名探偵コナン 戦慄の楽譜

評価/★★☆☆☆(38点)

名探偵コナン 戦慄の楽譜 評価

115分
監督/山本泰一郎
声優/高山みなみ,山崎和佳奈,神谷明,山口勝平,松井菜桜子ほか

あらすじ
高名な元ピアニストの堂本一揮が創設した堂本音楽アカデミー。ここで、堂本一揮の門下生3名が死傷する爆破事件が起こった。被害者の一人のバイオリニストの河辺奏子は、近日行われる堂本音楽ホールの完成記念公演に出演する予定だったが、爆破事件で重傷を負ったため出演不可能となる。完成記念公演は山根紫音を代役にして開くことになった。

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推理ものなのに音楽に金かけてみました

本作品は名探偵コナンの映画作品、コナンとしては12作品目となる。
なお、現在公開されているコナン映画の中でもっとも上映時間が長い作品だ

基本的なストーリーはサスペンス。
堂本音楽アカデミーで堂本一揮の門下生3名が死傷する爆破事件が起こった
更に後日行われる「コンサート」に出るソプラノ歌手・秋庭怜子が何者かに狙われる事件が発生する
犯人の目的とは?というところからストーリーが始まる

冒頭から最後まで音楽に非常にこだわっている作品だ。
作中では有名なクラシック曲も多用しており「アメイジング・グレイス」や「アヴェ・マリア」など
聞いたことのある楽曲や、ピアノ、歌声、パイプオルガンなど「音響」にかなりこだわっており、
劇場のスピーカーで聞けばかなり迫力のある音だっただろう。
演奏シーンの作画も「クラシックのコンサート」の描写も繊細に描かれており、
作中もっとも盛り上がるシーンだ。

しかし、忘れてはいけない。コナンは別に音楽アニメではない(苦笑)
今作の犯人は爆弾で堂本音楽アカデミーの卒業生などを連続で殺している犯人だ
かなり凶悪な犯人であるのだが、緊迫感が全然ない。
コナンの目の前で連続殺人が怒るわけではなく、
コナンが居ない場所で連続殺人を犯しているので緊迫感が生まれていない。

ミステリーものとしては意外な犯人で少し驚かされたが、
ほとんどコナンと喋っていないキャラクターが犯人だと
「意外」ではあるものの「面白み」がない。
コナン映画特有の「ちょっとおかしい」動機はコナン映画らしいといえばらしかったが(苦笑)

更に今作はコナンと映画オリジナルキャラの絡みが非常に多い。、
確かに「プラノ歌手・秋庭怜子」というキャラクターは演じている桑島法子さんの
高飛車な演技が合っており、魅力あるキャラクターに仕上がっているのだが
その反面でコナン以外の既存キャラクターの活躍が薄く、中途半端に少年探偵団を絡めたせいで
既存キャラだけでなく映画オリジナルキャラの彫りさえも秋庭怜子以外甘い。

終盤のコンサートシーンもムダに長く、大人でさえ退屈に感じるのだから
子供はモット退屈に感じるだろう。
確かに音の迫力やコンサートの描写は頑張っているのは分かるのだが、
それが=作品の面白さに繋がっているとは言い難い。
いつものコナン映画なら爆弾がつかわれる事件なら建物倒壊からの脱出劇が定番だが、
犯人もあっさりと捕まり、脱出劇もない。
映画としての派手さや緊迫感が薄く、全体的な盛り上がりが薄い作品に仕上がってしまっていた

全体的に見てコナンを見に来た人は別のコンサートシーンを見たいわけではない。
アニメ映画で音楽や音響にこだわること自体は否定しないが、
「コナン」にもとめている「キャラ描写」や「ミステリー」の描写を抑えてまで
コンサート描写にこだわるのは理解不能だ。
殺人もコナンの目の前では行われず、映画としての緊張感や盛り上がりにかけてしまっていた

しかし、名探偵コナン特有のありえないシーンは今作にもあり
「助けを求めるために電話のプッシュ音を声で鳴らす」
という某番組でも検証されたシーンの現実味のなさはちょっと微妙だ(苦笑)
しかも、コナンは遠く離れたところから、サッカーボールで受話器を外します。
ゴルゴ13並の命中率には非常に驚くしかない。

大人が見ればいつものコナン映画のように突っ込みながら見れる作品ではあるが、
子ども向けとしては退屈な作品なのは残念な所だ。