名探偵コナン 異次元の狙撃手

評価/★★☆☆☆(30点)

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これはあゆみちゃんの分!これはコナンくんの分!君がッ泣くまで殴るのをやめないッ!

本作品は名探偵コナンの劇場映画作品、18作品目の作品だ。
監督は前作同様、静野孔文氏。
しかしながら脚本家は11人目のストライカーを担当した方だ。

基本歴なストーリーはサスペンス。
鈴木財閥が建設した「ベルツリー」のセミオープンに訪れていたコナン達、
展望台で東京の景色を眺めていると、コナン達の横に居た男が何者かに狙撃された
コナンは犯人を追いかけるも・・・?
というところからストーリーが始まる。

冒頭早々からベルツリー(スカイツリー)での狙撃という衝撃的なシーンから始まる。
私はコナン映画は基本的にギャグアニメだと思ってみている。
今回のコナン映画もスケボーアクションでは大いに笑わせてくれた。

なにせ今回はキック力増強シューズを活かした超ジャンプで空中を回転しスケボーで着地という
大胆過ぎるアクションシーンや、ジャッキー・チェンもびっくりな
車の下をスケボーで潜り抜けるようなアクションだったり、傾斜を利用しての超大ジャンプと
もはや人間を超えたアクションの数々を見せつけてくれた(笑)
前作の舞台が海の上でスケボーアクションがなかったため、
前作の分のスケボーアクションも織り込んだかのような素晴らしいスケボーアクションだ。

しかしスケボーアクション自体はいつものコナンらしいので問題ないのだが、
コナンらしくないミスの数々を犯す。
携帯を落したかと思えば大事故になりそうになったり、
スナイパーの前に安易に立ってしまい狙撃されそうになり他の人が怪我をしたりと
コナンらしくない油断なミスがこの作品では多い。

そんなコナンに対して犯人もめちゃくちゃだ。
コナンに追いかけられていることがわかるやいなや、
子供のコナンを平気で射殺しようとしたり、追いかけてきた数台の警察車両に対し
「手榴弾」を投げて対抗する始末(苦笑)
序盤から激しいアクションシーンと犯人の過激さを見せられたことで
ここまで過激なことをするのだから「犯人の動機」はよっぽどに違いないと
いい意味でも悪い意味でも期待させられる。

しかしながら序盤を過ぎるとひたすら地味かつ同じ展開だ。
基本的にコナンと本作品で劇場盤に初登場する「世良真純」が
警察やFBIからの情報を元にスナイパーの正体や次のターゲット、
狙撃場所を探るという展開を繰り返してしまう。

捜査模様が非常に淡々かつ地味で、被害者がどんな人物なのかは
警察関係者がシーンの中で説明して終わりになってしまい
そのせいでコナンが被害者と1度も会話していない人物ばかりが殺される。
被害者に感情移入しきれず、割とあっさりと殺され
スナイパーは次のターゲットに行ってしまうため展開やシーンが地味に見えてしまう。

そんな地味な捜査状況の中で犯人が見えてくる。
しかし、コレも別にコナン達が突き止めたわけではなくFBIが絞った犯人の
過去や今回の事件を起こしたであろう動機が「解説」されてしまい
過去回想で犯人と思われる人物の過去を見せられるのだが、非常にどうでもいい。
コナンが蚊帳の外で犯人や被害者の事情を説明されてもストーリーとして盛り上がらず、
犯人に対しても被害者に対しても何の感情移入も出来ない。

更に今回の登場人物の多くが「外国人」だ。
元アメリカ軍人の関係者が日本で狙撃されるという何とも無理がある状況なのだが、
外国人の方なので当然「英語」だ。
日本に住んでいる&訪れているので「日本語」を喋れる外国人なのだが、
基本的に彼らは英語で話すため「日本語字幕」がつく。

それ自体はリアリティを追求するためなのはわかる。
アニメだと外国人でも片言で日本語で喋ったり、子ども向けの場合は普通に日本語を喋ってる場合も多い。
しかし今作では基本的に英語だ。
外国人たちのセリフ量も非常に多く、字幕のあるシーンが非常に多く見づらい。
更にその部分でものすごい違和感があるのだ。

外国人同士が電話でしゃべっている時は英語で日本語字幕だ、
警察関係者としゃべっている時は日本語を使っている、
ここまでは納得できるのだが、ここまできちんと作りこんでおきながら何故か
「外国人同士で実際に会って喋っているシーンは日本語」というわけのわからないシーンになっている。

更に心の声は日本語だったり英語だったりと統一性がない(苦笑)
英語ゼリフで日本語字幕なシーンが非常に多く見難さもある中で
外国人たちの日本語と英語の使い分けが統一されておらず、何がしたいかわからない。
そもそもコナンは子供も多く見る作品なだけに英語字幕は不親切かつ制作側の自己満足に思えてしまう。

そんな元軍人の外国人同士のストーリーが
コナンと関係ないところで展開してしまうため盛り上がりが薄い。
今までのコナン映画はコナンが多かれ少なかれ事件関係者や事件と絡んでいた
しかしながら今回のコナン映画はコナンと「犯人&被害者」との関係が無い状況で
ストーリーをドンドンと進めてしまうためコナンらしさが生まれておらず、
スケボーアクションなどの超絶要素を抜けば別の探偵でもいいくらいだ
ちなみに今回のコナンと被害者&犯人は1度も喋っていません。

更に嘘予告。
予告編では犯人がコナンを狙撃する際に「遊びは終わりだ名探偵」等と言っていたが、
そんなセリフない、ガキが狙撃を邪魔するので「撃ってみた」的なノリだ。
別の予告編ではコナンの正体を犯人が知っているような台詞もあったが大嘘だ。
犯人はコナンの名前すら知らない(苦笑)

物語終盤で真犯人の名前がコナンの口から告げられるのだが
「え?それ誰だっけ?」と思うほど影が薄い。
序盤で2,3分でただけで名前すらその時まで出てこなかったキャラクターを
「真犯人だ!」と言われても見ている側からすれば「それ誰だっけ?」としかならず、
犯人の意外性などもない。
真犯人の正体を引っ張った割には印象のうすすぎる微妙なキャラクターで
肝心の動機も「う~ん・・・うん?」となるような微妙さだ。

全体的に見てなんとも微妙な作品だ。
スケボーアクションの数々や終盤でのコナンの「イナズマイレブンもびっくり」な
超絶シュートは見ものであり、アクション部分の完成度は高いといえる。
だが肝心の犯人や被害者の掘り下げが甘く、主人公であるコナンとの関係がほぼないため
キャラクターに感情移入しきれずストーリーも淡々と進めてしまっている印象が強い。
ストーリーの地味さを超絶アクションの数々でごまかしているようにしか見えなかった

ストーリーの中で評価できるとすれば「狙撃ポイント」に隠された異次元の秘密だろう。
コレに関しては「犯人が狙撃にこだわった」理由もきちんとあり
物語の中できちんと活かされており意外性もあった。
だが、そこに至る前のストーリー展開が非常に地味で
基本的に警察やFBIの情報を元に世羅とコナンが一緒に捜査して
次に狙われる被害者のところに行くも間に合わなかったという展開を繰り返してしまっていた

ただストーリーや設定自体は悪くない。
被害者と加害者の関係性や犯人のこだわりなどストーリー自体はきちんと出来ており
伏線をきちんと回収したストーリー展開になっているのだが、
事件関係者とコナンの関係がほぼないため
ストーリーに「コナン」が入り込んでおらず蚊帳の外なストーリーになってしまっている

そして気になる方も多いと思うが、今回のコナン映画は
原作者の青山剛昌氏が、公開直前のインタビュー
で「原作でまだ出していないネタも出して、ネタばらししている部分もあります」と
発言している

しかしながら、これが「ネタバレ」というよりも「公然の事実」だ。
ある人物の正体など原作を読んでいる人もアニメを見ている人もわかりきっている事実で
ネタバレされても「あ~・・・うん」という風にしかならない。
見ている側がわかっている秘密を作品の中の登場人物に明かすなら展開として面白いが
見ている側がわかっている秘密を見ている側にバラしても微妙なだけだ。

個人的に大爆笑したのは終盤での「蘭」の空手だ。
コナンやセラを狙撃され、恒例のあゆみちゃんが人質され
蘭の怒りは「フリーザーに対する悟空」のごとく怒り狂っていたのはわかる。
抵抗できない元軍人に対し「これはあゆみちゃんの分!」「これはセラの分!」と殴りまくり、
殴られた衝撃で犯人は吹っ飛びガラスに叩きつけられ、ガラスが割れる(笑)
ちょっと演出が過剰すぎだが、私は大爆笑だった(笑)
おそらく犯人には致命的な後遺症が残っただろう・・・・・・w

前作は良い意味で「コナンらしくない」映画作品だったが、
今回は悪い意味で「コナンらしくない」映画作品だ。
前作は完成度が高く劇場で見る価値のある作品で同じ監督ということで期待していたのだが
脚本家を事前に調べるべきだった(苦笑)

来年の映画も決定しているようだが、来年はどうなるのだろうか。
予告内容が薄かっただけに気になる所だ
来年はどんなスケボーアクションを見せてくれるのか、来年はどんなシュートを見せてくれるのか
犯人の動機がどれだけぶっ飛んでいるのか・・・私は楽しみで仕方ない(笑)

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