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評価/★☆☆☆☆(15点)

見切り発車、アニメ作品ではない

本作品はNOTTVで放送されている『吉田尚記がアニメで企んでる』から誕生した、
生放送によるアニメーション番組。
主役の2人を演じているのは村川梨衣さんと、山本希望さん。
監督はgdgd妖精sでお馴染みの石ダテコー太郎。

何の脈絡もなく「実写映像」から始まる本作品。
この作品は恐らく日本初の「生アニメ」と言われるもので、
各キャラクターを担当する声優さんに「モーションキャプチャー」センサーを付けて
その動きまでをリアルタイムでアニメにすることで生アニメという形式ができている。
更にアイドルという設定の2人は放送中にTWitterで視聴者に歌詞のアイデアを募り、
リアルタイムでエンディング曲を作るというのが作品の流れだ

この試みとしては悪くない。
「モーションキャプチャー」をアニメに取り入れている作品は最近増えており、
「ダンス」などのシーンでよりリアルな動きを取り入れるために使われている
若干、アニメ的な動きとは違うので人や作品によっては不自然さが生まれる場合もあるが
使い方によっては「リアル」で迫力のある動きを作ることができる。

そしてリアルタイムにそれを映像にする事ができるようになった技術の発展は凄い。
リアルタイムにできるようになったからこそ「生アニメ」という方式で
アニメを作れるようになったのは技術力の進化を感じることができる

しかし、この作品は「それまで」だ。
生放送ではなく生アニメという形式、この発想の面白さだけで終わってしまう
その原因はもう様々な要因がこのアニメを発想の面白さだけの作品にしてしまっている

まず尺。
恐ろしい事にこの作品は1話あたり「50分」近い作品だ。
内容はある程度の「進行」はあるものの後は声優さんのアドリブな動きや台詞のみであり・・・
というよりもただの「ラジオ」だ。
村川梨衣さんと山本希望さんの2人の「ラジオ」であり、
2人がもし「バーチャルアイドルだったら」という設定のラジオのミニコーナーを
ただひたすら聞いているような感覚の作品だ。

この作品の監督は「石ダテコー太郎」さんだ。
石ダテコー太郎といえばgdgd妖精sなどで有名であり、
このgdgd妖精sの中でも「アドリブパート」と言われるものがあった。
だが、アドリブではあるもののアドリブではないAパートとBパートを見た後の
5分位の尺だからこそアドリブだけのパートが面白く楽しめる。

だが、この作品の場合はほぼアドリブパートだ。
「石ダテコー太郎」監督らしい奇想天外な演出が見れるわけでも、
カオスなシーン展開があるわけでも、3D映像のシュールなシーンがあるわけでもない
ただリアルタイムに声優さんの動きをトレースしてラジオをやっているだけにすぎない。
ちゃんと脚本がある「コント」のようなパートもあるのだが、時間としては短く
基本的に毎話同じようなな事をやっているだけに過ぎない作品だった

全体的に見てこの作品はアニメではない。
アニメとはきちんと考えられた動きと練られた脚本と
声優さんの素晴らしい演技があってこそ成り立つものだ。
この作品は「声優さんの動き任せ」で無理矢理動かなければならないと声優さんたちが
無駄に動いている部分も多く、声優さん達の会話という名の脚本とはいえない脚本と
歌詞を募集するというgdgdな企画だけで進行してしまっており、
更に声優さんたちは演技をしているわけではなく会話しているだけだ
そこに1つの「アニメ」としての面白さは全くない。

更に技術力の足りない部分。
声優さん達の動きという部分はリアルタイムに描写しているのだろうが、
表情や口の動きに関しては映像と一緒に見るとズレを感じるうえに、
1話から「映像が停止」するというトラブルなどもあり、
「リアルタイムに生放送」でやるという試みだけで見切り発車しており、
1つの作品としていろいろな部分が練られていないと感じてしまった

ただこの作品は「リアルタイムさ」と「参加」に意味のある作品だ。
リアルタイムでやってるアニメをリアルタイムで見つつ、Twitterで参加しながら見る
この行為をやって初めて「面白さ」を感じられる部分もあり、
1話1話が長いために見れば見るほど「愛着」が湧いてくる。
そして最終話は「生コンサート・ライブ」になっていることで
そのライブに参加する面白さもある。
1つのアニメ作品としての面白さはないものの、1つの「企画」としては面白い試みだ

個人的な意見でしか無いが、「ClariS」など顔出ししないユニットなどが
このモーションキャプチャー技術を使ってライブやラジオをやれば
面白いかもしれないと見ている間に感じた。
また本当の「舞台役者」さんたちによる舞台のアニメ化なども試みとしては面白いだろう
この「リアルタイムまモーションキャプチャーによるアニメ」というのは非常に面白いので
この作品の2期ではなく、別の形できちんとした「アニメ作品」として見たいと感じる技術だ

作品の試み自体は嫌いじゃ無かったが、ちょっと全体通してgdgdすぎたのは
ある意味「石ダテコー太郎作品」らしいとも言えるが、
この作品に限ってはgdgdが過ぎた(苦笑)
もう少し色々な企画をやればちょうどいいgdgd感になったかもしれないが、
毎話のエンディングの「歌詞を募集する」という根本がちょっと微妙だったような気もする。

2期があるのならば色々な企画、モーションキャプチャーの技術が生きる
「動きの面白さ」が出る企画でやって欲しいところだ。

「」は面白い?つまらない?

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