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素人臭さの残る作画とセンス0能力バトル「一人之下 the outcast」レビュー

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評価☆☆☆☆☆(3点)全12話
1317

あらすじ 主人公・張楚嵐は、ある日墓場でゾンビに襲われた!絶体絶命のピンチ―…!その時、包丁を持った見知らぬ少女が現れ敵をなぎ倒し始める。命拾いしたと安堵したのもつかの間、「この困難に自分で立ち向かえ」という言葉と共に立ち去る少女。後日、大学に登校した張楚嵐の前に、あの墓場で出会った不思議な少女が現れて… 引用 – Wikipedia


素人臭さの残る作画とセンス0能力バトル

原作は中国で連載中のWeb漫画作品。
中国のアニメブランド「HAOLINERS」の日本進出第2弾作品として制作された。
監督は王昕、制作はパンダニウム。

見出して感じるのはのっぺりとしたキャラデザだろう。
日本のアニメの20年位前のキャラクターデザインであり、等身が高く特徴がない。
髪型でなんとか特徴を出そうとしたり、
コミカルなシーンでキャラクターの表情を崩したりと、
若干の懐かしさを感じるデザインだ。

作画の質もあまり良くない。
こういってしまうと同人誌を書いてる人に失礼なのはわかるのだが、
色を塗ったキャラクターの作画が、キャラデザのせいなのか
「同人誌っぽい」雰囲気の作画であり、素人っぽさを所々に感じる質だ。
使ってる色合いもどこか暗い。

この作品はいわゆる「能力バトルもの」だ。
その時点で日本には数多の作品がアニメでもマンガでも多くあり、
何らかの特徴がないと厳しいジャンルだ。
そんな中でこの作品は「中国が舞台」ということ以外の個性がない。

そんな個性のない能力バトルを素人っぽさの残る作画で描くため
戦闘シーンがつまらない。
中途半端なスローモーションを用いた演出で戦闘シーンを描いているのだが、
中途半端なスローモーションが戦闘シーンのテンポを崩し、
迫力をなくしている。

無駄にカメラが遠くから映し出して高速戦闘を描いているのだが、
遠くすぎて迫力が生まれない。
主人公がようやく力を出した戦闘シーンなど
本来は盛り上がらないといけないはずなのに、冷めた目線で見てしまう。
はっきりいってレベルが低い。

シリアスなストーリーの中で唐突にギャグやコメディをぶち込んできているのだが、
これが心底笑えない。
シリアスな雰囲気を維持していてほしいときにもギャグを入れるため、
せっかくの雰囲気を壊してしまっており、
シリアスとギャグのメリハリが成っていない。

特にシモネタに関してはお国柄なのか、
「これで笑えるのか?」と思う感じの下ネタが多い。
中国人のギャグの間合いやテンポ、空気感というのが
日本人に合わないのか、私に合わないのかは判断しかねるが、
下ネタに関しては特に合わなかった。

ストーリー的にもいまいち飲み込み難い。
中国が舞台であり、登場人物も中国人だ。
名前も当然中国の名前であり覚えにくく、中国が舞台ならではの要素もある。
その中国要素の数々が素直にストーリーやキャラを理解し難くしており、
ストーリーが進めば進むほど何がしたいかわからない。

話が進むとキャラが増え謎が増えていく。基本的にこの繰り返しだ。
覚えにくいキャラの名前のキャラがどんどん増えて、
何だかいろんな組織が増えていく。

物語の「主軸」がいつまでたっても見えず、
この作品で何がしたいのか?というのがよくわからない。
例えば世界征服を企む敵がいるとか、そういう主軸が見えない。

組織も増えまくりキャラも増えまくり、
なんだか急に天下一武道会みたいなのも始まりそうだったりと、
いつまでたっても話の主軸がブレ、物語の方向性もよくわからないままだ。
そんなよくわからないまま天下一武道会も見れないまま、
話が物凄い中途半端なところで終わってしまう。


全体的に見てレべルの低い作品だ。
魅力を感じないキャラデザ、素人っぽさの残る作画、盛り上がらない戦闘シーン。
ストーリーも新鮮味がなく、キャラを増やすだけで
物語の面白さがいつまでたっても感じられない。

もう少し戦闘シーンに見応えがあれば違ったが、
作画の質も悪く、演出も稚拙だ。
作画の質は予算の問題もあるだろうが、演出に関してはセンスだ。
「主人公がようやく本気を出した戦闘シーン」がかっこ悪いというのは、
アニメの制作に携わるプロの仕事をは思えない出来栄えだ。

アニメーションにおける動きの面白さというのを描くセンスがなく、
作画の質に頼ることもできず、戦闘シーンを描いてしまうから、
戦闘シーンの多い作品なのに戦闘シーンがつまらない。

ダサすぎて笑えるという作品もたまにある。
しかし、この作品の場合は駄作特有の笑いもなく、
ただダサく、ただかっこ悪い。

この作品で唯一楽しめるのは早見沙織さんの病んでる演技だろう。
デレ部分がないためあれだが、病んでる演技を思う存分聞ける。
はっきりいって早見沙織が演じているのでなければ、
演じているキャラクターの魅力も薄い。

個人的にはアニメ制作における「センス」の重要さを感じる作品だった。
1つ1つの演出の甘さ、戦闘シーンのダサさ、
キャラクターの魅せ方など、本当に稚拙で見ていて萎えるシーンばかりだった。
中国原作のアニメだからと国で差別はしたくないのだが、
中国だなー・・・と思ってしまう部分が多々あった。

ストーリー的にものすごく中途半端に終っているため、
2期を狙っているのかもしれないが、正直厳しいんじゃないだろうか・・・
そもそもDVD・BDすら発売しておらず、
Amazonでは明らかに正規品ではないスマホケースしか売られていない。
こういう所もある意味、中国らしいが(苦笑)

「」は面白い?つまらない?

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