ONE PIECE FILM Z

評価/★★★★☆(62点)


ONE?PIECE?エピソード?オブ?ルフィ?~ハンドアイランドの冒険~(初回生産限定版) [Blu-ray]

制作/東映アニメーション
監督/長峯達也
声優/田中真弓,岡村明美,中井和哉ほか


あらすじ
「新世界」のある島で、古代兵器にも匹敵するという海軍の切り札「ダイナ岩」が奪われる。首謀者は、全海賊の抹殺を目論む元海軍大将ゼット。新世界が消滅の危機にさらされ、その牙は麦わらの一味にも襲いかかる。同時に海軍もルフィたちを追い詰め、青雉が影からその動向をうかがう。巨大な力が次々と迫り来る中、ルフィたちは新世界の命運をかけた死闘に挑む。




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渋い大人味なワンピース


本作品はワンピースの映画。
ワンピースとしては12作目の劇場化作品だ
本作品は原作者の尾田栄一郎氏がプロデュースし、
フジテレビの人気ドラマなどを手がけた鈴木おさむ氏が脚本、
更にオープニングテーマは中田ヤスタカとかなり豪華なメンツだ
以下、ストーリーのネタバレ含みますので、一応注意。

基本的なストーリーはアクション。
ストーリー的には本作品はストレートと言えるだろう。
海賊に恨みを持っている元海軍「Z」はすべての海賊を滅ぼすために
「海」そのものを破壊しようと企んでおり、
そのためならば海軍だろうが一般人だろうが死んだって構わない。
そんな彼の計画の最中に大怪我をした彼を「麦わらの一味」が海で拾ったことで
麦わらの一味は彼と出会う。

Zは海賊を恨んでいる人物だ、当然、怪我を直してくれても
彼らが海賊を分かれば攻撃する。
「Z」の右腕は海楼石でできておりルフィはかなり苦戦を強いられ
サニー号はぼろぼろになり、「Z」の仲間に囲まれたことで
「逃げる」という手段を取る。

後は単純だ。
ルフィは売られた喧嘩及び2度目の戦闘でとられた麦わら帽子のために
3度目の戦いを「Z」に挑む。という感じだ

ストーリーはこれ以上でもこれ以下でもない。
ストーリーの中で「Z」の過去なども描写されるが想像できる範囲であり、
Zの陰謀に巻き込まれる麦わらの一味と海軍という感じで、
ストーリーの「深み」や「伏線」みたいなものはあまりない。
あくまでも分かりやすくストレートなストーリーだ

ただルフィの目的が「帽子を取り返す」と「負けた悔しさ」からであり、
いつもの映画のパターンのように仲間のためや誰かのための戦いではなく
自分のための戦いになっている点は
本作品が子供向けではなく、完璧に大人向けに作られているからだろう。

明らかに本作品は子供向けではない。
これまでのワンピース映画は「ストロングワールド」を除き、
かなり子ども向けに作られている部分が多く大人が見ても、
ファンでなければ楽しみ辛いストーリーが多かった。
だが、本作品は違う。

ストーリーも「ハッピーエンド」と呼べるほどすっきりしたものではなく、
麦わらの一味ではなく、新世界に生きた元海軍Zの男の生き様を描いたストーリーであり
これまでの「感動」につなげる展開は無い。
あくまでも淡々と、「ワンピース」の世界に生きる男を描いたストーリーといえるだろう。
2時間という尺では収まりきらず、描写不足な点もあるが
これまでのワンピース映画を考えれば割りとまとまっている印象を受けた

そして戦闘描写。
もう、これは明らかに大人向けの「カメラワーク」と「演出」
冒頭からCGを駆使した激しい戦闘シーンが描かれ、
キャラの顔のアップとキャラクター動きを描写するシーンを使い分け
メリハリのある「迫力のある戦闘シーン」を描写しており、
技を使う時のカメラワークやキャラクターの動きは
「スクリーンを意識した」演出になっており、かなり好感が持てた。

更に最後の戦闘。
ネタバレになってしまうがルフィと「Z」の壮絶な殴り合い。
このシーンはもはや子供の目線なんて無視なシーンだ
力いっぱい握りしめた拳を渾身の力で相手の顔や腹にひたすら叩き込む、
「壮絶」なまでの殴り合いは思わず見入ってしまうほど素晴らしかった。

そしてファンサービス。
今作では「モドモドの実」の能力者が敵におり、
彼女に触れられると「12年若返る」という、それ最強すぎじゃないか?と
思わず思った能力なのだが、この能力でやられてしまうのが
チョッパー・ナミ・ロビンだ。
(ちなみにもう1名、能力を食らうがギャグだw)

チョッパーは若干小さくなったくらいでそこまで変わらなく、
ロビンは30→18とかなり若返ったものの胸の大きさぐらいしか変化はない、
問題なのはナミだ、彼女は設定上20歳だが、12年引けば「8歳」になる。
物語の序盤でその能力を食らってしまい劇中「8歳」の姿で過ごすナミは
思わず「可愛い」と思ってしまうほど愛くるしく、
個人的な意見だが彼女が元の姿に戻った時がっかりした(笑)

そして風呂。
これは女性向けのサービスシーンだが、
ウソップを除く男性キャラが温泉に入るシーンがあり
彼らの肉体美、及びルフィの尻が繊細に描かれている(苦笑)

これら2点のファンサービスは映画だからこそ見れるシーンという特別感があり、
モドモドの実がよく考えたら最強すぎるという点を除けば
良いファンサービスのシーンといえるだろう。
ファンサービスの内容は明らかに子ども向けではないが・・・

全体的にストーリーはかなりストレートだったものの
それを支える「戦闘シーン」と「サービスシーン」の出来栄えがかなり良く、
単純に面白かったと感じやすい作品といえるだろう。

しかし、深く考えてしまうと問題点が多い。
例えば本来なら掘り下げるべき「Z」の腕を切った海賊は七武海らしいのだが
誰だかが描写されておらず、サブキャラも「Z」に比べるとキャラが弱い、
物語終盤で出てきた「最強装備」も引っ張った割には役に立たず、
むしろ「武器」を使うことに違和感を感じてしまった

見終わった後に「面白かった」といえる作品ではあるが、
よく考えてしまうと「ん?」とところどころ感じてしまう。
映像の迫力と「Z」のキャラの濃ゆさで細かい部分をごまかされた気分になる作品だろう

さらに言えば、この作品は「大人も子供も楽しめる」作品ではない。
完璧に中学生以上の作品であり、完璧に子供を見放した印象も受けた
ただ、「ワンピース」という作品自体がもはや子ども向けから大人向けに変わっており
それを考えると、本作品の方向性は商業的には正解なのかもしれない。

見に行こうかと迷っている方は見て損はない作品だろう。
名作!と呼べる作品ではないが、ワンピースとしては面白い作品といえるだろう。
この作品を踏まえて、来年以降どんなワンピース映画が生まれるのか楽しみです。

超個人的なことなのだが、映画閲覧中に子供が泣きわめいて本当にうるさかった(苦笑)