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悪魔のリドル

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      2016/06/29

評価/★★☆☆☆(31点)

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The茶番、だがやりたい事は分かる。それだけに・・・

原作は月刊ニュータイプで連載中の漫画作品。
監督は草川啓造、アニメーション制作はディオメディア。

見出して感じるのは雰囲気の良さだろう。
暗殺者として育てられた主人公が「ターゲット以外全員暗殺者」という特殊なクラスに編入する
ターゲットを特定の条件下で殺せば暗殺者は組織にどんな願いでも叶えてもらう事ができる
「暗殺者」という設定はこの世界においてキャラクター設定の基本であり、
だからこそ「暗殺者」としてのキャラ付けに差が出る。

暗殺者らしいクールで物静かで感情を殺したような主人公や、
精神的に明らかに病んでいそうなキャラクター、自分に欲求に素直なキャラクター、
二重人格などなど暗殺者だらけのキャラクターだからこその極端なキャラ付、
そこにキャラクターに「影」をつける演出やBGMで暗殺者同士の距離感や
刺々しい雰囲気作りが良く出来ている。

そんな中に明らかに場違いなターゲットが存在する。
明るく笑顔で誰とでも普通に接する、それが癖の有り過ぎる暗殺者でも同じだ
普通の女子校生に見える彼女がなぜターゲットなのか?
なぜクラスメイトとして学校生活を送らなければならないのか?
という点が序盤から視聴者に気になるポイントとして植えつけることで
この作品の世界観に引き込まれる。

だが引きこまれたはいいのだが、その世界観がいつまでたっても理解できない。
「なぜターゲットは狙われているのか?」というこの作品の根本的設定、
多くの暗殺者から狙われている理由がよくわからない
ターゲットであるヒロインも自身がクラスメイト全員から狙われているのも知っており、
殺されずに卒業するのが目標なのは分かるが、
「ヒロインの一族は巨大な一族でヒロインが生きてると困る人が大勢いる」という
ふわっとした設定なため、どうにも腑に落ちない。

更に暗殺側に面倒くさいルールが有る。
「暗殺します」という予告状をヒロインに送らなければならず
送ったら48時間以内に殺さなければならない。
もう既に時点でこの作品における「暗殺」の定義が普通の暗殺とは違うことに気づく
堂々と殺していいのだ。アサシンのアの字もない。

そもそも作品として「ヒロインを殺したら終わり」なので
ヒロインが殺されそうな状況になっても「ここで殺したら作品続けられないし」という
視聴者側の邪推な憶測が常に働いてしまう内容だ。
だからこそ、その憶測を超えるような「緊迫感」を暗殺シーンで出さなければならない
視聴者側にそんな憶測も感じさせないような、そんな憶測を超えるかもしれない期待にふさわしい
描写がなければ「ターゲットが1人」で「暗殺者が11人」というストーリーに
面白みが生まれない。

そして、その描写がない。
予告状ルールはこの際飲み込むとして、そもそも暗殺者が暗殺者として機能しない。
明らかに殺せる状況なのに明らかにとどめを刺せる状況なのに
何度ターゲットが誘拐された状況になっても暗殺者は決して殺さない。
爆弾を仕掛けてもリモコンで爆破させるのではなくトラップ型だったり、
そもそも凶器が銃やナイフを使うパターンが少なく、糸や毒殺だったりと周りくどいうえに
ドジっ子ばかりだ、そしてターゲットが無駄に強い(苦笑)

拘束された状況なのに自分で拘束を解いたり、暗殺者の首を絞めて落としたり、
仕掛けられた爆弾見つけちゃったり、消火器で攻撃したり、屋上から突き落としたり
「守られるヒロイン」という立場のキャラクターのはずなのに
「守っている主人公」よりも優秀かつ、よっぽど暗殺者だ(笑)
終盤の彼女のアグレッシブな行動の数々はあまりにも暗殺者としてふさわしすぎる行動で
ちょっと笑ってしまうほどだ。
  
むしろ主人公はかなり無能であり、明らかに守れる状況で守らない。
肝心の暗殺者との戦いのシーンも演出でかなりごまかしており
アクションシーンとしてのアクションの面白さは殆ど無い
作画の質はそこまでアルクはないのだが、アニメーションとしてのアクションで
戦闘シーンの面白さが薄いというのは残念だ。

11人の暗殺者に狙われるヒロインとそれを守る主人公。
この作品で1番大事な「暗殺者」の描写と「暗殺シーンの緊迫感」が一切なく、
ある意味であまりにも拍子抜けな展開ばかりで予想できない展開ではあるのだが
逆に予想外で拍子抜けな展開ばかりで見れば見るほど疑問が生まれてくる。
この作品は何がしたいんだろうかと(苦笑)

いわゆるデスゲーム的な作品にしたいのか、
知的戦略のあるバトルアクション的な作品にしたいのか、
女の子しかでない百合百合な作品にしたいのか。
この作品を構成しているのはこの3つの要素のはずなのだが、
その3つの要素全てが中途半端な描写で、練り込みの甘さを感じてしまう。

毎話毎話、基本的に1人ずつターゲットを殺しにかかり
その暗殺者の掘り下げストーリーが描かれる。
暗殺者の過去、叶えて欲しい願望など各キャラクターの掘り下げはしっかりしており、
魅力的なキャラクターも多い。
だが、それゆえにその魅力にふさわしい「暗殺」シーンと「去り際」ではなく、
せっかく掘り下げたキャラクターを話の本筋で使いこなしきれていない。

ただ、この作品で「やりたかったこと」は終盤にようやく分かる。
本来私はタイトルの意味に帰結するアニメ作品は大好きなのだが、
この作品において「悪魔のリドル」という主軸に行くまでの展開が回りくどい印象だ。
証明できないことを証明することのための行動とストーリーは素晴らしく、
悪魔の証明をアニメで描くことは本来斬新なはずなのだが、
物語の締めで「ギャグアニメ」っぽさが強まってしまったため、
その描きたかったこともギャグアニメになってしまった感じが否めない。

全体的に見て製作者側に「死」を描く覚悟が足りていない
キャラクターを「殺す」ということがこの作品は出来ないため、結局緊迫感が生まれない。
この作品において暗殺者というテーマ上、本来「死」の描写は重用なはずだ。
だが、死なない。
結局死なない展開ならば暗殺者の暗殺シーンの緊迫感を出そうにも出ないのは当たり前だ

ただ逆にギャグアニメとしてみると非常に爆笑できる。
暗殺者といいながらドジっ子ばかりで周りくどい殺し方ばかりする暗殺者に対し、
暗殺者よりもよっぽど敵に容赦無い攻撃を仕掛けるヒロインの行動の数々、
終盤の実は「生きてました」展開までギャグアニメとしては非常に優秀だ

1話の段階ではB級臭がしないでだけに、駄作好きのアンテナに引っかかてない可能性もあるが
B級駄作アニメ好きには是非オススメしたい。
1話から最終話までの素晴らしいシュールなストーリー展開と
ギャグでやってるのか本気でやってるのかわからない暗殺描写はギャグとして一流だ

テーマや本筋、この作品でやりたかった事は間違いなく面白い。
だが、本筋の描写やテーマの描き方、やりたかったことに至るまでの展開とラストの描写など
もう少し、もう一歩踏み込んで、もう一歩「覚悟」を決めて死を描写すれば
素晴らしい作品になったかもしれないだけに中途半端な感じになってしまって残念だ。

決して駄作ではないが決して大声で面白いとも言えない作品だ。
B級アニメ好きならば是非オススメしたいが、
突っ込みどころの多い作品なだけに完璧な作品を求める方には合わないだろう。

個人的に1話から中盤くらいまではしっくり来ない感じが強かったのだが
終盤でギャグアニメ&B級作品として受け止められる展開と「悪魔の証明」の描写から
このアニメがしっくりときて評価が上がった作品だ。
好みはわかれると思うが、興味本位でツッコミつもりで見ると楽しめる作品かもしれない

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