キラキラネームヒロインによる浦和の強引な宣伝アニメ「浦和の調ちゃん」レビュー

2016年2月26日

☆☆☆☆☆(3点)/全12話
【浦和の調ちゃん】クリアファイルセット

あらすじ
さいたま市の浦和地区を舞台にした、女子高生8人の日常を描いたオリジナルアニメ作品。調、常盤、南、桜、緑、子鹿、彩湖、美園の、個性豊かな8人の女子高生が巻き起こす、楽しくにぎやかな彼女らの学園生活が描かれていく。

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キラキラネームヒロインによる浦和の強引な宣伝アニメ

本作品はアニメオリジナル作品。
埼玉県さいたま市浦和地区を舞台とした作品だ。
監督はイシバシミツユキ、脚本は花村悠一郎

なお「調」はうさぎと読む。
浦和のしらべちゃんでも、浦和のちょうちゃんでもなく、
浦和の「うさぎ」ちゃんだ。
ただ、これは正式な読み方ではないようで、
いわゆる「DQNネーム」「キラキラネーム」的な感じだ。

浦和にある「調(つき)神社」という神社から名前をあやかっているらしく、
この調神社には狛犬ならぬ「狛兎」のようなものがある。
「調(つき)神社」から「月」を連想し、うさぎを神の使いとしている。
その連想から色々なうさぎの像などが神社にはあるらしく、
そこに更にあやかってヒロインの名前を「つき」ではなく、
「うさぎ」と強引に読ませている。もはや連想ゲームだ。

内容自体もかなり強引だ。
「公益財団法人さいたま市産業創造財団」が支援した作品らしく、
分かりやすく浦和を強引に宣伝している。
例えば1話のヒロインのセリフでこんなのがある。

「季節が1つ変わるだけで、街やみんなの姿がいつもと違って見え、
なんだかワクワクさせてくれる。」

ここまではいい。この後のセリフが問題だ

「そんな浦和が大好きなんだ!」

どうだろうか(苦笑)
セリフに無理があることが文章からも伝わってくるはずだ。
浦和だからこそ、浦和らしい特徴を言ってくれるならば納得できるが、
四季のある日本ならば浦和でなくとも同じのはずだ。

この作品に出て来る「浦和age」なセリフの数々は
浦和でなくとも問題がない場合が多すぎるうえ、
強引にぶっこんでくるからたちが悪い。
もう少し自然に、もう少し控えめに浦和という街の魅力を伝えてくれるならば、
ここまでの嫌悪感は感じないかもしれないが、
流石にここまであざとい「浦和age」の数々は鬱陶しさすら感じる。

短編アニメなのにキャラクター数も「無駄」に多い。
キャラクターデザインは非常に可愛らしく、
浦和関係のネタをすべて排除して日常アニメにすれば、
そこそこ売れそうな雰囲気さえ感じさせるほどレベルが高い。

しかし、そのキャラクターデザインの素晴らしさを
5分枠の中でキャラクターの魅力に変えることはできず、
結局のところ、尺を浦和ネタで潰してしまい、
可愛らしいキャラクターデザインとヒロインのDQnネーム、
浦和に対する鬱陶しさしか残らない作品だ。

全体的に見て聖地アニメを作ろうとして失敗したアニメだ。
こういった聖地アニメを作ろうとして失敗するパターンは、
メガネブの悪夢以来だが、いい加減にこういった狙いすぎた聖地アニメは
受けない事をわかってほしい。

一話まるまるかけて「十万石まんじゅう」の宣伝をしたり、
唐突に埼玉クイズを入れたり、
「アニメ」なのに露骨に実写映像を入れまくったりと、
わざとなんじゃないかと思うほど苛つかせる浦和ネタの数々だ。
ギャグ的に入れている部分もあるが、尽く滑っているのでたちが悪い。

浦和ネタさえ無ければ「ゆるゆり」や「ゆゆ式」のような雰囲気もあり、
日常描写は毒にも薬にもならない感じではあるが、
キャラクターデザインと声優さんの演技のおかげで
日常アニメらしい魅力も垣間見えているだけに、
「浦和ネタ」がこの作品の魅力の全てを殺してしまっているのがもったいない。

聖地狙いのアニメはこれっきりにしてほしいものだ(苦笑)