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安易なキャラと内容と胸焼けする下ネタ「初恋モンスター」レビュー

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評価☆☆☆☆☆(7点)全12話
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あらすじ 箱入りお嬢様の二階堂夏歩は高校入学を機に故郷の親元を離れ、東京にある下宿屋「華すみ荘(かすみそう)」で一人暮らしをすることになる。そこで出会った高橋奏に車に轢かれそうになったところを助けられ一目惚れするが、実は彼がまだ小学生だったという驚愕の事実に直面してしまう。引用 – Wikipedia


安易なキャラと内容と胸焼けする下ネタ

原作はARIAで連載中の漫画作品。
監督は稲垣隆行、制作はスタジオディーン。

見だして感じるのは「少女マンガ」で女性が原作者であることが
ひしひしと伝わってしまう感じだろう。
キャラクターデザインの「スラッ」っとした感じ、
「目を髪で隠した男性キャラ」など、
少女漫画であり、女性向けの作品であることがひしひしと伝わってくる。

更になんというかベタな恋愛の始まり方(笑)。
車に轢かれそうになったところを助けてもらった男性に恋をしてしまうヒロイン、
曲がり角でぶつかって恋が始まるくらい安易なきっかけで、
ヒロインは惚れる。

そして、この作品の芯にある部分は惚れた相手が問題だ。
なにせヒロインが惚れた相手は
「見た目は173cmのイケメン、中身は小学五年生」である。
設定的には完璧にリコーダーとランドセルのパクリだ。

これが一人だけならまだ飲み込めたかもしれないが、
見た目は大人、中身は子供のバーゲンセール状態だ。
流石に3人も同じ設定のキャラクターの必要性を感じない。
キャラクター設定がかぶっているため、
その設定がうまく役立っていない。

ストーリーも何がやりたいのだろうかという感じが強い。
ラブコメがしたいのか、ギャグアニメがしたいのか、Bがしたいのか。
どれもこれも「中途半端」で、ラブコメ要素は安易であり、
ギャグは基本的に「ち○こ」連呼のワンパターンで滑りっぱなし。

なんというか小学生のシモネタが「ち○こ」意外に無いのだろうか?
と思うほど引き出しのない作品であり、
これが幼稚園か小学生でも低学年ならまだ連呼するのもわかるが、
小学5年生でここまでの「ち○こ」連呼の下ネタだけでは、
捻りがない上に下品なだけで笑いにつながっていない。

同じ設定の「リコーダーとランドセル」は
非常にうまく、見た目は大人、中身は子供の設定を活かしており、
純粋に作品として面白かったが、
同じ設定でも、この作品はその設定を活かしきれていない。

更に尺。
この作品は1話30分であり、はっきりってテンポが悪い。
ギャグ要素の強い作品でここまで1話1話が間延びしてしまい、
ワンパターンな内容だと序盤の段階で空きてしまう。
「出落ち」的な内容をどこまで面白くするのかが重要な作品だが、
出落ちで終わってしまっている感じが非常に強い。


全体的に見て安易な作品だ。
女性が好きそうなキャラクターで女性が好きそうなシチュエーションを
安易なシモネタを織り交ぜつつ見せられている感じが強く、ひねりがない。
唯一の捻り設定である「見た目は大人、頭脳は子供」も
リコーダーとランドセル未満の活かし方しかされていない。

話が進むとキャラクターも増え、「安易なパロディネタ」も増える。
ギャグ作品の場合ネタ切れの象徴とも言うべき減少が序盤から垣間見えており、
作品の芯とも言える部分を膨らませずに、
なんとか作品の面白さを出そうとして色々なことをやって
迷走してしまっている感じが強い。

そもそも見た目は大人、頭脳は子供なキャラを3人も出す意味がわからない。
話が進めばこの設定が生きてくるのかと思ったが、特にいきてこない。
リコランとは違い見た目は大人、頭脳は子供なキャラ3人が同じような
小学生らしい行動を刷る団体芸的な面白さを生みたかったのかもしれないが、
キャラが無駄に増えてギャグが間延びしている原因にもなっていた。

出ている声優さんが無駄に豪華であり、
声優さんだよりになっている部分も多く、豪華声優たちの実力があるからこそ
なんとか笑いになっている感じも強い。
強いキャラクターの魅力や強いギャグ要素があって
キャラクターに好感が持てるのではなく、
まずキャラに好感を持って初めて笑いに繋がる感じだ。

出ている声優さんのファンならば楽しめるだろう、
安易なシチュエーションではあるが、女性が見れば楽しめるシーンも有る。
ただ男性が見ても楽しめる部分は少なく、
嫌悪感を感じる人も多いだろう。

個人的にもう少しギャグ要素が笑える作品かと見る前は思っていたのだが、
結局、リコーダーとランドセルの面白さを再認識するだけの作品だった。
序盤はまだ楽しめたのだが、安易なパロディギャグは強い苛立ちを生み、
同じようなち○こネタの繰り返しで胸焼けしてしまう感じだった。

ただ最後の堀江由衣さんの長台詞と下ネタ連呼と
怒涛のツッコミはこの作品で唯一素直に笑えたところだった。
あの怒涛のツッコミのキレがもっと作品全体にあれば、
作品全体が締まったかもしれない。

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