超速変形ジャイロゼッター

評価/★★★☆☆(56点)

超速変形ジャイロゼッター 評価

全51話
監督/高松信司
声優/井上麻里奈,田村睦心,井口裕香,松岡禎丞,陶山章央ほか

あらすじ
21世紀、日本では自動車産業に革命が起き、人工知能で誰もが安全に運転出来る車・エーアイカーが開発された。そして2012年、エーアイカーのみが走るモーターモデル都市・横浜新都心では、子供達がエーアイカーの運転技術を学べる特別な学校・アルカディア学園が存在していた。

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一人の男の勘違いのせいでなんかもう色々大変なことに・・・w

本作品は「スクェアエニックス」が開発したアーケードゲームが原作の作品。
いわゆるムシキングなどのアーケードゲーム宣伝のためのアニメだ
しかしながら、アーケードゲームのほうは人気がなかったのか2014年の2月には稼働停止する。
余談だがOPはなぜか「近藤真彦」が歌っている(笑)
アニメでもゲストキャラで2話ほど出てる。

基本的なストーリーはロボット。
近未来の日本、日本で「だれでも安全に運転できるAIカー」が開発され、
横浜新都心で子供もエーアイカーを運転でき、技術が学べる学園が存在していた
そんな中で無邪気な性格ながら運転技術は凄い少年「轟 駆流」は
ある日、自分が選ばれたドライバーであることを知る・・・
というところからストーリーが始まる。

見だして感じるのは3DCGの違和感だろう。
車やロボットなど機会的なものは全て「3DC」で描かれているのだが、
これがリアルな漢字があまりなく、キャラクターの作画と比べると浮いており
テカテカな車の描写は慣れるまで違和感を感じる。

ただ少し未来という設定であるためか「実際にある車」も出ており、
NISSAN、スバル、マツダ、三菱など車が好きな方にはこの描写はたまらないかもしれない。
残念ながら私はそこまで車に興味が無いため再現度などはよくわからないのだが
素人目で見る限りは中々の再現度だ。
アニメの中に登場する車が実車化されていたりもするようだ。

そんな実際にある車が中盤になると変形しだす。
救急車やパトカー、消防車などの公用車や プリウスなどの一般車が変形するシーンは
車好きの子供ならワクワクするシーンだろう。

ストーリー的にはかなり唐突な展開が目立つ。
主人公が普通に遊んでいたら知り合いの博士にいきなり学校の地下に連れられ、
学校が防衛機関であることを告げられ、自分がいきなり選ばれたドライバーであることを告げられる。
かなり唐突な展開で自然なストーリーの流れとは言えないが、
逆にこの唐突でテンポの良い展開は昔ながらの子ども向けアニメの「ノリ」を感じることが出来る

主人公が「絶望的」が口癖だったり、あからさまに悪い奴が現れたり、
選ばれしドライバーであることを告げられたら敵が現れて戦って勝つ(笑)
もはや王道中の王道ともいうべきロボットアニメを気持ちよく展開してくれる
あまりにもテンプレート的な展開なため「またか」と感じる人もいるかもしれないが、
子ども向けロボットアニメはこれでいいんだ!と思うような安心感も感じさせる
思わず大人が見ていると突っ込みたくなる点が多いところも妙にピタっとはまる面白さがある。

そして戦闘シーン。
3DCGを利用しているため車状態では軽さが出ていたのだが、
逆にその軽さが「ロボット形態時」にはスピード感のある描写に繋がっている。
赤いスポーツカーからロボット形態のジャイロゼッターに変形するシーンや、
軽やかにポージングし、戦闘を開始する
何の操縦技術も教わっていない主人公が必殺技まで決める清々しさなど
子供向けアニメながらのワクワク感の期待を裏切らない戦闘の描写だ

ロボットデザインも素晴らしい。
車のライトに当たる部分がロボット形態だと胸部になり光ったり、
車が変形すると言うことを基本にした「流線型」のデザインは素直にかっこよく、
ダメージを受けるとコックピット内にエアバッグが出るなど
「車」という設定を活かしたデザインはこの作品ならではだ。

またジャイロゼッターになるまえの「車」の状態を活かして
レースアニメとしてストーリーをつくっている回もあり、
ロボットアニメとカーレースアニメ、1度で2度美味しい内容になっている回もある。
カーレースの展開も激しいレースを展開していながら最後にはロボットアニメとしての展開になるなど
3DCGとロボット、そして車と3つの要素上手く活かしてこの作品、特有の面白みを生んでいる。

そんな王道な子供向けロボットアニメなのに所々で深夜アニメの悪ノリを感じる。
これは「銀魂」でお馴染みの高松信司監督だからということもあるのだろうが、
エンディングではジャイロゼッターたちがPerfumeのごとく踊ったり、
ヒロインが主人公に「イナバウアー」で突っ込んだりと
若干王道子ども向けロボットアニメとはズレた内容が、悔しいながら思わず笑ってしまう(笑)

滑っているのだが、王道アニメの中でスベリ芸をやられるからこそ笑いに繋がっている
そんな中で明らかにギャグ回とも言えるエピソードもあり、
王道の中でのギャグエピソードだからこそ光る

更に女性キャラクターが萌えを狙ったデザインになっていたり、
話によっては「ちょいエロ」的なシーンもある。
おへそが見えているセクシーな恰好をしている女性が多かったり、
ヒロインがなぜか片足しかニーソを履いていなかったり、
温泉回や水着回などのお約束セクシーシーンもあり、明らかに狙った「お色気描写」がある。
夕方の子供アニメとしては若干お色気要素が強いが、大人が見る分にはいい清涼剤になっている

しかしながら、この評価は中盤までのものだ。
全51話という尺のせいか明らかに尺稼ぎの話がある。
ギャグテイストで見やすいものや面白いものもあるのだが淡々と見てしまう話もあり
中盤からはなかなか本筋のストーリーが進まない。
敵がなぜ襲ってくるのかというのも終盤まで「ふわっ」っとしており、
若干ダレを感じてしまったのは残念だ。

色々な物語の「謎」の解説を後回しに過ぎており、
敵がどうして襲ってくるのか、敵がなぜ主人公を恨んでいるかなど本当に徐々にしかわからず、
中盤で「未来に飛ぶ」ことでいろいろな伏線を徐々に回収するのだが、新キャラのオンパレードで
更に子ども向けとは思えないほど若干難しい「タイムパラドックス」の要素も入れている。
更にようやく本筋のストーリーが進んだと思ったら、次の話でまたサブストーリーになったりと
なかなか本筋のストーリーが進まないもどかしさを感じる。

はっきりいって余計な話が多すぎる。
確かにキャラクター描写を深める話もあるのだが、話によっての当たり外れも大きく
本筋のストーリーをモット見たいのに、サブのストーリーばっかり見せられているような感じだ。
サブストーリーが1話完結なのは問題ないが、
本筋のストーリー自体が1話や2話であっさりと終わってしまうのはもったいなさを感じる。
もう少し引き伸ばせそうなストーリー展開なのにあえて引き伸ばしていないような、
無駄にテンポよくストーリーを進めてしまっているため話の面白さを最大限に活かしきれていない。

せっかく未来に行くという大事なストーリー展開をしているのに
2話ほどで元の時代に戻ってきたりする。
終盤ではジャイロゼッター同士の戦いのトーナメントなどが行われるのだが、
どうでもいい「四天王」が絡んで終盤でもグダグダだ。
終盤の残り4話でようやく最終話に向けてのストーリーが展開するストーリー構成など
色々としっくり来ない部分が多い。

本筋のストーリーだけでストーリー構成するならば2クール、24話ほどで十分だろう。
その脚本をサブストーリーで必死に膨らませて4クールに仕上げている。
これは色々と大人の事情があるのを監督のツイッターの発言などで見受けられた。
(最初からキャラクターの設定だけは決められているが、設定だけでドラマがなかったなど)

それだけにその設定通りにストーリーを展開するのに必死で物語としての面白さが薄くなってしまった。
設定のあやふやな部分をあえて描かないことで「ふわっ」っとさせている部分や、
結局敵のボスが主人公を狙っている理由が完璧な「逆恨み」でしかも「勘違い」で
1年間通じてやったアニメとは思えない底の浅さを感じる部分など(苦笑)
話が進めば進むほど気になる部分が生まれていくアニメだった

全体的に見てもったいなさをいろいろな部分で感じる作品だ
ロボットのデザインや3DCGによる戦闘シーンは序盤から終盤まで迫力十分に楽しまさせてくれ、
ロボットアニメではお約束な必殺技や合体など熱さを感じる部分も多かった。
キャラクターも王道な主人公やライバル、可愛らしい女性キャラクターなど愛着のわくキャラクターも多く
そんなキャラクターたちによるストーリーは素直に面白い。

しかしながら、そんな大元の部分をサブストーリーでふくらませきれなかった。
本筋のストーリーが進まず尺稼ぎでキャラクターの日常アニメのようなストーリーが多く、
確かにキャラクターが可愛いため「見れる」ストーリー展開ではあるのだが
そのサブストーリーの部分が非常に多く流石に中盤から終盤までグダグダな感じが残ってしまう。
あくまでも「子ども向けロボットアニメ」だなというふうな評価になってしまうのは残念だ

ただ「子ども向けロボットアニメ」の割にはお色気描写も多く、萌えアニメのような雰囲気もある。
特に敵キャラである「ハルカ」など敵キャラでありながら非常に可愛らしく彼女の恋愛模様や
最終話直前の彼女にまつわるシリアスなストーリーは純粋に面白い。
更に敵キャラである「トーマ」のキャラの魅力、
彼の時にはユニークな時にはシリアスな独特な魅力はグダグダなストーリーの中でも生きていた。
それだけにその面白さやキャラの魅力を全体で維持しきれなかったのは残念で仕方がない。

余計なキャラクターも多い。
特に「四天王」など尺稼ぎの存在でしか無く、キャラとしての魅力が薄い。
更にメインキャラであるサトリやミッチーなど他のメインキャラに比べると明らかに不遇な扱いを受けており
尺稼ぎの話は多いのに、キャラクター描写のバランスが悪い。
そのせいでシリアスなストーリー展開になっても一分キャラの魅力が足りないせいで
盛り上がりきれないうえに、描写が短いため感情移入しきれない
本来なら活躍するシーンんがあってもいいはずのキャラが活躍しないもどかしさもある

ロボットのデザインも前半こそ「車」を意識したデザインなのだが、
後半はパワーアップに因るパワーアップのせいでゴテゴテとスーパーロボット化してしまい
やたらゴテゴテとしたデザインになってしまった印象だ。
その分、バトルシーンは激しくなり熱い戦闘シーンもあったのだが・・・・

ストーリーも一人の男による勘違いのせいで大変なことになってしまった話というだけで終わってしまい
未来と現代のタイムパラドックスや主人公の未来の姿など生かしきれておらず
あれだけ大事な戦闘シーンを繰り広げているのに「誰一人死なない」という点や
「結局あの設定はどうなった?」と色々としっくりと来ない部分が多い
生かしきれていない、または敢えて活かさなかった部分が色々と目についてしまう内容だ

本当に前半の26話くらいまでは楽しんでいたのだが、
それ以降のグダグダな感じはさすがに見ていて厳しかった。
もっと面白くなりそうなのに中々ならない、もっと熱いバトルシーンになりそうなのに短い、
面白くなりそうな部分だけを魅せられて終わってしまった印象だ

こういったアニメで重要な「おもちゃ」も出来が悪く、
原作であるアーケードゲームも来年には稼働停止、更には監督が内部事情を暴露、
スポンサーの事情や大人の事情などが見え隠れする点など
そういった意味では懐かしの子ども向けロボットアニメらしい感じはあるのだが・・・w
EDカードでは「スパロボ参戦希望」的な絵まで出ていたが難しいかもしれない(苦笑)

個人的には主人公の息子の存在がもう少し生かされると思ったのだが
全然生かされなくて驚いた(笑)
いかにも終盤でもう1回出てきそうな匂いをプンプンさせていたのに
私の予想を悪い意味で裏切ってくれたw
そういった予想外な設定の生かされなさ、キャラの不遇さを楽しめる
B級アニメ好きには逆にたまらない作品かもしれない。
事実私は結構楽しんで全話見てしまったw