名探偵コナン ベイカー街の亡霊

評価/★★☆☆☆(39点)

名探偵コナン ベイカー街の亡霊 評価

107分
監督/こだま兼嗣
声優/高山みなみ,山崎和佳奈,神谷明,山口勝平,松井菜桜子ほか

あらすじ
江戸川コナン(工藤新一)の父・優作がシナリオを提供した仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招かれたコナン一行。そのパーティーには日本の未来を担うことになる、警察官僚や政治家の二世・三世が勢ぞろいしていた。そんな最中、殺人事件が発生。コナンは被害者のダイイング・メッセージから、事件の手がかりがゲームの中にあると考え、コクーンに乗り込む。ところが、ゲームスタートの直後にシステムが人工頭脳「ノアズ・アーク」に占拠され、コクーンに乗り込んだ50人の子供達を人質に取られてしまう。

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100年前の殺人犯が先祖ってバレるの怖い!

本作品は名探偵コナンの映画作品、コナンとしては6作品目の映画作品だ
数あるコナン映画の中でも人気の高い作品として知られている

基本的なストーリーはサスペンス。
仮想体感ゲーム機「コクーン」の完成披露パーティーに招かれたコナン達、
だが、そこで1つの殺人事件が起こる。
被害者が残したダイイングメッセージからゲームの中に犯人の手がかりがあると思ったコナンはゲームの中へ潜り込む。
だが、そのゲームは人工頭脳「ノアズアーク」によって占拠されてしまった
というところからストーリーが始まる

序盤は期待感が強い作品だ。
殺人事件の手がかりを探しにコナンがゲームに入り、ゲームの中で手がかりを探す。
だが、そのゲームは人工頭脳によって支配されゲームで遊んでいる子供50人のうち
誰かがゲームをクリアしないと皆殺しにするという、かなり緊迫感のある状況だ
そんな中でコナンは実際には未解決の「切り裂きジャック」をテーマにしたゲームをすることになる
ここまでの展開はどうなるんだろう。という期待感が大人でも子供でも強く生まれる
だが、そんな序盤の期待感に沿うような内容ではなかった

今作の映画は、他のコナン映画とテイストが違いおなじみのアイテムが使用不可。
筋肉強化の靴や、麻酔針が出る腕時計などが、ゲームの中なので一切使えない。
この設定自体はコナンが超絶アクションで状況が解決してしまうという
映画ではおなじみのマンネリ気味のシーンを描写しないようになっており、
そういった強化アイテムが使えないからこそ「ピンチ」での緊張感は生まれている。

しかし、ゲーム内でのストーリーが非常に淡々としている。
「切り裂きジャック」の事件をもとにし、それをホームズの世界にあてこんでいるのだが、
シャーロック・ホームズに興味がなければまったくもって面白みにかける内容だ。
ホームズの有名な事件やホームズではお馴染みのキャラクターなど多数出るのだが、
これはコナンの映画であってシャーロック・ホームズの映画ではない。

最低限のシャーロック・ホームズの知識があれば楽しめないこともないのだが、
コナン映画ならではの設定や解釈を持ち込んでいる点もあり、
これでシャーロック・ホームズがきちんと物語序盤から出ればいいが、
あいにくホームズは外出中となってしまっているため、
「コナンとホームズ夢の共演!」と言った中での事件を追うストーリーではない。
申し訳ない程度に最後ホームズが出るくらいだ。
中途半端にホームズ要素を入れてしまったことでコナン映画としての面白みが薄れてしまった。

更にゲームーオーバーのシーン。
誰か1人がクリアすればみんな死なないというルールなため、
コナンの友人がゲームオーバーになっても悲しみがない。平気で殴られ、平気でかばう。

これがゲームオーバー=死という状況ならもっと緊迫感が出て、
最後に「人工頭脳は本当は誰も殺していない」という落ちにすれば
作中での緊張感は保てたと思うのだが、
ゲームの中とはいえキャラクターの死があっさりとしてるのは微妙な所だ。
だからこそ蘭の自己犠牲のシーンも「コナンさえクリアすれば大丈夫」という死なため
盛り上がりに欠けてしまう。

そして肝心の犯人当て。
ゲーム中の「切り裂きジャック」はコナンが推理シーンを始めるまで
見ている側にほとんどヒントがない(苦笑)
誰が切り裂きジャックなのかという犯人当ての要素がほぼ皆無でそこに面白みはない。
更に現実の殺人事件の犯人は「ゲームの中に手がかりを探しに行った」コナンではなく、
コナンの父親が解決してしまう(苦笑)

全体的に見て色々と設定の脆さを感じる作品だ。
ゲーム中に、コナンの友人などがどんどんゲームオーバー=死亡していき
緊迫したムードの中でゲームを進行して良く。
これは現実世界では絶対にできない演出なだけに、非常に興味深かかった。
過去のホームズの世界のロンドンという舞台設定もゲーム内ならではだ。

しかし、現実世界で起こった事件を解決しにゲーム中に入ったはずなのに
現実の事件はコナンの父親が解決してしまう上に、
コナンは一応、人工頭脳との対決のような感じにも思えるのだが
結末まで予想して人工頭脳が「ヒント」を出している点など
全ては人工頭脳の手のひらの上で展開していた感じが否めなかった。

また、ゲームの内容もサスペンス物で、確かにゲームオーバーの緊迫感はあったものの
ゲームらしい楽しさのような部分がなく、シャーロック・ホームズ絡みの事が多いので
「ホームズ?なにそれ?」という子供には微妙な設定だ
シャーロック・ホームズを知っていても「?」となる点が多いのはなんともいえない部分だ。

ゲームと言う設定を使ってはいたが、最大限に利用していた感じはなく
もう少しゲームらしい展開があれば、違った印象を覚えたかもしれない。
根幹の設定やストーリーはそこまで悪くはなく淡々として入るものの
テンポよく展開していくため子ども向けとしては盛り上がりのある内容なのだが、
大人が見ると設定の荒さや「?」となる部分が多い作品といえるだろう

全体的に映画のテーマが重く、冒頭での子供の自殺や世襲制への批判など
子供向け映画にしては大人向けの内容が盛り込まれているのも気になる所だ。
現実の犯人も100年前の殺人犯の祖先であることがバレるのが怖かったのは動機というのは
よくよく考えると微妙な所だ(苦笑)

確かに完成度は高く、ストーリー展開はテンポがいいのだが
いろいろな点で練り込み不足を感じ、映像にも迫力が足りなかった。
ただ、コナンの映画という枠組みだけなら上位の出来栄えだったと思われます。

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