名探偵コナン 時計じかけの摩天楼

評価/★★★★☆(61点)

名探偵コナン 時計じかけの摩天楼 評価

95分
監督/こだま兼嗣
声優/高山みなみ,山崎和佳奈,神谷明,山口勝平,石田太郎ほか

あらすじ
ある日、黒川邸で主人の黒川大造が何者かに殺害されるという事件が起こった。現場の状況から、黒川家の中に犯人がいるとされ、眠りの小五郎として有名な名探偵の毛利小五郎は後妻が犯人だと推理するが、時計型麻酔銃で眠らせた江戸川コナンの推理によって事件は無事に解決した。彼こそ高校生探偵として有名であった工藤新一であり、現在は迷宮なしの小学生名探偵として活躍する江戸川コナンである。コナンは自分の体を小さくした黒の組織を追うために、小五郎を有名にして情報を集めていたのだ。

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コナン映画史上最高傑作?

本作品は名探偵コナンの映画作品、コナンとして初の映画作品となる。
なお後に続いている映画シリーズの中でもこの作品だけが唯一
「主人公である工藤新一に恨みを持つ」犯人だ。

基本的なストーリーはサスペンス。
工藤新一のもとに有名な建築家である「森谷帝二」からパーティーの招待状が届いた
コナンの姿になってしまってパーティーに行けない彼は蘭や毛利小五郎とともにパーティーへと訪れる。
そのパーティーの後日、火薬庫から爆薬が盗まれたというニュースが流れた
直後、工藤新一宛に「爆薬を盗んだのは俺だ」という電話がきて・・・
というところからストーリーが始まる

序盤から見ている側に犯人がわかっている。
今作での登場人物は少なく、普段コナンに出ているメインキャラを除けば
映画で事件に関わり出てくるキャラクターは3人くらいしか居ない。
そのうちの1人である「森谷帝二」はあからさまな犯人臭を匂わせており、
犯人と分かりやすいからこそ、コナンがどうやって彼を犯人と断定するのかという面白みが生まれている

更に緊張感溢れる展開が多い。
事件自体はわずか「10時間」の出来事なのだが、
ラジコンヘリの爆破、ペットのキャリーケースに仕掛けられた爆弾と
小さな体でコナンがスケボーや自転車で町中を駆けまわりつつ爆弾を何とかする姿は
映画としての盛り上がりを序盤から強く感じられるシーンの連続だ。

特に中盤の見せ場である「電車に仕掛けられた爆弾」の謎解きはミステリーとして面白い。
犯人からは環状線の電車の「××の×」に爆弾を仕掛けた、一定速度以下になるか
日没に慣れば爆発するというヒントのもとに止められない電車と犯人のヒントから
爆弾の位置を特定し、仕掛けられた爆弾を見つけるシーンは
わずか「10分」ほどのシーンでありながら強い緊張感と印象を残すシーンだ

物語全体としてきちんと「犯人」に至るまでのヒントを
コナンにも視聴者にもきちんと描写している点は評価に値するだろう
後の作品が強引な推理だったり、謎解き要素が殆ど無いことを考えると
初のコナン映画であるこの作品はしっかりとした「ミステリー」を描写し、
コナンと同じように推理し、コナンと同じように犯人にたどり着くことが出来る
謎解きの面白さを味わえる作品だ

だからこそ終盤の推理リーンが面白い。
「毛利小五郎」のあまりにも的はずれな推理シーンのギャグ要素からの
コナンの推理、そして「意外な動機」は後のコナン映画にも恒例化する
とんでもない動機だ(笑)

なにせコナン映画初の犯人の動機は・・・自分が若い頃に作った作品が気に入らなかったという
現在まで出ているコナン映画の中でも他に例を見ないほど独特かつ面白いw
芸術的な職業ならではの人物像から来る動機は同情や理解は出来ないが、
犯人の人物像やキャラ描写がしっかりしているからこそ、とんでもない動機が面白く感じる

だからこそ終盤の「爆弾解体シーン」が物語として最大の盛り上がりどころの担っている。
閉じ込められたロビーで蘭が新一の指示を聞きながら、
爆弾を解体するシーンは今作の作中での緊張感を最大限に高め、
ソーイングセットの小さなハサミでゆっくり、ゆっくりと爆弾を解体していく。
にくい事に最初のコードを切る瞬間に別の場所の爆破のシーンに切り替わるなど演出もうまい。
最後の1本を切る際に伏線をただ生かすだけでなく、
見ている側の裏をかくように活かした点は評価したい。

全体的に見てこれぞコナン映画というにふさわしい内容だ。
起承転結のすっきりしたストーリー展開で、次々と起こる爆破事件で緊迫感を出し
物語中盤と終盤に最大の盛り上がりどころを用意し、
伏線を活かしたストーリーで物語を気持ちよく締め上げる。

少ないキャラクターをきちんと描写し、犯人である「森谷帝二」のわかりやすいが
狂った犯人はいい意味でも悪い意味でも魅力あふれるキャラクターになっている
1度見たら彼の犯行動機と名前は頭に残るはずだ、名脇役ならぬ名犯人だろう。

今見ると、最近の作品とのキャラクターデザインがかなり違っており
全体的に顔が長い印象を受ける点や作画のふるさは感じるものの
いま見ても十分に楽しめるコナン映画だ。

ただ1番最初のコナン映画から「犯人の動機」と「爆破」と「スケボー」と「蘭とのラブコメ」という
この作品の出来が良かったからこそテンプレートになり、
後の映画にいい意味でも悪い意味でも受け継がれているんだなと感じる点が多かった(笑)

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