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セクシーアニメに必要なものが感じられない「魔装学園H×H」レビュー

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評価★☆☆☆☆(12点)全12話
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あらすじ 異世界との衝突面(エントランス)が出現し、そこから魔導兵器と呼ばれる侵略者がこの世界を襲い始めた。人類は緊急避難用に世界各地に作られた海上フロートに移住し、反撃の時を伺っていた。引用 – Wikipedia


セクシーアニメに必要なものが感じられない

原作はライトノベルな本作品。
監督は古川博之、制作はプロダクションアイムズ。

見出して感じるのは・・・というよりも苦笑してしまう感じだろう。
1話の冒頭から胸のドアップ、女性キャラが「はぁはぁ」と息を荒げ、
かなり怪しげな場所で体を撫でられまくる。
他の女性キャラが「早くイっちゃってよね」というセリフのおまけ付き(苦笑)

早々に「このアニメは何なんだろう?」という疑問に襲われる(笑)
色々と規制はされているため直接的な描写は見えなくなっているものの、
これを「地上波」で流して良いのか?と見る側が不安になる内容だ。

はっきりいって年齢指定しなければならないシーン描写の数々だ。
原作がライトノベルでなくアダルトゲームだと言われたほうが納得できるほど、
表現がかなりストレートであり、ごまかしていない。

この作品はこういうセクシー要素全開の作品ですよというのが
1話冒頭の2分くらいで分かってしまうのはある意味清々しいのだが、
逆にここまでごまかさずにストレートなセクシー描写は
「地上波」で「年齢制限無し」の作品として制作して良いものなのか?という
感覚は強い。

この作品は簡単に言うと主人公がヒロインとエロい事をすることで
未知の侵略者に対抗できる力を補充することができる。
というセクシー描写をするためだけの基本設定が有り、
ストーリーもキャラクターも、そういうシーンを描くためだけに存在する感じだ。

同じようなストレートなセクシー描写でエロ=力になる作品では
「健全ロボ ダイミダラー」などがあるが、
あの作品は主人公が直結型のエロ行動の数々をやっていたり、
そもそものロボットアニメとしての見ごたえが素晴らしいため、
「バカエロ」としての面白さがしっかりとあった。

しかし、この作品はいわゆる「テンプレート的ラノベキャラ」で
堂々とセクシーシーンをやっているだけにしか過ぎない。
既視感溢れるキャラクターばかりで新鮮味が0だ。

新鮮味のないヒロインのセクシーシーンを見せられても心底微妙だ。
演じている声優さんも新人が多く、はっきりいって演技力不足も目立つ。
セクシーな演技は演技力のない声優にやらせても、
あざとさだけが際立ってそこにエロスが生まれず、
見ていて苦笑してしまう。

日常シーンでも安易なキャラ設定に声優さんの演技が引っ張らられており、
どうにも安っぽい演技になっている。
このキャラ設定とセリフだからこそ仕方ないかもしれないが、
もう少しベテランの声優か経験のある声優さんならば、
この苦笑してしまう感覚にならないシーンになったかもしれないだけに残念だ。

更に登場人物たちが侵略者に対して武器を装備するのだが、
ほぼ「インフィニット・ストラトス」だ。
あの作品の大ヒット以降、似たような作品が増えたが、
この作品もまた「IS系」であり、装備も露出の多いISだ。

戦闘シーンも酷い。
かなりの部分で「演出」でごまかしまくっており、
あくまでセクシーシーンに対してのおまけでしかない。
早く動かせば爽快感溢れる戦闘シーンを描けると勘違いしており、
無駄に早く動く高速戦闘や、逆に動かなすぎるシーンだったり
止絵も多すぎる。

セクシーシーンにしても作画のレベルが低く、見せ方も悪い。
ワンパターンに主人公にヒロインの身体を撫で回させて、
アンアン言わせたり、逆にヒロインに主人公を舐め回させたりと、
ストレートすぎるセクシー描写は安易な上にレベルが低くて飽きる。
セクシーシーンに重要な「フェチズム」やこだわりを感じない。

ただ、話が進むとその安易さとワンパターンさを回避しようと
「バカバカしさ」が極まってくる。
「どこでもホテル」だったり、アブノーマルな感じのシーンだったりと、
まるでマンネリカップルのマンネリ解消のごとく、
色々なシチュエーションで描かれる。戦闘中でも(苦笑)

この作品の世界は、半分が敵に侵略されてしまっており、
その敵と戦う力=命であり、
主人公とエロい事をしてパワーを補充しなければ、死んでしまう。
安易なセクシーシーンや馬鹿馬鹿しい展開とは裏腹に、
以外もストーリーがシリアスで重い。

キャラクターたちのバックボーンも結構重い。
そんなシリアスかつ重いストーリーとキャラクターなのに
安易なセクシーシーンが挟み込まれるため、
いい意味でギャップが生まれている。

中盤くらいからはバカバカしさとシリアスが極まっていき、
この作品のやりたかったことが伝わってくる。
その本来、この作品が描きたかったことや面白さが
「アニメーション」という媒体でうまく表現しきれておらず、
見終わった後に内容は悪くはないのに、微妙な感じが残ってしまう作品だ。


全体的に見て、もっときちんと作ってほしかった作品だ。
1つ1つの要素ややりたいことはストレートかつ安易ではあるものの、
安易でやっていることは単純だからこそアニメーションという表現媒体で、
その安易な部分やストレートな部分をもっときちんと盛り立てれば、
シリアスとバカバカしさとエロス溢れる作品に仕上がったはずだ。

それなのに安易なキャラ設定のキャラと安易なセクシーシーンを
安っぽく描いてしまったがために、
この作品が本来持つ面白さを殺してしまっている。

ようはアニメでの表現が甘い作品だ。
古川博之監督はおくさまが生徒会長のときも思ったが、
セクシーシーンにおける表現が甘く、どうにも描写が単調になりガチだ。
セクシーアニメには重要な監督の変態性やこだわりが感じられない。

作画も不安定であり、せっかく盛り上がっている戦闘なのに作画と、
それを誤魔化す演出のせいで盛り上がりきれずに終わってしまったり、
終盤ではDVDを売るためにわざとセクシーシーンをカットしたり、
伏線残しまくりで歯切れの悪いストーリーで終わっていたりと、
見終わった後になんだかスッキリしない感じだ。

もっと予算があれば、せめて別の監督ならば。
作画の不安定さは予算の問題もあるのだろうから理解できるのだが、
いろいろな部分での「見せ方」や「描写の仕方」が、
ことごとく面白みに欠ける作品だった。

売上的には3000枚前後。
セクシーアニメは規制解除があるため売れやすい傾向にあるが、
何とも言えない感じの売上だ。
原作の売上が伸びれば2期という感じなのだろうか?
ストーリー的には2期をやる気満々な感じだったのだが・・・

金子ひらくさんあたりが監督をすれば
もっと「頭のおかしい」作品になりそうなだけに、
できれば2期は別の監督で見てみたい。

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