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これぞギャップ燃え「幼女戦記」レビュー

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      2017/04/28

評価★★★★☆(68点)全12話

あらすじ 21世紀初頭の日本でサラリーマンとして生活していた主人公は、リストラ勧告した社員の逆恨みによって地下鉄のホームから突き落とされて命を落とす。死後の世界で創造主を名乗る「存在X」と邂逅し、リアリストな言動と無信仰さを咎められ、戦乱の世界で苦労して反省するよう促され、赤子の女児ターニャ・デグレチャフとして別世界へ転生させられた。引用 – Wikipedia


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これぞギャップ燃え

原作はWebで連載されていたライトノベル作品。
監督は上村泰、馴染みがない人も多いかもしれないが
元GAINAXの人であり「ダンタリアンの書架」などを手がけていた。
制作はNUT。

見出して感じるのは「主人公のインパクト」だろう。
この作品は「幼女戦記」というタイトルの通り、幼女が主人公である。
前世の記憶、日本のサラリーマンだった記憶を持った男が、
第二次世界大戦中のような時代で魔法が存在する世界に女の子として転生する。
見た目は可愛らしい9歳の金髪な女の子だが、中身はおっさんである(笑)

そんな彼女?彼?の初登場のインパクトは素晴らしい。
淡々とした歩兵の銃撃による戦争シーンを描いているかと思えば、
空から女の子が飛来し、銃を用いた魔法で空から敵を薙ぎ払う。
見た目からは一切想像のできない「渋いセリフ」を言い放ち、
小隊長と呼ばれる彼女の存在感は「物語の主人公の存在感」として、
絶対的に確立されたものを1話のたった5分でしっかりと感じさせる。

はっきり言ってこの作品は渋い。
同監督の「ダンタリアンの書架」も渋い作品ではあったが、
地味で淡々としていた作品だった。
この作品も確かに「渋く」「地味」ではあり「淡々」と
物語を進めているのだが、マイナス要員にもなりかねない要素を
きっちりと「面白さ」へと変えている。

「命令を聞かない部下を本国へと返す。」
文章にしてしまえば恐ろしく地味なシーンなのだが、
その命令を出している上官は「幼女」だ(笑)
大人の男に対し臆することなく幼女とは思えない言葉遣いで、
命令無視する部下を切り捨てるさまは地味なのだが痛快だ。

その幼女を演じているのが「悠木碧」であることも、
この作品の地味面白さを後押ししている。
可愛らしさと強気という一見正反対とも思える要素の声と演技を両立させており、
「見た目は幼女だが中身はおっさん」というキャラの魅力をより醸し出している。
戦闘シーンでの一瞬の高揚を感じさせる笑いの演技はさすがと思ってしまうほどだ。

ギャップ萌えならぬギャップ燃えだ。
幼女なのに魔法の才能は天才的であり、大人の男を圧倒する戦闘力を持っている。
幼女なのに中身は人生二週目のおっさんだからこそ知的かつ冷静であり冷徹だ。
「軍隊」という場所で前世の経験を活かし着実に出世していく。

この作品の主人公は異様なまでに冷静だ。
管理職のサラリーマンだったからという経歴もあるのだが、
部下を躊躇なくリストラし、リストラした部下に駅のホームで突き落とされ、
「神」のような存在を目の当たりにしても非常に冷静に状況を分析する。

主人公というよりは敵のようなキャラクターっぽさも感じさせる。
主人公に対する嫌味なライバルのような自尊心とナルシズムに溢れ、
自分の生のためには他者の死にも躊躇がない。
そんな主人公が謎の存在に別の世界へと記憶を持った状態で輪廻転生させられる。

燃える要素を萌えの見た目で描いている。
このギャップ燃えが地味になりそうなストーリーを、
じわりじわりと着実な面白さを感じさせるものにしている。
主人公が幼女である必要性がないと感じる人もいるかもしれない。
確かに同じストーリーをおっさんなキャラがやっても問題はないだろう。

だが、幼女だからこそのギャップがこの作品の地味な面白さを、
見ている側に着実に伝えることができ、
このギャップが有るからこそ、この作品ならではの独特な面白さが生まれている。

おっさんが銃で一騎当千するのではなく幼女が魔法で蹂躙するからこそ、
おっさんが冷徹に部下を切り捨てるのではなく幼女が
冷酷に部下を切り捨てるからこそ、
見た目と中身のギャップがあるからこそ、
他の作品にはないこの作品だからこその面白さにしている。

キャラクターデザインもやや癖がある。
「カエル顔」といえばわかりやすいかもしれないが、
目も口も大きく、素直に可愛いと言いづらい女性キャラのデザインは
好き嫌いが別れてる部分でも有る。

しかし、好みにハマればこの作品は面白い。
娯楽作品なのだから好き嫌いが別れて当然だ。
この作品はその好き嫌いの部分を極端にしており、
嫌いな人はとことん嫌いな作品だろうが、
逆に好きな人にとってはとことん面白いと感じられる要素を入れており、
好きな人にとって媚びまくりな要素だからこそ、貫いた面白さが有る。

地味なストーリーの中の戦闘シーンも素晴らしい。
「空中戦」における駆け引きの面白さを、思わず見ている最中に
「ニヤリ」としてしまうような見せ方をしてくれる。
しっかりとはしているが過剰ではない演出が戦闘シーンの面白さを掻き立てており、
静と動を切り替えながらのキビキビした戦闘シーンが、
展開としての地味さを迫力のあるアクションに変えている。

また音も素晴らしい。
空中戦における「重さ」の描写を迫力のあるSEでより深めており、
ストーリー中に流れるBGMやエンディングテーマなど、
「物語の世界観」をより重厚に感じさせてくれる音が、
所々で非常に魅力的かつ効果的に作用している。

惜しむべきは1クールで終わってしまったことだろう。
完璧に物語はまだこれからという感じだ。
できれば2クールか、4クールくらいがっつりと
この作品の完結まで一気に見たかったと感じてしまう。

全体的に見て渋い作品では有るが、その渋さを
「幼女」を主人公に据える事によってこの作品ならではの面白さに変えている。
好き嫌いが別れる要素は多いが、はっきりと好き嫌いが別れるからこそ、
娯楽作品として1本芯のある面白さに変えており、
見れば見るほどこの作品の面白さにハマっていく。

一歩間違えば地味かつ淡々としているだけの作品で終わってしまっただろう。
だが、その地味さを淡々と描きつつも「演出」で魅力を感じさせ、
この作品ならではの面白さをしっかりと腰を据えて味わえるように仕上げている。

「幼女」が主人公という点や、やや癖のあるキャラクターデザイン、
渋くやや言葉が難しい部分などで好みが分かれる点は有るものの、
逆に好みが分かれないように誰でも面白いと感じる作品にするのではなく、
好きな人がオモシロイと思ってくれればいいと貫いた制作スタイルが、
作品全体の完成度を高めていた。

売上は予測段階で7000枚~10000枚とかなり好調のようだ。
原作ストックも1クール分くらいはあるようなので、
2期の可能性はかなり高いだろう。
というか、最初から2クールくらいでみたかった(苦笑)

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