輪るピングドラム


輪るピングドラム感想

評価/★★★★☆(70点)


輪るピングドラム感想

制作/Brain’s Base/div>

監督/幾原邦彦
声優/木村昴,木村良平,荒川美穂ほか
全24話


あらすじ

双子の兄弟である高倉冠葉と高倉晶馬の妹の陽毬は、病気によって
余命わずかとなっていた。兄弟は妹の願いに応え、
自分たちにとって想い出の場所である水族館へと出かけるが、
そこで陽毬は倒れ、搬送先の病院で息絶えてしまう。



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小学生A「愛のハナシなんだよ?なんで分かんないのかなぁ~。」

本作品は『少女革命ウテナ』を手掛けた幾原邦彦によるオリジナルアニメ。
2クール放送され、癖の有り過ぎる表現は話題になった

基本的なストーリーはジャンル的にはファンタジーの部類に入ると思われる、
とある双子の兄弟の妹は重病にかかっており、余命いくばくもなかった。
そんな妹が水族館で倒れ病院に運ばれなくなった

しかし、妹は突然便銀型の帽子をかぶり「生存戦略!」と叫び蘇った
更には兄妹の前に謎のペンギンまで現れる、
妹が何故蘇ったのか?生存戦略とは?ペンギンは何者なのか?という所から
ストーリーは始まる

序盤のストーリーはわけがわからない(笑)
伏線や設定が散りばめられつつストーリーが展開するのだが、
何1つ解決しない状態でストーリーが進んでいく。
登場人物の一人の少女がストーカーをしているのを双子の兄弟が見守りつつ
「ピンクドラム」とはなんなのか?というストーリーを追求していくが、
序盤は視聴者も「見守る」ことしかできない。

だが、見守りつつも細かい部分を見逃すと後々の伏線につながっていたり
あとで見返すと序盤の細かい部分で、かなりの部分がメタファーになっていたり、
序盤の「見守る」展開も実は「物語の中の設定」に関わっている
しかしながら、あくまでも「見返したら」気づくレベルで
序盤の段階で気づくのは厳しい。

序盤のゴミ箱のマークがメタファーだったり、一話で出てきた小学生の会話が
この作品そのものを説明していた壮大なネタバレだったりと
2回見て初めて気づくポイントは多い。
逆に言えば2回見なければ気づかないポイントも多く、
特に前半は「ストーカー女」の話でしかなく、
気づいて初めてわかる物語がある。

この前半に限っては若干ダレてしまう点が多い。
だが、マスコットキャラクターのペンギンの行動が愛くるしく、笑える(笑)
3匹のペンギンが居なければ、前半を乗り切るのは辛かった
ペンギンがなんなのかは一切わからなかったが、ペンギンはこの作品に不可欠だ

後半からのストーリー展開は重く激しい。
親の罪、親からの虐待、親からの期待、親と子の関係性、
友人の死やテロ、海外者と被害者の立場など
重く辛く複雑に絡み合う人間性と社会性のあるテーマを
独特の演出でそれを「ごまかしつつ」描く。

演出でごまかしてるからこそ、その演出の意図を感じ
残酷さもごまかした以上にひしひしと伝わる。
子供にとって「親に愛されない」ことは死と同じ、
この現実を「輪るピングドラム」では
「親に選ばれないことは死」ということをもっと直接的に表現し
それを演出でごまかし視聴者に伝えている。

物語の中盤までは主人公たちの両親は「悪」として描かれ
そこを基準に物語が絡み合っている。
だが、終盤ではその「悪」が絶対的な「悪」ではなく、
輪るピングドラムでの世界での間違った法則を正そうとする
絶対的な悪ではなく「正義」として描き、視聴者の考えを一変させる

そして「愛」の比喩表現としての「りんご」
分け与えられ、分け与えることもできる
誰かにリンゴを渡すことで自分もリンゴをもらうことができ、
またリンゴを渡すこともできる、巡り巡る廻るピングドラム。

全体的に見て、ストーリーは純粋に面白い。
強烈すぎる比喩表現による愛の話こそがピングドラムの良い所でもあり
その反面、悪い所でもある。
画面にかじりついてみていなければ見逃しがちな演出や、
2回見返さないと完璧には理解しきれない細かい内容、
全話見なければすっきりとしないストーリー構成は万人受けはしない。

2回見返すことでしっかりと作品の主も白さを感じることができるが
逆に言えば2クールという長さや癖のある表現は
2回見返すのには体力と気力がいる。

確かにこの作品は面白い、だが楽しめる作品ではない。
暗喩された内容と抽象的な表現を理解し考えながらストーリーを味わう作品だ。
考え考察し細かい部分を見れば見るほど、色々な答えや憶測ができる

それだけに好き嫌いがはっきりと別れてしまう。
声優さんに関しても序盤は若干慣れが必要だし、
色彩のきつい表現や説明がないとわかりにくい部分など、
なんとも言えない部分は多い。

だが、こういったアニメは面白い。
人によって印象が最高にも最悪にもなりえるアニメは
良い意味でも悪い意味でも印象に残りやすく、
ただ「消費されるだけのアニメ」ではない作品になっている。

個人的には序盤こそぐだっとしてしまった感じがあるが、
後半になってからのストーリーは見放せなかった。
ただ疲れた(苦笑)
解説サイトやまとめサイトなどを見つつ見ていたのだが、
もう一回見返せば面白さがさらに深まることはわかっては居ますが、
もう一回見返す体力と頭が付いて行かない。

あなたも生存攻略してみませんか?

追記。wikipediaのあらすじがあらすじになっていない(苦笑)
ストーリーの全てが書かれているので、
ネタバレを食らいたくない方は注意。

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