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変わらない毎日を描くことの難しさ「ゆるゆり さん☆ハイ」レビュー

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評価★★★★☆(64点)全12話
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あらすじ 赤座あかり・歳納京子・船見結衣・吉川ちなつの4人が行っている部活動「ごらく部」。それに目をつけ、ちょっかい(?)を出し続ける「生徒会」。愛が溢れまくりで明日から元気に生きていけること請け合いのまったりストーリーが、テレビに帰ってくる! 引用 – Wikipedia


変わらない毎日を描くことの難しさ

本作品はゆるゆりの三期。
1期、2期と違い製作会社が動画工房からTYOアニメーションズに、
監督は太田雅彦から畑博之へと変更になっている。

見だして感じるのは雰囲気の違いだろう。
OVAを見た人ならば製作会社の違いによる雰囲気の違いを
すでに感じていると思うが、3期ではそれが顕著だ。

例えばお約束となっていた「アッカリーン」ネタが無い、
明らかに1つ1つの話の中での強引な「ギャグ」が減っており、
3期はかなり「自然」なギャグといえる。

今までが日常百合ギャグアニメだったのに対し、3期は日常百合アニメだ。
タイトル通りと言ってはなんだが、
ものすごく「ゆる~」っと「フワ~」っとした雰囲気が漂っている。
そんな中で自然なギャグ要素が光る。

強引なギャグが減った分、勢い任せのキャラ描写がない。
ギャグ要素が強ければキャラの特徴を活かした描写で
キャラクターの印象を強めることができるが、
3期では「丁寧なキャラ描写」で一人ひとりのキャラクターの魅力が自然に深まり、
その中で自然なギャグを入れることで面白さを際立たせている。

1期、2期と今まで24話やってきて、
あえてもう1度しっかりとしたキャラクター描写をすることで、
キャラクター本来の魅力を見ている側にしっかりと再認識させる。
3期までやる作品は他にもあるが、ここまで作風が自然に変化し、
なおかつキャラクターの魅力を改めて味わえる風に仕上がっているのは、
この作品くらいだろう

キャラクターの魅力の再認識と魅力を深めたことにより、
キャラクター同士の「自然な会話の面白さ」が際立ってくる。
更にそこに本作品だからこその「百合要素」が絶妙な塩梅でたされることで、
より「ゆるゆり」という作品本来の魅力を引き立たせている感じだ。

最初から最後まで非常に安定しており、
1期や2期にあった「尖った部分」はないにせよ、
逆に尖った部分がないからこそキャラクターの癖など、
人によっては受け入れられない部分が受け入れやすくなっており、
「日常百合萌アニメ」として万人におすすめしやすいアニメ作品になっている。

全体的に見て製作会社が変わったことによる雰囲気の変化を、
うまく1期、2期とストーリーとキャラクター描写を深めた事による
自然な変化に合っており、普通は違和感を感じやすい制作会社の変化も自然で、
1話から最終話までゆるっとふわっっと素直に楽しめる作品だ。

欠点らしい欠点というのがない、
逆に1期や2期のように爆笑できるようなギャグがないが、
その分深まるキャラクター描写とキャラクター同士の会話と関係性に、
「にやにや」しながら見ることができる。

普通は3期ともなるとマンネリや低評価に繋がる要因が生まれることがあるが、
「ゆるゆり」は安定している作品だ。
キャラクター同士の関係性にも飽きない、話にも飽きない。
見れば見るほどむしろ愛着がどんどん湧いていく。

「相変わらず面白い」という言葉がこの作品を評するのに最適な言葉だが、
その「相変わらず」の中にある変化がマンネリを防ぎ、
作品の面白さが増していくのを感じることができる作品だ。

個人的には本当にあまり期待しておらず、
2期と同じくらいの評価になるだろうな~と見る前は思っていたのだが、
その期待感の無さをいい意味で裏切ってくれた。
3期のキャッチコピーである「変わらない毎日がまだまだ続くんだ」という
言葉は本当にこの作品そのままであり、素直に面白かった。

ただ売り上げ的に3000~5000枚と
1期や2期に比べると右肩傾向になっているのは残念だ。
この変わらない面白さを4期があるならば、もう1度味わたいだけに
ぜひ4期を期待したい。

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