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TARI TARI

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TARI TARI 5 [Blu-ray]


評価/★★★★☆(69点)


TARI TARI 5 [Blu-ray]

制作/P.A.WORKS
監督/橋本昌和
声優/高垣彩陽,瀬戸麻沙美,早見沙織ほか


あらすじ
白浜坂高校の声楽部に所属する宮本来夏は、ピアノ担当の上野みどりの譜面捲りを担当していた。前々から歌を歌いたいと希望していた来夏の思いを察したみどりは、顧問である教頭先生に一度言ってみたらと来夏に問いかける。しかし、来夏は教頭先生から去年の発表会での失敗を指摘されたうえに「音楽の才能は無いから諦めなさい」と断られたことに憤り、声楽部を退部して新たに合唱部を作ることを決意する。



爽やか朝ドラ


AngelBest Truetears 花咲くいろはなどでお馴染みのPA.Worksによる
アニメオリジナル作品

基本的なストーリーは青春モノ。
二年生に合唱の発表会の時、緊張のあまりミスってしまった「宮本 来夏」、
彼女は顧問の命令により歌えない声楽部をやめ、合唱部を作ることに・・・
というところからストーリーは始まる。

序盤、特に1話の印象は「淡々」だろう。
起伏が薄くキャラ紹介の意味合いがあるのは分かるのだが、
あまりにもあっさりと始まり、あっさりと1話が終わる。
そうかと思えば2話で急展開。
ゆっくり見ればいいのか、焦ってみればいいのか。
序盤はなんだか慌ただしい印象が残る。

しかしながら、そんな慌ただしさを「合唱シーン」が打ち消す。
序盤の合唱シーンは「瀬戸麻沙美」さんと「早見沙織」さんのデュオなのだが、
二人の声質もあるのだろうが、素敵な素敵な歌声だ。
この合唱シーンで一気に「TARITARI」の世界観に入り込める。

ただ、残念なことに肝心の合唱シーンが少ない。
2話以降合唱シーンが描かれるのは2,3回で
その他の話では合唱部員が練習する様やバイトをしたり、バドミントンをしたりと
「合唱部の日常」を描いており、それはそれで面白いのだが
1話のようなたんたんとした描写に戻ってしまう。

しかし、その淡々とした描写の中でのキャラ描写を深めるストーリーは
「朝ドラ」とネット上では呼称されるほど青春要素が強い。

あるものは母親の死を乗り越え、あるものは自分の夢について考えと
「高校生」という微妙な年代にありがちな感情の機微やストーリーは
本来重い要素もあるのだが、重くなりすぎず
あくまでも爽やかに描いているのは好感が持てた。
この作品は全体を通して言えることだが「見やすい」作品だ

複雑な設定や複雑な伏線があるわけではない、単純だがストレートに
見ている側に伝わりやすい青春ストーリーはすっきりと見やすい内容だ。
ほろりと感動させ、ほろりとほっこりさせ、ほろりと終わらせる。
ガツン!と来る作品とはいえないが、ふわっと心に響くにようだ

しかし、終盤唐突な展開が多すぎた。
物語を終わらせるための「唐突な展開」であることは理解できるのだが

「文化祭」と「母親と作った曲」をみんなで歌うというだけでよかったはずなのに
そこに何故か「廃校」という余計な要素が入ったことで作品が若干ぶれてしまった。
明らかに、それまであまりいい印象を持たなかったキャラを良い印象に変えるためと
最終回前の盛り上がりを作るためだけの要素だった
そのせいで母親と作った歌の印象も残りにくかった

ただ、最終回直前にこの作品でもっとも地味なメインキャラである「田中」に
焦点が当てられたのは良かった、私はこの作品の中で彼が一番好きだ。
彼はもともとバドミントン部なのだが、部員不足により廃部しそうだったのだが
廃部を防ぐために合唱部に入り、代わりに合唱部にもバドミントン部に入ってもらう
「合唱部ときどきバドミントン部」という謎な部活になっている(笑)

そんな田中は物語の序盤はあくまでも合唱での「テノール」の役割でしか無い。
しかし、彼が居なければ作品のバランスがとれていない裏方的な活躍は素晴らしかった
もう一人のメインキャラである「ウィーン」の戦隊オタク趣味にノリノリで付き合い
彼の練習にも嫌な顔せずに協力し、他の助成部員に対してもさりげなくフォローする。

そして終盤、学園祭では彼は奮闘しまくり、おまけにこの作品にはそれまで無かった
「恋愛」という要素を彼は爽やかにぶち込んでくる(笑)
キッカケは本当に些細な事で、確かにあんなの見たら健全な男子なら惚れてしまうだろう
恐らく多くの見ていた男子が「あれは確かに惚れる」と納得する恋に落ちる瞬間だw
更に彼は最終話で告白までしている、セリフ無しで。
彼と彼女の今後がこの作品で一番気になる所だろう(笑)

全体的に見てよくできた青春ストーリーだった。
重くなりすぎず、あくまでも爽やかに描かれた内容はすっきりと楽しむことができ
声優さんの素敵な声質と歌声の「合唱シーン」は魅力的に描かれ、
最初から最終話まで一気に見れる面白さを秘めていた

残念な部分は終盤の強引な展開や、あからさまなキャラ設定など
作品の練り込み不足が目立つ点もあり「もう一歩」足りない作品だった
もっとこの作品は面白くなるのに!というもどかしさに似た何かを感じてしまう。
ネット上では2クールあれば・・・という意見もあったが、難しい問題だ
そこまで深い内容を描いているわけではないので、2クールあったら
ダレてしまうのでは?という印象も受ける。

この作品で描くべきは本当にリアルな「高校生の日常」なのだろうが、
そこに妙にアニメ的な要素がときおり入ってしまうのは残念で仕方ない。
突然の廃校、馬で登校、敵役ないじわるな先生、理事長etc…
そういったアニメ的な要素が「TARI TARI」の中で浮いてしまっていた

さらに言えばこの作品は名作ではない。
あくまでも軽い青春モノで、すっきりと面白い作品ではあるのだが
「もう一度見たい」と感じさせる魅力があと一歩足りなかった

しかしながら、すっきりと面白い作品ではあった。
終わり方からして「2期」はないだろうが、エピローグ的なOVAや
思い切って映画化すればモットすっきりと面白い作品になるかもしれない。
今後の展開に期待したい作品だ。

個人的にはPA.Worksとの相性は最悪なのだが、
この作品だけは「面白い」と素直に感じることの出来た作品だった
PA.Worksには今後この方向性で頑張っていただきたい

「」は面白い?つまらない?

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