「名探偵コナン 沈黙の15分」レビュー

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サスペンス

評価 ★★☆☆☆(32点) 全109分

あらすじ 再選を果たした朝倉優一郎都知事のもとに 「お前の傲岸不遜な4年間の都政に対し天誅を下す」との脅迫状が送りつけられた。 引用- Wikipedia

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本当に予測できないラスト15分

本作品は名探偵コナンの映画化作品。
名探偵コナンとしては15作目に当たる作品。
監督は山本泰一郎、制作はトムス・エンタテインメント。

爆破

コナンの映画と言えば爆発だ。
第一作目からの「伝統」も言わんばかりの爆発はもはや芸術の領域であり、
爆発がなければコナン映画じゃないといっても過言ではない。
そんな伝統をこの作品はキチンと守っている。

冒頭から、「都知事への脅迫状」が届き、
開通したばかりの新路線が爆破される。
路線は破壊され、地下から飛び出した電車は街中に飛び込みそうになる。
一歩間違えば何百、何千の被害者がでかねない。大事だ。

よっぽどの理由がなければここまでしない。
凶悪な犯人の目的と、この作品に対する期待感が
爆発とともに湧き上がるような感覚だ。

雪山

せっかく冒頭で爆発で盛り上げておきながら、
舞台が雪山に移るとスケールが一気に小さくなる。
映画のストーリーというよりはTVSPレベルのストーリーは
淡々としており、盛り上がりに欠ける。

田舎の村で起きる殺人事件と、8年ぶりに会う村人たち、
過去にひき逃げを起こした人物や8年間眠ったままだった少年が目覚めたりと、
映画とは思えないスケールの小さい事件が描かれる。

過去の映画では爆発や次々と起こる殺人や、
コナンの身近な人物が狙われたりと「緊張感」があったが、
この作品はそういった緊張感がなく、盛り上がりも薄い上に
ミステリーとしての面白さも薄い。

トリックとも言えないトリックで偽装してはいるものの、
わざわざ毛利小五郎を眠らせるほどでもないくらいの
あさーいトリックだ。
そんな浅い事件を1時間以上グダグダとやってしまう。

ラスト30分

ラスト30分になってようやく盛り上がってくる。
犯人が都知事を狙った目的が分かるのだが、
今回の犯人もまたスケールが大きんだか小さいんだかわからない(笑)

なにせ犯人は「ダムの底」に沈んでしまった盗んだ宝石を隠している。
本来はもともと自分の家に隠していたのだが、自分が牢屋に入ってる間に
「都知事」がダムを作ってしまい、村ごとダムのそこに沈んでしまった。
下手したら何百、何千という犠牲者がでかねない爆発を起こしておいて、
動機が盗んだ宝石の回収だ。
さすがはコナン映画の犯人と言いたくなるほど手段が大げさだ。

しかも、びっくりするほどあっさり事件は解決する。犯人も確保される。
しかし、犯人が仕掛けた爆発のせいでダムが崩壊する。
もはやとんでもないスケールの事件だ。
理由はただ盗んだ宝石がほしいだけだ。
コナン映画も色々な犯人がいたが、かなり上位に入るクレイジーさだ。

ラスト15分

この作品のキャッチコピーは「ラスト15分予測不可能!」だ。
この作品のラスト15分を予測できた人はおそらくいないだろう。
なにせあまりにも非現実的だ(笑)
決壊したダムのせいで大量の水が村へと流れ込んできている、
多くの犠牲を出さないためにもコナンはとある行動を起こす。

たった一人の少年が背後に大量の水が迫りくる中で雪山を
博士が改造したスノボーで駆け下りる。
逃げるのにも必死な中で彼は「ダムの水を止める」ために行動する。
彼は逃げる中で「積もったばかりの雪山の新雪」を使えば
なんとかできるかもしれないと思いつく。

普通は思いつかないだろう、明らかに不可能である。
雪崩を1個人が引き起こすなど人間の所業ではない、神の御業だ。
しかし、彼は雪崩を起こす。
彼の行動が結果的に何百人もの命を救ったことになるのだが、
見てるこっちはあまりに非現実的な所業に笑うしかない。

コナン映画は2019年時点で23作品あるが、
この雪崩を超える所業を未だにコナンは成し遂げてない。
この雪崩を超えるには地震か雷を起こすしかないが、
流石に難しいのかもしれない(笑)

沈黙の15分

この沈黙の15分は「雪崩に巻き込まれた際」のタイムリミットだ。
神の所業を起こしたコナンでも、体は人である。
雪崩に巻き込まれてしまい雪に埋もれる。

そんな中で彼は「サッカーボール」を噴出することで
自らの位置を知らせるのだが、ものすごい墳出力だ。
深く雪に埋もれてる状態から噴出されるサッカーボールは
大量の積み重なった雪をかきわけて勢いよく出てくる。
ライフルなみの貫通力だ。

ラストの15分は予測できない。
まさにキャッチコピー通りな作品だった。

総評:事件さえ面白ければ…

全体的に見てバランスの悪い作品だ。
冒頭のテロのような爆破と終盤のダムの決壊、
そこから雪崩を起こすコナンというアクション部分は
映画というスケールに見合った壮大すぎるもので見ごたえがあるのだが、
肝心のストーリーがあまりにも面白みにかける。

事件部分だけを抜き出せばやってることはいつものコナンの事件レベルであり、
ダムの水の底に沈んだ宝石を手に入れるために
犯人がやってることが大げさすぎる。
もっともコナンでは「仏像を盗むためにバイオテロ」を起こした犯人もいたが、
あまりにも動機と行動が見合っていない。

これで路線の爆破やダムの決壊といった行動を起こすのにふさわしい規模の
犯人の動機や事件ならもっと高い評価が出来たのだが残念なところだ。
一応「名探偵コナン」という作品はミステリーというジャンルなのだから、
そこをもう少しきちんとしてもらいたいところだ。

もっともコナン映画を「ギャグ」として楽しんでる方には
この作品はおすすめだ。
いつか「雪崩」を超える神の御業をコナンには見せてほしいところだ。

個人的な感想:8年ぶりに

久しぶりにこの作品を改めてみたが、
やはり「雪崩」のシーンは何回見ても笑ってしまう(笑)
いくら新雪だからといってあれは本当にできるのだろうか?
ぜひ、空想科学読本で検証してほしいレベルだ。

もっともコナンのスケボーは検証した方によると
「時速80キロ」でるようなので可能なのかもしれない。
ぜひ、この作品の雪崩についても物理計算エンジンで計算してほしい。

コナン映画も今や23作品あるが、
この「雪崩」レベルのインパクトのあるシーンはなかなかない。
私のコナン映画ベストシーンを選出するなら確実にベスト3に入る、
それほど衝撃的なシーンだ。

まだ見たことのないという方は広い心でぜひ、ご覧頂きたい。
思わず大爆笑してしまうはずだ(笑)

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