総勢32人のキャラ、一人あたり平均7分30秒で掘り下げられるわけ無い「ディバインゲート」レビュー

2016年5月15日

評価☆☆☆☆☆(2点)全12話
ディバインゲート vol.1 [Blu-ray]

あらすじ
聖なる扉「ディバインゲート」が開かれたことにより、<常界><天界><魔界>3つの世界が交わり、欲望や争いの交錯する混沌が訪れた時代。秩序回復のために支配層は「世界評議会」を結成。統制されたかりそめの平穏のもとで、「ディバインゲート」は誰もその実体を知らぬ都市伝説と化した。

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総勢32人のキャラ、一人あたり平均7分30秒で掘り下げられるわけ無い。

原作はパズドラなどでお馴染みのガンホーによるソーシャルゲーム。
監督は阿部記之、制作はtsudioぴえろ

見だして感じるのはややこしさだろう。
詩的な表現で回りくどいナレーションで始まり、
難解な設定や世界観をいきなりたたきつけられる。

更に展開も慌ただしい。
サラリーマンのおっさんが電車の中で暴れだしたかと思えば、
いつの間にか別次元に飛ばされる登場人物。
原作ゲームをやっていてれば何とか把握できるかもしれないが、
1話から情報量が非常に多く、ついていけない人も多いだろう。

大量の登場人物とややこしい世界観と設定、
更にごちゃごちゃしたストーリー展開のおかげで余計にとっつきにくく、
妙にすかした感じの演出が多い。

ただでさえ原作からややこしい要素を余計にややこしくし、
ナレーションで雰囲気を出しているかもしれないが、
その雰囲気で誤魔化されることもなく、
気取った演出と暗いストーリー展開には面白みを感じにくい。

いわゆる「おしゃれなアニメ」を目指したのかもしれない。
最近で言えば「K」などの雰囲気おしゃれアニメ風な方向性にしたいのはわかるが、
演出のセンス不足のせいで、おしゃれでなくすかした感じに成り下がっており、
やりたいことはわかるが、見ている側は大きなズレを常に感じてしまう。

ストーリーも1話1話ご丁寧に一人一人のキャラクターの過去を描写しつつ、
キャラクターの掘り下げをおこなっているのだが、常に暗い。
この作品はタイトル通り「ディバインゲート」というものにたどり着くために
登場人物が群雄割拠している。
ディバインゲートはドラゴンボールのように、
扉の先に進めば望みが叶うという感じのものだ。

陰鬱な空気の中で大量の登場人物がディバインゲートにたどり着くために
右往左往するのだが、非常にストーリーのテンポも遅く、
爽快感のあるシーンも極端に少ないため、常に暗く常に重い。
相当に原作ゲームに対する愛着がなければ面白いと感じられるシーンが少なく、
登場人物たちもギスギスしているため余計に重い。

そもそも1クールで32人もキャラクターが出ている。
1話20分として全12話で240分。
一人一人に平等に時間が与えられるとしても
一人あたりを描写できる時間は7分30秒しかない。
単純に計算しただけでも明らかに登場人物が多く、
全ての登場人物を掘り下げるには明らかに尺が足りない。

原作ファンのことを考えてなるべくキャラを出そうとしたのは分かる、
だが、1クールという尺を考えればせめて10人位は削っても良いはずだ。
終わった後に名前を覚えていないキャラクターも大量におり、
「結局あのキャラはなんだったんだ」と感じるキャラも多い。

戦闘シーンもCGを多用しすぎており、
アニメというよりはRPGの戦闘シーンを見ているような感じだ。
演出の力不足のせいでCGの欠点である「重さ」の演出ができておらず、
戦闘シーンが軽い。

全体的に見て1クールで32人のキャラを出すという時点で
失敗が決まってしまったような作品だ。
明らかに捌き切れない大量の登場人物を名前も立ち位置もわからぬままに
見せられている感じが強く、
原作ゲームをやっていてキャラクターのことをわかっている前提で
ストーリーが作られているのは正直厳しい。

なんというか1クールの作品だが総集編映画を見せられたような感覚だ。
最後までストーリーを何とか見続けても、
視聴者ほうっておけぼりの超展開と、ディバインゲートを目の前にしても通らず、
2期を匂わすような展開で終わってしまっている。

これでもう少しストレートな世界観やストーリーならば
32人というキャラ数でもなんとなかったかもしれないが、
正直ここまでゴチャゴチャなストーリーだと16人でも厳しかったかもしれない。
そう感じるほど見終わった後の「空虚感」が凄まじく、
疲労感もすさまじい。

個人的にだが正直かなりきつかった・・・
前評判の段階で期待はしていなかったが、ここまできついとは思わなかった。
1クールという尺が決まっている中で
全キャラを出すという前提があったかもしれないが、
もう少し色々とどうにかならなかったのだろうか。

今から見る方は1話で判断することをおすすめします。