ジブリの悪いところ煮詰めてみました「台風のノルダ」レビュー

2016年8月3日

評価☆☆☆☆☆(4点)全26分
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あらすじ 離島にある中学校に通う東シュウイチは、子供の頃から続けていた野球を辞めたことで親友の西条ケンタと険悪な関係になり、文化祭前日にもケンカをしてしまう。その日の放課後、大型の台風が接近したことで島に取り残された生徒たちは学校で一夜を迎えることになった。引用 – Wikipedia


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ジブリの悪いところ煮詰めてみました

本作品はノイタミナ作品のアニメ映画。
ジブリでアニメーターとして参加していた
新井陽次郎氏が初監督を務める作品だ。

見だして感じるのはドン引き感だろう。
爽やかな、それこそ「ジブリ出身」という雰囲気の作画で描かれる中で
教室に入る主人公。
そこには「裸」になって着替えてる少女が居たというところから始まる。

作画の爽やかな雰囲気と全裸という状況描写が全く咬み合っていない。
裸だった理由がきちんと描かれれば納得できたかもしれないが、
特に描写がないため余計に意味がわからない。

確かに作画は綺麗だ。
1シーンの中で同時に多くの人物を動かすシーンなど
ジブリ出身という肩書に恥じない作画になっているが、
はっきりいって「それだけ」だ。

綺麗な作画、細かく動く作画、
それだけで面白い作品が作れるならどのアニメ会社もそうやっている。
その細かく動かす描写に「趣」やこだわりを感じない。
動かせば見ている人が面白いと感じるのと勘違いしているシーンづくりであり、
いわゆる「質アニメ」だ。

根本的にストーリーが本気でつまらない。
30分しか尺がない作品だから仕方ないかもしれないが、
冒頭の裸の少女が描かれたあとに、
文化祭での中学生同士のケンカといざこざが描かれ、
なぜか裸だった少女が学校の鉄塔の上で謎の力を使いながら
立ち尽くしているのを主人公が目撃する。

1つ1つのシーンがちぐはぐで、1つの1つのシーンが
「作画の質」を見せるためだけのシーンづくりになってしまっており、
ストーリーの理解が追いつかない。

30分という尺を全く意識せず、強引に詰め込み、
無理矢理、起承転結を作り、なんかよくわからないうちに物語が始まり
なんかよくわからないうちに物語が終わってしまう。

謎の少女はなんで最初裸だったのか?
謎の少女の目的は何なのか?

台風のノルダというタイトルから、
このヒロインの少女がノルダということは、
なんとなく察することができるのだが、
それ以外のノルダのことがもうまったくもってわからない。

シーンとシーンとつなぎ方も雑で、派手なシーンは派手なだけ。
綺麗な作画や動かしまくりなアニメーションで描かれていることの
「意味」を見ている側に伝える、察させようとしておらず、
制作側の中だけで自己完結し、その自己完結を
自己満足な作画で30分見せられているだけの作品だ。

全体的に見て肩書だけの作品だった。
ジブリの悪いところ、欠点を煮詰めて30分に詰め込んだような、
作画が綺麗さと尺を意識しないストーリー構成と、
見ている側に理解させないストーリー。

結局制作側がしたかったこと、描きたかったことが
制作側の中だけで終わってしまい、見ている側に一切伝わない。
この作品を作った監督は自分の作った作品を見なおしたあとに、
この作品を「面白い、最高の出来だ」と思ったのだろうか?

とってつけたようなケンカととってつけたような仲直り、
とってつけたような友情描写、とってつけたような青春要素、
見ている間に「乾いた笑い」しか生まれない。

根本的な物語作りができておらず、
その物語を見ている側に伝えようともしていない。

どうだ!作画凄いだろう!
どうだ!儚い描写で心理描写すごいだろ!
どうだ!少ないセリフで状況説明して理解できるようにしてすごいだろ!
どうだ!面白いだろう?

というような制作側のドヤ顔感は透けて見えるが、
そんなドヤ顔に対して見ている側は苦笑するしかない。

なんとなくBL的匂いもする作品なだけに
いっそ「ノルダ」という存在いらなかったんじゃないかと。
未知の鉱石が台風を巻き起こしており、それを二人の男子が
喧嘩して仲直りした後に壊して解決みたいな感じのほうが
すっきりと楽しめたかもしれない。

素人考えでも30分という枠では到底消化しきれない内容は
脚本会議で却下されたりしなかったのだろうか(苦笑)
ちなみにジブリ出身だからなのか声優は使っておらず、俳優だ。
声の演技はかなり厳しい。

劇場で公開された作品だが心底、劇場で見なくてよかった・・・。
色々とひどい作品だった。

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