・ストラトス」、通称「IS」(アイエス)の出現後、男女の社会的パワーバランスが一変し、女尊男卑が当たり前になってしまった時代。 主人公の織斑一夏は、自身が受ける高校の入学試験会場と間違って、IS操縦者育成学校「IS学園」の試験会場に入室。そこにあったISを男性でありながら起動させてしまったため、IS学園に入学させられてしまう。「世界で唯一ISを使える男」である一夏は、彼以外が全員女子のIS学園生徒達にとっては興味の的。様々な出会いや再会を通し、一夏の前途多難な日常と、ISを巡る戦いの日々が始まる。

1期のすべての要素を大味にした2期。

本作品はインフィニット・ストラトスの2期。
原作者に色々と問題があり、一時期は2期は絶望的か?のように言われていたこともあったが、
無事?2期が制作された
メインのキャストは変わっていないが、メカニックデザインや総作画監督は変更されている

基本的なストーリーは1期の続き。
女性にしか動かせないはずの「IS」を動かせる織斑一夏、
IS操縦者育成学校に入学した彼は様々な女性に想いを寄せられつつも学園生活を送っていた。
そんな中、夏休みがもうすぐ終わりそうだったというところからストーリーが始まる

1話からあざとい(笑)
1期は内容やストーリーや戦闘描写などよりもも「キャラ描写」が評価された作品だっただけあって
キャラクターの可愛さは健在だ。
主人公に対し1クールという短い尺で「好感度MAX」な彼女たちが
主人公に好かれるために奮闘する姿は素直に可愛い。

キャラクター、声優の演技、可愛い場面の見せ方など
あざとく、狙っているのはわかっているのだが萌えてしまう。
清々しいほど狙ったあざとい萌えシーンの数々が悔しいながらも可愛いと思ってしまう
いわゆる「萌え」が嫌いな方でなければ楽しめるシーンは多い。

ただ、そのせっかくの「萌え」を生かしきれていない。
1話1話のストーリーが妙に間延びしており、
妙なセリフの間をおいて1テンポ遅れるような感覚なため
素直にキャラクターの可愛さを楽しみきれない場面が多い。

作画の質も明らかに下がっている。
背景で描かれている、いわゆる「モブキャラ」の顔の手抜きはまだ許せるが、
メインのキャラクターたちの顔が可愛いと言い切れない作画になってしまっており、
本来なら萌えるシーンなのに作画の質の低下のせいで素直に可愛いと感じにくくなっている

キャラクターの表情の変化や豊かさ、胸などの肌の質感、
そういったキャラクターの可愛さを描写するための1つ1つの作画の質が悪すぎる。
せっかくキャラクターは可愛いのに、せっかく萌えられるシーンなのに
いわゆる「決めの萌シーン」だけ作画の質が良くても、その直後に途端に崩れる。
1期とまったく同じスタッフで作られていればここまで残念な気持ちにならなかったはずだ。
「総作画監督」が変更されたことは本当に残念だ。

11話ではいわゆる「作画崩壊」も起こしてしまっている。
その前の話でも背景のカットを長く写してキャラクターの描写を明らかに端折っていたり、
「制作が間に合っていない」のが画面から見て取れてしまうのは残念だ。
1期の売上から言って予算はあったとは思うのだが・・・

それを最も感じるのは戦闘描写だろう
作画の質が1期より下がってしまったことで戦闘シーンの面白さが皆無だ。
1期はキャラ萌えをやりつつも、意外に「戦闘シーン」の迫力があり面白かった。
それは1期1話の冒頭の戦闘シーンからも感じるほど戦闘シーンの面白さを感じたが、
2期では同じように1話冒頭から戦闘シーンが描写されているのだが、一切ワクワクしない。

その後の戦闘シーンも「早く動かしてます風」の演出だけで実際速い動きをしてない場合が多い。
画面をぶれぶれにしてエフェクトでごまかそうとしているのが分かりやすく
ごまかしていないシーンでも大味な動きの戦闘シーンは緊迫感がなく、単純に面白みにかける
作品全体としての戦闘シーンも少なく、
制作スケジュールがきついため極力戦闘シーンを描きたくなかったのかもしれない
そのせいで「主人公のかっこよさ」が描かれることもなく、
各キャラの戦闘シーンもキャラによっては本当に少ない。

そして新キャラクター、この新規キャラが2期のダメさの象徴ともいえる。
新規キャラクターの「生徒会長」やその妹、更に敵キャラが増えたことで
1期からのキャラクターのシーンが必然的に減ってしまっており、
新規キャラクター達もストーリーの中で生かしきれていない。

そんな新規キャラやメインキャラも多くいるのに、
何故かメインキャラではなくサブキャラに尺を取ったりするシーンもあり意味不明だ。
メインキャラがそのセリフを言えばいいのに、メインキャラがその役目でいいのに
なぜかどうでもいいモブキャラが主人公に話しかけるシーンに尺を取ったりする。
キャラクターの使い方に「?」となってしまう場面が多々あった

更にストーリー。
1期は「学園」に入学した主人公がISの操縦技術を学びつつ、
模擬戦や謎の敵との戦闘など、ある程度ストーリー展開の面白さがあった。
戦闘シーンの面白さとキャラ萌え描写のバランスがよく、それが1期の評価にもつながっていた。
だが、2期ははっきりいって中身が無い。

本来、ISというのはスポーツのような世界大会のようなものが行われており
各国が開発し、操縦者を育てる学園があるという設定だったはずだ。
だが、そんな設定は2期ではすっかり忘れてしまっているようで
謎の組織「ファントム・タスク」の暗躍という敵の存在が明確に描かれ、
その敵の目的などがたまに描かれるストーリー展開だ。

これがきちんと描かれるならまだ納得できるのだが、
「キャラ萌えストーリー」の合間に思い出したかのようにしか描写せず、
敵の存在など忘れた頃に描写される。
ストーリー構成がきちんとできておらず、ストーリーのメリハリがなく
むしろ、別に敵なんかこの作品にいらなかったんじゃないのかと感じるほど
敵が絡むストーリーが微妙だ。
本来なら敵の存在などいらず、普通に学園に通う生徒同士の
世界大会を描くだけでも十分面白かったはずなのだが・・・(苦笑)

逆に敵が絡まないコスプレ祭りでセクシー描写ばかりの5話や下着喪失の6話のように
キャラ萌えばかりで若干馬鹿っぽい(笑)ストーリーに徹底すれば逆に楽しめる、
作画の質はところどころ気になるものの、
1期からのキャラ描写の積み重ねもあり、純粋にハーレムラブコメとキャラの可愛さを楽しめるストーリーだ。
こういったストーリーだけやってればよかったと感じてしまうほどキャラ萌えストーリーは悪くはない。

だが、そんなキャラ萌えストーリーの中で「どうでもいい」本筋も思い出したかのように描くため
ストーリーをぶつ切りにされているような感覚になる。
せっかく本来の「世界大会」を感じさせるタッグマッチになるかとおもいきや、
敵が襲ってきて1試合もまともに描かれなかったり、
キャラ萌えストーリーの中で敵が襲ってきたり
と1話の中で描かれるストーリーがバラバラだ。
何の脈絡もなく場面が切り替わる為、見ている側が落ち着かない印象が残る。

そんな本筋のストーリーの中で2期からのキャラを掘り下げるストーリーをやるため
どうしても1期からのキャラがないがしろになりがちだ。
メインとなるヒロインが4人で十分だったのに、そこに二人追加されたことで捌ききれていない。
別に新規キャラクターが居なくても本筋のストーリーやキャラ萌えストーリーを進められるのに、
新規キャラを入れたことで余計な展開や話が増えてしまっている為、
ストーリーの中身がどんどん薄くなってしまっている印象だ。

結局最終話まで見ても敵が「主人公のIS」を狙っている以外の目的や行動理由が一切わからず、
そのせいで最後まで魅力を感じない敵になってしまっており、
敵の目的が不明、でも何か理由はあるから襲ってくるけど襲ってくるから戦うという状況では
盛り上がる戦闘シーンも盛り上がらない。
1期は敵が完璧にロボットで無人だったからこそ、敵の行動理由や目的が気にならなかったが
2期は敵が完璧に「人間」であるため、本来ならもっときちんと敵キャラを描写しないといけないはずなのに
最後の最後まで「ふわっ」っとしたまま、投げっぱなしで終わってしまった。

全体的に見てスタッフの熱を感じない作品だった。
1期は1シーン1シーンから
「この作品を面白くしよう」「キャラを可愛く見せよう」「戦闘シーンも迫力ある描写にしよう」という
作品全体から制作スタッフの熱意を感じた作品だったが、2期ではその熱意を一切感じない。
適当に描写してれば1期と同じように萌えるんだとと言っているのかと感じるほどキャラクターの作画、
どうせ戦闘シーンなんて興味ないんだろうと言っているのかと感じるほどの戦闘シーンの手抜き、
伏線を張るだけ張って設定を積み重ねるだけ積み重ねて生きてこないストーリーなど
作品としての完成度が低すぎる。

1つの作品として一番盛り上がらなければいけない最終話には本当にがっかりさせられた。
戦闘シーンは、確かに作画の質自体は他の話に比べて上がっていたものの、
別に敵が巨大でもないのに「つねに遠距離からの攻撃」という大味な攻撃、
勢いだけの主人公の攻撃と練られていない戦闘シーンには心底がっかりさせられた
。 ストーリーも敵がなんか襲ってきたから戦って主人公致命傷おったはずなのに
謎のパワーでいきなり蘇って敵に攻撃して敵撤退して、みんなで温泉入って終わり・・・。
何の盛り上がりも、何の面白みもない最終話だ。続編の期待感など一切感じない。

肝心の本筋ストーリーも2期からの伏線や新しい設定を最終話でほとんど投げており、
何も解決していない、何も明かされていない。
ただ1期よりも謎や設定が積み重なり無駄な萌えキャラ要員が二人追加されただけだ。
そのキャラクターも別に居なくても他のキャラが出来る役目をやってしまっているため
キャラクターの魅力を感じない、むしろ追加されたため他のキャラを描写する尺が減ってしまっているだけだ

2期で評価できる部分は「キャラ萌え」くらいだが、
これも作画の質が悪いため素直に評価できない。
確かにキャラクターは可愛い、だが1期のすべての要素を「大味」にしたような2期でしか無かった。

一応続編が決まっており、OVAか3期かはまだわからないものの
こんな2期を作った状態ではあまり期待できない。
個人的には1期はわりと好きな作品だったのにここまで駄作になって本当に残念だ。

余談だが2期は原作者がシリーズ構成に関わっているというのを見終わった後に知って
妙に納得してしまった作品だった(苦笑)

「」は面白い?つまらない?

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  1. 90年代中盤のアニメ熱を忘れない より:

    アニメ制作のエイトビットさんは良く頑張ったと思います。

    駄目なのはやはりクズな原作者だったなぁ…。