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愛・天地無用!

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☆☆☆☆☆(6点)

これぞ黒歴史

本作品は「天地無用シリーズ」の最新作。
『天地無用!』20周年記念企画として制作された作品だ
なお、1話5分で「全50話」という異例の放送形態(苦笑)
従来の天地無用シリーズからはキャラクターデザインも変更されている

1話早々、分かりやすいインパクト重視のシーンが描かれる
女の子が降ってきたことに寄るボーイミーツガール、
あざとすぎて逆に何のエロさも感じないパンチラ、
1話から大量のキャラクターがゾクゾクと画面狭しと暴れまわる
1話5分だから仕方なくはあるのだが、テンポの早さもあり慌ただしく
1話1話のぶつ切れ感もすさまじい。

更に困ったことに総集編を入れまくる。
全50話だが、それプラス振り返り放送として4話ごとに総集編がある
恐らく毎日放送なうえ5分という短さであるがゆえに視聴者を失わないために
頻繁に総集編を入れているのだろうが、
だったら最初からこんな無茶な放送形態にすべきではない。
見る方も大変だ。

そして、ある程度「天地無用」の知識が必要な所も厳しい。
キャラクターデザインを一新し、主人公以外の既存のキャラクターをサブキャラにし
新キャラと主人公の天地による学園ストーリーを展開しているが、
話が進むと既存の天地キャラクターが出てくる、
5分という尺の短さゆえにキャラクター紹介もないため天地無用を見てないと
「誰?」となってしまう。

キャラクターデザインが変更されているが、
一部の声優さん以外の声優さんの変更がないのが唯一の救いではあるが、
あくまでも「天地シリーズ」を見たことある人向けに作られているのは失敗だ

これが1話5分ではなく、きっちりと1話30分で作られていれば
既存キャラクターと天地という主人公の関係性もサラっと語られるかもしれないが
尺が無いため語られることはない。
キャラクターデザインの変更で「新規ファン」を獲得するための意味もあると思うのだが、
決して新規視聴者にはやさしくない。

これが1話完結のハーレム学園ラブコメならば、気にならなかっただろう。
だが決して1話完結ではなく、本来「1話30分」として作成されているものを
「6話」に分けているような作り方をしているため、1話5分にする意味が全くない。
ここ数年、ようやく洗練されてきた短編5分アニメ作品を見習ってほしいと感じるほど
毎日1話5分放送という放送形態に意味を感じない

話が進んでも、内容が頭に入ってこない。
5分毎にぶつ切れし、EDテーマが流れ、どうでもいい話が小間切れに進む
キャラクター数も多いのにそのキャラクターの名前がほとんど頭に入ってこず、
キャラクターごとの魅力もとってつけたようなキャラ付けで
余計にキャラクターの印象が残らない。

天地無用シリーズを見ている方であれば既存キャラが出れば
懐かしさで楽しむこともできる
ただ、基本的に内容は新キャラと天地達の学園ラブコメがメインであるため
既存キャラの登場シーンはあくまでサブだ。

更に話の間に別の話を入れる。
話が進むと天地無用らしいSFストーリーも展開するのだが、
これが「学園日常」の間に思い出したかたのように入れて来るため、
ただでさえ細切れになっているのがもっと、細切れになってしまっており
忘れた頃にSFストーリーを進めるため混乱してしまう。

放送形態を考えればぶつ切れになってしまうのは仕方ない。
だが、ストーリーの時系列をシャッフルして話の間に別の話を入れるストーリー構成は
擁護のしようがない、完璧な失敗だ。
ストーリー的には実質200分ほどだ、EDシーンを除けばもう少し短いだろう。
通常のアニメなら1クール分に満たない9話ほどのストーリーでしかない。

そのうちの7話分くらいがつまらない。
天地無用シリーズを知っていれば既存キャラが出ているときは何とか楽しめるが、
前半から中盤までは基本的に主人公と新キャラたちの関係性を深めるストーリーであり、
ハッキリ言って面白みがない。
もう少しキャラクター数を絞ってしっかりとキャラクターを立てて掘り下げれば
キャラクターに愛着が生まれて楽しめたかもしれないが・・・

終盤でようやく「天地」がなぜ教育実習生として女子校に来たのか、
間に思い出したかのように描写されていたSFストーリーの伏線などが回収され
気持よく最終話を迎えるのだが、
その「終盤」の展開を見せるための序盤から中盤までの描写が甘く、
1話5分なのに正直ダレすら感じてしまうほどだ

全体的に見て1話5分50話というストーリー構成がそもそも間違いだった
1話完結のストーリーではないストーリーを5分アニメとして
しかも毎日放送するという放送系対は見る側の視聴意欲を失わせ、
更に序盤から中盤まではハッキリ言ってつまらない。
面白さが出てくる終盤に何人辿りつけたのかと思うほど
最後までの道のりが困難だ

キャラクターデザインが変わったことでどこか天地らしさも薄く、
その割には天地無用を見ていないとついていけない展開も多い
この作品を誰に向けて作ったのか、どういった人に見てもらうことを想定しているのか
色々な部分で疑問に感じてしまう。
新規視聴者向けとしは世界観や設定の説明不足、
天地無用ファン向けとして既存キャラのシーンは決してメインではないため
物足りなさを感じてしまうだろう。

そもそも新規キャラと既存キャラ、
比べると圧倒的に既存キャラが新規キャラを食ってしまっており、
ちょろちょろっと出てくる既存キャラが新規キャラの存在感を薄くしている
出すならばもっと既存キャラを出すべきだろう、
中途半端に「チラチラ」っとでてくるせいで余計に新規キャラの印象が薄くなる

1話5分という尺、50話というストーリー構成、毎日放送する放送形態、
色々な要素が悪く組み合って失敗作に仕上がってしまった感覚は否めない
きっちりと普通のテレビアニメとして1クール作っていれば
もっと評価は高かっただろう。

私は録画を諦めてDVD出てからでいいかと思っていたのだが
バンダイチャンネルさんが9話にまとめてくれたおかげで見る事ができた(苦笑)
それでも妙に長く感じてしまうほど、色々と厳しい作品だった。
なぜ異世界の聖機師物語のように「天地無用シリーズとの関係性を匂わす」続編ではなく、
がっつりと天地無用の続編にしてしまったのだろうか。
企画段階で色々と間違った方向に行ってしまった感が否めない

内容的に2期をやるような作品ではなく、売り上げ的には1000枚前後。
久しぶりの天地無用シリーズのアニメだったが、
今後新しい天地無用シリーズのアニメは作られるのだろうか・・・
きちんと作ればファンも多い作品なだけに色々ともったいない。

私個人としては「東山奈央」さんの可愛らしい声と
川澄綾子さんのドS声を楽しむ見方に早々と変えたたため何とか最後まで見れたが
そういう見方をしないと最後まで見るのは厳しいだろう。

「」は面白い?つまらない?

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