サスペンス

「十二大戦」レビュー

十二大戦 サスペンス
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評価 ★☆☆☆☆(16点) 全12話
十二大戦

あらすじ どこかの世界。十二年に一度、十二支の戦士が集い争う「大戦」があった。引用- Wikipedia

シャフト連れてこい、シャフト。

原作は化物語でお馴染みの西尾維新による小説。
漫画版のキャラデザやイラストなどは聖☆おにいさんの中村光が手がけている。
監督は細田直人、制作はグラフィニカ

見出して感じるのは派手な戦闘シーンだろう。
キビキビとしたアクションとキレのある作画は見ごたえがあり、
シリアスなムード漂うピリピリとした空気感は物語への期待感を高める。

この作品はいわゆる「バトルロワイヤル」な作品だ。
12年に1度行われる「十二大戦」という戦いで、
12人のキャラがそれぞれの干支をモチーフに、最後の一人になるまで戦う。
最後の一人になったものは「願い」を叶えてもらえることができるという、
非常に分かりやすいバトルロワイヤルな世界観と設定だ。
十二大戦

しかし、そんな12人のキャラクターがあっさり死ぬ。
回想シーンを長々と描いたあとにサクっとキャラクターが何の前触れもなく死に、
次の話では別のキャラクターの回想シーンが始まる。
基本的に各話ごとにそれぞれのキャラクターがメインとなり、
自分能力や過去を回想形式でご丁寧に説明してくれる。
それが特に面白くない。

コレが原作のように「小説」というスタイルならば西尾維新特有の文章で
面白さを感じられる部分もあるのだろうが、
アニメにおいてそれを「回想」や単純な「会話」として描いてしまい、
演出的にも何の冒険も味付けもしていない。
淡々とキャラクターの過去を描写しているだけだ。

何の捻りもなく馬鹿正直に描いていることでアニメーションとしての面白さも、
西尾維新という作者の文章の面白さも出せていない。
アニメーションという媒体での表現が非常に浅い。
十二大戦

キャラクターの死もいわゆる意外性を狙った死に方なのは分かる、
あまりにもあっけない死に方は本来は「あ・・・」というような、
思わず口が空いてしまうような意外性を狙っているのだろう。
だが、アニメにおいてはそれを意外性ではなく拍子抜けな描写になっているだけだ。

意外性よりも「あっさりさ」のほうが目立ってしまっており、
「死んだ!?」という感覚よりも「あ~死んだ~」というような感覚になり、
キャラクターの死に何の驚きも感情も抱けない。

回想シーンがないキャラも居るがほとんどのキャラの回想が描かれる。
1クールにおいて尺の使い方を間違えており、
別に描く必要のないキャラの回想を
1クールという限られた尺の中で描いてしまっており、グダグダだ。
十二大戦

戦闘シーンも多いのだが、この作品を構成している7割は回想シーンといっても
過言ではないほど回想シーンの連続だ。
死ぬことがわかりきっているキャラの回想を見せられても、
その直後に死んでしまうことも多いのでその回想が無意味でしか無い。

死なせ方もワンパターンだ。
強いキャラが油断して実は強い能力を隠していたキャラに油断して死ぬ。
この展開を何度もこの作品は見せられる。

何のためにキャラクターの回想を描いているのか?というのを
制作側が分かっていない。
キャラクターの回想を描きキャラに感情移入させて、
初めて「キャラの死」に価値が生まれるのに、無駄死にばかりだ。
12人じゃなく6人位でも物語は成立するだろう。
十二大戦

戦闘シーンも序盤は迫力とスピード感があり悪くないのだが、
終盤では何故かCGに頼ってしまう。最初から戦闘シーンがCGで描写されているならば
違和感は感じなかったかもしれないが、
終盤になっていきなりCGになる点は意味がわからず、
それ以外のシーンでの作画も明らかに後半になってレベルが落ち、
強い違和感が生まれている

終盤のストーリーも、盛り上がらなさが異常だ。
1番陰の薄く活躍も薄かったキャラクターがぽっと出のように良い所をかっさらい、
しれっと優勝してしまう。
「実は彼の能力はこんなにすごくてだから勝ち抜けたんです!」という
理由付けはされているものの、いまいちしっくりと来ない。

結局、彼が叶えた望みも拍子抜けな感じが強く、
このバトルロワイヤル自体が何だったんだと言う感じで終わってしまい、
もやもやとした強烈な消化不良感だけが残ってしまう。
十二大戦

総評

全体的に見て見せ方が悪すぎる作品だ。
長すぎる回想を長々と見せられた挙句、あっさりとキャラクターが死んでしまい、
どれだけ見てる側がキャラを気に入っても回想が描かれれば死ぬ展開が決まっており、
バトルシーンもあまりにもあっさりしすぎているうえにあっけない事が多く、
キャラクターの死の価値があまりにも薄い。

ストーリーの流れとしては分かる。
十二支とは逆の順番でキャラクターが死んでいき
最後にネズミが残る展開は決まっており、、
それぞれのキャラが干支の動物にちなんだ「ことわざ」や「四字熟語」に関連した
ストーリーや展開を見せる。

要素自体は悪くないし、やりたい事も分かる。
だが、その見せ方が悪いせいで、その1つ1つの要素を
消化しきれないままに終わってしまった作品だ。
十二大戦

個人的な感想

個人的にはなんだかな~と言う感じで終わってしまう作品だった。
群像劇として画きたかったのは分かるが、
その割には「ネズミ」の能力が主人公属性過ぎて強すぎた。

あのネズミをきちんと主人公に据えて最初から能力を使って、
結果的に生き残ったら面白い作品になったかもしれない。

「」は面白い?つまらない?

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  1. らんらんるーん より:

    少女終末旅行とかのレビューお願いできませんかね