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空の境界 – the Garden of sinners –

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空の境界感想


空の境界感想
空の境界 – the Garden of sinners –
★★★★☆
2年の昏睡から目覚め、記憶喪失と引き替えに異能の力を手にしたことで
さまざまな怪異と対峙する宿命を背負ってしまった少女・両儀式の運命を描く。
それは、少女たちの飛び降り自殺が相次いだ夏の終わりの物語。
自殺の理由も、少女たちの関係性もまるで見いだせない不可解な連続自殺騒動。
しかし、最高位の人形師で魔法使いになれなかった魔術師の蒼崎橙子は、
“理由がないこと”が共通点だと看破する。
そんな中、万物の生の綻びこと死線を視る力“直死の魔眼”を持つ両儀式が、
一連の自殺事件の解明に乗り出すのだが…。

長い緊張と、一瞬の緩和
非常に難解な脚本と、時系列のシャッフルのおかげで
最初は「なんで、この作品がそんなに話題になるのか?」という
疑問がたまに浮かびました。
そこで、時系列ごとに閲覧することに変更。
第二章、第四章、第三章、第一章、第五章、第六章、第七章。
この順で見ると、時系列になりストーリーの混乱はなくなりました。
(原作を読まずに今から見る人はこの順をおすすめします。)
作品全体として言えることは、作画のレベルが非常に高い。
書き込まれた背景、色合い、夜の雰囲気や光加減、
どの作品も普通のアニメの水準を遥かに超えていた。
特に、戦闘シーンは圧巻と言わざる終えない。
両儀式がこれでもかと言うほどに、動く、切る、飛ぶ。
戦闘シーンは息をするのも忘れるほど素晴らしいもので、
着物を着たまま戦う姿は「舞」のような艶美さがあった。
吹き出す血液も、切り裂かれた腕も、
その美しい舞を演出するかのようにある種の魅力を秘めており
「グロさ」のようなものはそこまで感じなかった。
それは作品全体を包む、重苦しく締め付けられるような
殺人衝動的な空気にとても合っており、
TVだったら、ここまで出来ないだろうという映画ならではの迫力は
凄いという言葉しか表せない。
ストーリーは、一度見ただけは理解できない部分も多く
wikipediaなどで保管しながら見ましたが、
本来なら原作を読んでから見るべき作品だと思われます。
両儀式の「殺人衝動」が物語の根本としてあり、
「殺人」と「殺戮」の違いや、生の意味を
両儀式が自らに問い、自らに疑問を持ち、自らの行動をする。
それは特に、突発的であり刹那的な行動原理であり
彼女だけではとっくに自らの命をたっていただろう。
しかし、それを支えるかのように黒桐 幹也が、普通の人間として懸命にそばにいる
最後まで普通の人間として黒桐 幹也が物語の中核に存在している。
まっすぐに、論理的に、人間的に両儀式のそばにいる。
殺人ということしか知らなかった両儀式に、
普通の存在として同じ場所にいようとする黒桐 幹也が居ることによって、
両儀式は平穏な夢のような時間に憧れ、自らの根源に悩む。
全7章を見終えたあとで、説明不足な点も多くありましたが
緊張し、重苦しい雰囲気のままでラストを迎えるのかと思ったら、
あのラストにやられました・・・。
「君を離さない」なんてベタなセリフなのに、
お互いボロボロで、両儀式に至っては殺人を犯してしまった直後に、
あのセリフは卑怯です(苦笑)
いい意味でも悪い意味でも、
原作者である「奈須きのこ」の世界感が表現されており、
原作小説や月姫をやっていれば、もう少し楽しめただろうにという感じです。
逆に言えば、
原作小説や月姫をやっていないとわかりづらい部分や楽しめない部分や、
ストーリー全体の重さもあり、人を選ぶ作品でもあります。
ただ、7章すべて見終わった後に、
もう一度最初から見たいと思わせる魅力を秘めた作品ですので、
見ていないかたは是非、一度ご覧あれ。

「」は面白い?つまらない?

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  1. 匿名 より:

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    ご存知かもしれませんが、
    君を離さないというセリフは、原作では「一生、許さない 」と書いて、ルビで「はなさない」となっていたと思います。
    直前までの話の内容を受けると、とても重いですが、すごい言葉だなあと思います。