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ググったら犯人の証拠見つけた、名探偵Google「名探偵コナン 業火の向日葵」レビュー

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      2016/06/29

☆☆☆☆☆(7点)

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ググったら犯人の証拠見つけた、名探偵Google

本作品は名探偵コナンの映画作品。
劇場版『名探偵コナン』シリーズとしては19作品目となる
監督は前作と同じ静野孔文、脚本家は絶海の探偵も担当した櫻井武晴。

見だして感じるのは淡々さだろう。
コナン映画は多くの場合、冒頭から激しいアクションシーンなどで始まることが多く、
1度盛り上げてからストーリーを描写するような感じが強い傾向がある。
だが、今作の場合は冒頭から非常に淡々と「オークションシーン」など
ストーリーの「起」を丁寧に描いており、派手さが薄い。

肝心の「怪盗キッド」が出ても、どうにもアクションも地味であり
コナン映画特有の「荒唐無稽」ともいうべきアクションがない。
やたらめったら怪盗キッドを動かして入るものの、
単純に動かしているだけで「アクションシーン」としての面白さが薄く、
どうにもインパクトに欠ける。

怪盗キッドが「ミッションインポッシブルのトム・クルーズ」ばりの
アクションシーンをコナン放置でどんどん繰り広げるのだが、
過去のコナン映画ならば「何だこのアクションww」と
超絶アクションを爆笑できるのだが、
今回のアクションシーンは全体的に「笑えない」のに変に気取った演出になっており、
笑えないのに荒唐無稽なアクションシーンを描写しているため
どうにもしっくりこない。

前作は同じ監督でありながら爆笑できるようなアクションシーンが
多かっただけに非常に期待していたのだが、
今作にはコナン映画には欠かせない「スケボーアクション」がない。
怪盗キッドを描写するのに夢中になるあまり、
肝心のスケボーアクションが省かれてしまっているのは残念でならない

そう、今作は「省かれている」感じの部分があまりにも多い。
Wikipediaによると脚本家の櫻井武晴が当初書いた
脚本では3時間近い尺になってしまったらしく、
当初の脚本から1時間以上の「カット」をしているうえに 、
監督などが構成した際に色々としてしまったようで、
櫻井武晴の脚本は「原案」のような感じになってしまっているようだ

そのせいなのか見ている最中に「もやもや」っとした感じがどんどん強まる。
冒頭で飛行機墜落シーンがあるのだが、キッドが活躍している中で
コナンはこれ見よがしに焦って走りだしたから何かするのか?と思ったのだが
コナンは「止まったくれ」と願うのみ。
過去の雪崩すら起こすコナンならば、飛行場に衝突しようとしている飛行機に対して
何かしらアクションを起こしているはずなのだが、願うのみだ。

更に使い古された展開。
怪盗キッドがコナンの映画に出ることは少なくないが、
その中で「工藤新一」として現れるパターンはかなり多い。
今作も冒頭から「工藤新一」として現れてしまい、展開の「意外性」というのが薄い。
はっきりいってコナン映画を見てきた人にとっては
「またそのパターンか」とちょっと萎えてしまうだろう。

今回の作品は主人公が完璧に「キッド」になってしまっている。
削られた1時間の尺の中に「殺人事件丸々1つ」と原作者が考えたトリックが
あったらしく、それがないせいで「探偵」である「コナン」の活躍が薄い。
確かに怪盗キッドは魅力的なキャラクターだ、
だが、あくまで「名探偵コナン」の主役は「コナン」だ。
そんな主人公がメインで活躍する話が削られてしまったせいで
作品全体の「締り」がなくなってしまっている。

だらーっとはじまり、だらーっと事件が起き、だらーっと大変なことになる。
3時間だったのを2時間に削ったはずなのにテンポが悪い。
はっきりいって削るべき部分、削ってはいけない部分を間違っているような感覚だ
常に物語の「芯」がなく外郭だけを見せられているようであり、
ふわふわとしたストーリー描写のせいか、
キャラクターのセリフや描写にもなんとも言えない違和感が生まれている。

更に無駄なキャラクターがあまりにも多い。
今回何故か「7人の侍」というキッドが狙うお宝を守る人物がいるのだが、
その殆どが無意味。
当然のごとく「7人の侍」の中に犯人がいるのだが、この「犯人」の見つけ方が酷い。

なにせコナンが推理しない(苦笑)
探偵ものの作品のはずなのに探偵が犯人を推理してあてるのではなく
警察が「ネットで検索」して証拠を見つけ犯人をあぶり出す。
もはや意味不明だ。

犯人が出てきても、その犯人の印象がひどく薄く
「誰?」と言いたくなるほど人物描写が浅い。
ペラペラと動機やこれまでの経緯を喋るのだが
「なるほど、そうだったのか」と一切思えない
何の脈絡もない動機と何の脈絡もない犯人には何の魅力も感じない。

探偵が証拠を見つけるわけでも、動機を当てるわけでもない。
そんな「名探偵コナン」など、もはや「名探偵」ではない。
作品全体の推理や謎解き、怪盗キッドの「予告状」なども
今回は「ゴッホ」の関連の知識が必須なものがあまりにも多く、
ゴッホなどに興味が無い人には心底どうでもいい謎解きになってしまっている

その後に「真犯人」が出て来るのだが、
それを「推理」すれば最低限のミステリー作品になったかもしれないが、
それすらも推理しない、先に怪盗キッドのほうが暴いてしまい証拠まで発見済みだ。
せめて「証拠が見つけられない」怪盗キッドに対し
「証拠を見つけた」コナンならば格好がつくが、
怪盗キッドが先に暴いていることを探偵として披露するシーンなど滑稽でしかない。

全体的に見て清々しいほどの駄作だ。
3時間あった脚本を脚本家ではない人物が2時間にしてしまったせいで
作品の「芯」となる部分を失ってしまい、
結果的に名探偵コナンが一切活躍しないストーリー展開になっており、
コナン映画らしい「アクションシーン」もない。

この作品の評価を決定づけたのは終盤のあるシーンだ。
キッドに睡眠薬をかがされているとかならばわかるが
蘭は気絶しているだけ状態であり、いつ目が冷めてもおかしくない
そんな蘭の目の前でコナンは変声器を使い新一の声で推理を披露する。
最悪だ。バレてもいいとでも思ってるのだろうか?

真犯人の動機も本当にひどく、過去作品のように「笑える」ものではない
ネタバレになるが
「偽物の絵と一緒にゴッホの向日葵が並ぶのは我慢できない、燃やす」だ(苦笑)
しかも偽物は偽物ではない。真犯人は鑑定士という職業なのに
「好きすぎたあまり勘違いした」という意味不明な理由まである始末だ。
この辺りは本作の小説版ではきちんと説明されているようだ。

過去作品で見たようなシーンも非常に多く、
映画オリジナルのキャラばかり活躍してコナン本来のキャラの活躍が薄い。
コナン映画としての面白さが本当に薄い作品だった

ここ、2,3年のコナン映画は割りと見れる作品が多かっただけに
とんだ駄作が生まれてしまって本当に残念だ。
来年はどんな映画になるかわからないが、
内容はどうでもいいので「スケボーアクション」だけは忘れないでいただきたい

私が劇場に足を運ぶのはスクリーンであのスケボーアクションを見たいからだ、
今作で私が劇場に足を運ばなかったのはスケボーアクションがないという
情報を得てしまったがゆえにだ。
恐らく多くいるであろう「コナンのスケボーアクション」ファンのためにも
来年は雪崩を起こす以上のアクションをぜひ披露していただきたい(笑)

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