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龍ヶ嬢七々々の埋蔵金

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☆☆☆☆☆(7点)

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ヒロインはひたすらニート、クリームの入っていないシュークリームのようだ

原作はライトノベル、ファミ通文庫より刊行されている
製作はA-1 Pictures、監督はは『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』や
『うさぎドロップ』の亀井幹太氏。

見だして感じるのは「あ、この監督ヘソフェチだな」という感想だろう(笑)
少女たちがインディージョーンズもびっくりなトラップの仕掛けられた遺跡を
華麗に走りぬけながら衣服がボロボロになりつつ突き進む。
そんな中で「ちらっ」っと見えるヘソとパンツ。
パンツが冒頭から見える作品はむしろ珍しくないが、
始まって1分以内で「へそ」が映る作品はこの作品くらいだろう。
妙に生々しい腹部の描写は好きな方の琴線に触れるはずだ

原作からそうなのかアニメのキャラデザとしてそうなのかは原作を読んでいないため不明だが、
キャラクターが「へそ出し」の服装をしていることが多い。
女性にかぎらず男性もバキバキの腹筋を見せつけつつ「腹」を見せつけてくる
別に「おへそ」をそこまでこだわって描写する必要はない
明らかに制作側、もしくは原作からの「フェチズム」だろう。

だが、そんな「ヘソフェチ」描写に反して冒頭からインパクトは薄い。
確かにお色気描写やヒロインの可愛さはしっかり描写されているものの、
「へそ」以外のインパクトが無く、各ヒロインの初登場のシーンも地味だ
本来「地縛霊」と同居するという異質なシチュエーションに対して
主人公の驚きやハプニングなどがもっとあってもいいと思うのだが、
最初に一瞬驚いたくらいで地縛霊との同居に順応してしまう

はっきりいって1話の印象は酷く地味だ。
未来都市な島、地縛霊と同居、七々々コレクション、七々々を殺した犯人など
1話から舞台設定や状況、物語で1番重用な「お宝」を匂わす要素、犯人探しなど
1つ1つのパーツは悪くないのだが、その1つ1つにインパクトが無い。
本来なら主人公が1つ1つ驚くことで見ている側にも
物語の要素を気になる要素の1つとして印象付けなければならないが、
全て冷静に対処し冷静に人に聞き冷静に納得する。
主人公は冷静に納得するが見ている側はどうも「飲み込み難い」感じが出てしまう。

更に2話以降もどうにも「地味」だ。
本来、1話の冒頭の遺跡探検のシーンから想像する「冒険活劇」を描写し
その中でお宝をゲットする過程を楽しむのが「冒険活劇」の面白さだが、
この作品の場合、初めて主人公がお宝をゲットする方法が
「空からたまたま降ってきた」という偶然でのゲット(苦笑)

1話冒頭で視聴者に「こういう感じだよ」という印象をつけたのに
その印象どおりの内容に中々ならない。
そのせいでストーリーが「グダグダ」に感じてしまい本筋のストーリー展開が酷く遅く感じる
主人公が宝探しをするキッカケもなんだか「ふわーっ」っとしており、
「だらーっ」っとストーリーが進むため見ている側は感情移入しづらく、
世界観に入り込めない。

見ている側と同じ立場で驚いたり、作品の設定を知ったりするキャラクターがおらず
どうもストーリーにまとまりがない。
それぞれのキャラクターの立ち位置自体はしっかりしているものの、
最初に感じた印象以上の魅力をそれぞれのキャラクターに感じないうえに、
それぞれのキャラクター同士が「一歩引いた」ような立ち位置で話すため、
どのキャラクターにも裏があるように感じてしまう。

その最たるのが「主人公」と「ヒロイン」だろう、
主人公に感じた最初の印象はバカ正直な熱血系かな?という感じなのだが、
実は彼は彼なりに事情を抱えており思慮深いところがありそうで・・・ない
熱血ならもっと熱く、バカならもっとバカ、事情があるならもっとミステリアスにと
主人公のキャラクター付が中途半端で熱くなったりクールになったり、
おどけてみたり、バカっぽくなったりと彼をどう見ていいのかがわからないうえに
感情の流れについていけない。セリフも常に寒い。

そしてヒロイン。
地縛霊なので宝探しには出かけず、ひたすらニートだ。
ゲームしつつプリンを食べてお宝のある場所のヒントを思わせぶりに教えるだけ。
このヒロインに対しては見ている側がどう思うかは別れるところだろう
「素直に教えろよ、めんどくさい」と思うか、「謎のあるヒロインだ、魅力的!」と思うか。
彼女はあくまで「中立」の立場を取っているのだが、
その中立に対するこだわりを上手く飲み込めない人もいるはずだ

そんなメインキャラクターに対し、サブキャラクターにもついていけない。
物語で重要な「謎解き要素」を何のひっかかりもなく名探偵なサブヒロインが居るかと思えば、
唐突に性格が変わる部長が居たり、思わせぶりな敵が出てきたりと
つかみ所のないキャラクターばかりだ。

本来ならその「つかみ所の無さ」がキャラクターの魅力につながるはずなのだが、
どのキャラクターにも感情移入することが出来ず、
だらーっとしたストーリー展開のせいでいつまでたっても
「つかみ所の無さ」が魅力に変わらない。

もう少し話に勢いがあれば話の面白さもキャラクターの魅力も伝わると思うが、
ストーリー構成が非常に回りくどい。
あるイベントのシーンをあえて描写せずストーリーを進め、
その話の後半や次の話で「描写していなかったイベントのシーン」を描写する。
この「描写していなかったイベント」が別に大したこと無いため
見ている側は不自然に話が飛んだ感じが強く出てしまい、
後々描写されても今更な感じと拍子抜けな感じが強く残ってしまう。

更に萎えるシーン。
「なんでも願いが叶う魔法の杖」というお宝を敵に奪われてしまった主人公とその敵との戦い。
主人公がぼろぼろになる中、
さぁ!どう勝利するんだ!という視聴者がもっとも期待する部分が
まさかの「魔法の杖」のエネルギー切れという拍子抜けの展開。
主人公と敵は熱く夢について語りながら戦うが、見ているこっちはすっかり冷えきってしまう

その後の展開も拍子抜けするほど寒々しい展開だ。
主人公の「隠された設定」を明かすシーンでも謎解き要素など無い
携帯をハッキングしました!という本当に拍子抜けすぎる展開ばかりだ。
常に期待感はある、だが、その期待感が常に拍子抜けの展開で終わってしまい
結局この作品で何がしたいのか方向性がいつまでたってもつかめない

そして毎話のごとく話の区切り方が微妙だ。
微妙な謎を残して次の話に行くパターンが多いのだが、
その「微妙な謎」が微妙にしか次の話でしか描写されず中途半端な始まり方になっており、
微妙な謎で毎話終わるため毎話毎話微妙な終わり方になってしまっており、
なんともいえない後味が残る。

例えるなら「ずっとクリームのないシュークリーム」を食べてるような感じだ。
食べても食べても皮だけで、いつまでたってもクリームにたどり着かない。
それどころかクリームすら無い。
全部で11個もシュークリームがあって、どれかにはクリームがはいっているだろうと
どれかにはあたりがあるのだろうと食べ続けるのだが、残るのはなんともいえない皮の味のみ。
見た目は本当に美味しそうなのに皮の味しかしないシュークリームだ。

その見た目も中盤をすぎる頃には普通になってくる。
序盤は美麗な作画のせいもあってキャラクターの可愛さや
アクションシーンでの面白さもあったのだが、
中盤を超えると息切れしたのかキャラクターの作画もアクションシーンも微妙になってくる

更に基本的にこの作品は「会話劇」だ。
1話冒頭の遺跡アクションシーンはおまけでしかなく、
名探偵であるサブヒロインがすべての謎をあっさりと自慢気に主人公に解説しながら
いろいろな人がお宝目当てに暗躍する。
だが、全て名探偵サブヒロインが説明してしまううえに
「なるほど!あれはそういうことだったのか!」という謎解き要素が1つもない。

「実はこうなんです!」と言われても「そうなんだ」くらいの感想しか浮かばない
本来はきちんとしたストーリーの流れの中で謎を匂わせて、
それを徐々に解いていって真実が明らかになるのが面白いのだが、
この作品の場合は謎がしれっと出てきて謎解きがあっさりしてしまっているため
その後に真実が明かされても「へ~」ぐらいのリアクションしか出来ない。

そもそもの宝がよくわからない。
ヒロインが生前に集めたお宝であることはわかり、
それを集めると人が望むことが全部叶うよというのはわかるのだが、
そもそも「いくつ」あるのか「どんな逸話」があるのかという説明が無いため
あっさりお宝出てきて拍子抜けの能力を見せられてまた次のお宝を探す展開ばかりだ
本来こういった収集的なストーリーの場合は「いくつ」あるのかも重用なはずなのだが、
まるでギャグ漫画の使い捨てキャラクターのごとくお宝が出まくる。
毎話の話を作るためのネタにしかなっていない。

終盤のストーリーもとにかくキャラクターを増やして
使い捨てのお宝で話を作って話を作ってるだけだ
本筋のストーリーは進んだか進んでいないのかわからない状態で
物語の「謎」の部分は全て投げて終わってしまっている。
登場したはいいのにほとんど活躍シーンのないキャラクターもおり、
もう少しすっきりとまとめることは出来たのではないかと感じる部分が大きい

全体的に見て本当に清々しいほどの駄作だ。
1話冒頭1分のヒロインの遺跡冒険シーンは本当に面白そうだった
久しぶりに冒険活劇を見れられるんだ!という期待感があったシーンだ
だが、その期待感は粉々に打ち砕かれ、ただの「キャラ萌え」アニメでしか無く
キャラ萌えという風に絞ってもどこかで見たようなキャラクターが多く、
本筋のお宝探しがあるため各ヒロインを掘り下げるような話は少なく、
そもそもメインヒロインである「七々々」の活躍するシーンも少ない

ストーリーは本来「七々々」を殺した犯人を見つけつつ、
登場人物たちの夢や目標のためのお宝探しという流れだったはずなのだが、
根幹にそれはあるものの、根幹にしか無い。
その周りをキャラ萌えで覆い隠し、根幹の部分は2,3度見え隠れしていただけだ
本当はその根幹部分をがっつりと見たいのに外側だけを延々と見せられた感覚だ

キャラクターに関してもつかみ所の無さを売りにした主人公は
見ている側の感情移入を無視する感情の起伏の激しさとセリフのズレ加減で、
サブヒロインである「天災」は確かに可愛い名探偵なのだが
肝心の謎解きを全て解説してしまうためどうにも好きになれない。

他のキャラクターも「宝探し」の理由付けが曖昧でふわふわしているため
宝を見つけた時の展開や宝を見つけるまでの流れがつまらないのかもしれない
主人公があそこまでヒロインを殺した犯人を探す理由付も甘く、
部長は世界制服だが、他のキャラに至ってはふわふわだ。
そのせいでメインの宝探しのワクワク感が最初から無く、
謎解き要素はサブヒロインが全て解決するため謎解きのロマンもない。

そもそも、この1期で1番成長したのは主人公ではなく部長だ(笑)
彼が最後に隠し持っていた「宝」による戦闘シーンなど
まるで主人公の覚醒シーンのごとく決まっていた。
主人公が主人公としてあまりにもキャラがぶれてしまっていたせいで作品全体がぶれていた
ある意味、メインヒロインの影の薄さに相応しいとも言えるかもしれないが・・・

極めつけはラストシーンだ
「俺達のお宝探しはこれからだ!」で終わるのは納得できるが
最後の最後で「2期」を匂わすようなシーンを入れている。
もうこちらはボコボコに打ちのめされているのに
そこにパイ生地を投げられた気分だ(苦笑)

今からこの作品を見る!という人は決して
「冒険活劇!」「サスペンス!」「アクション!」などと期待してはいけない
割りきってキャラ萌えアニメとして気軽な気持ちで見れば楽しめるかもしれない。

個人的にはこれで1話冒頭の1分間のシーンさえなければ私も割り切って
キャラ萌えアニメとして楽しめたのだが、あの冒頭のシーンのせいで
いつか面白くなるかもしれない、いつか可愛いと思えるかもしれないと
最後まで「期待感」だけはあったが、その期待感だけで終わってしまった感じだ

恐らく2期はないだろう。
売上は800枚以下と致命的だ、原作の売上が伸びれば可能性はあるかもしれないが
この出来栄えで原作を読もうという気持ちにはならないだろう。

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