クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁

クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁感想

評価/★★★★☆(68点)

クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁感想

制作/シンエイ動画
監督/ しぎのあきら
声優/矢島晶子,ならはしみき,藤原啓治,釘宮理恵ほか
全1話


あらすじ

ある日、野原しんのすけの前に、タイムマシンで時を越えた女性・タミコが現れる。タミコは未来からやって来たしんのすけの花嫁だと名乗り、未来のしんのすけが未来都市・ネオトキオの支配者・金有増蔵に捕えられてしまい、彼を救う為には5歳のしんのすけの力が必要なのだと語る。しんのすけは半信半疑ながらも、かすかべ防衛隊の面々と共にタミコに連れられて未来の春日部にタイムトリップする。

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原点回帰、子どもが楽しめるクレヨンしんちゃん

クレヨンしんちゃんの映画18作目になる本作品。
また臼井儀人没が亡くなってからの作品としては第1作目となります。
冒頭、アクション仮面の格好をした大人の野原しんのすけが
「5歳のオラが必要だ!」と叫ぶ
この文章だけで、クレヨンしんちゃんという作品に少なからず興味が有る方は、
「え!?ど、どんな話なの!?」と気になって仕方ないと思う(笑)
基本的なストーリーは隕石の衝突で様々なことが変わってしまった未来に
未来のしんのすけの花嫁にいきなり連れてこられるしんのすけとかすかべ防衛隊を
中心としたストーリーが展開される。
しんのすけの花嫁役には「釘宮理恵」さんが起用されています。
未来の世界は非常に巧く描いている、
ある意味「理想の未来」と「現実の未来」が巧く組み合わされており、
未来の街並みは子供の頃描いた様子に近い物、しかしその裏では貧富の差が広がっており、
100円ぐらいだったチョコビが1800円になっていたり、
遊んでいた公園が古くなってすたれてしまっていたり・・・と
現実と理想をきっちりと描いている。
更には未来に一緒に来た「かすかべ防衛隊」の子供たちは
自分の未来の姿を見て、様々な想いを馳せる。
自分が想像していた未来の自分と全く違う自分を見て落ち込み悩む。
序盤は素直に未来の世界を堪能でき、これからのストーリー展開がどうなっていくんだ!?
と期待感できる出来栄えでした。
中盤からは未来のひろしとみさえも登場する。
20年後のしんのすけの両親の姿はかなり衝撃的だが(笑)
気になる方は是非DVDでチェックしてもらいたいw
私は前情報など一切無く見たので、ものすごい衝撃&爆笑してしまいました。
ある意味、ここもリアルな未来だ。
更に衝撃的なのは敵として用意されている
「花嫁(希望)軍団」
ある意味キャラクターは今の時代を反映しているが、演じている声優が
近藤春菜、黒沢かずこ、はるな愛、いとうあさこ、椿鬼奴という、あれな女芸人さん達(笑)
アニメ映画になるとすぐに芸能人のゲスト声優を起用し、
残念なパターンになることが多いが、これは適役。
演技こそたしかに残念だが、ギャグ的要因&花嫁希望という役職がはまっており
「こういう使い方してくれれば芸能人の声優に文句はない!」と
想わず叫びたくなります。
もちろん、西友としての力量は残念なんですけどね・・・w
終盤はドタバタしながらも、しっかりとクレヨンしんちゃんらしいストーリーを展開し
泣けるシーンや笑えるシーンを随所にしっかりと用意し、
きれいな結末を迎える内容は1本のアニメ映画として完成度の高いものだった
リアルな未来や設定を考えれば重くなりそうなストーリーを
うまい具合にクレヨンしんちゃんらしい「お馬鹿さ」が目立っており、
真面目な展開なはずがお馬鹿な展開で拍子抜けするようなとんでも展開になったり、
本当は説明不足なはずのストーリーをお馬鹿さで突き抜けている(笑)
これは本当にある意味、子供向けな「クレヨンしんちゃん」の
クレヨンしんちゃんらしい「お馬鹿」な魅力がタップリと詰まったストーリーになっている。
子どもが素直に笑える、素直に楽しめる、そんな作品になっています。
ただ、逆に言えば「大人帝国」や「戦国」などの子供よりも大人が楽しめる作品とは違い、
初期の頃の「ハイグレ大魔王」のノリに近いと思います。
ある意味で「原点回帰」に近い作品と言えるかもしれません。
個人的には最後に未来の世界はパラレルワールドとして、
大人のしんのすけの顔は出さなかったことは好感が持てる設定でした。
ただアクションシーンは単調かつ間延びしている部分があり、
物語をテンポよく見させてくれない、思わず早送りしたくなる
せっかくストーリーや設定が良く声優さんもいいのに
演出が台無しにしているところが多く見られた。
実際、作画のレベルは高い。
未来の進化した街並みと貧困とした街並みなどの描写は素晴らしく
リアルな未来と想像の未来を巧く書き分けていました。
しかし、アクションシーンや物語の動く部分になりと動きが急にぎこちなくなったり、
盛り上がっているのにいきなり盛り下がったりと、見ていて疲れてしまう。
演出やテンポがもっと良ければ、名作になり得た作品なのに・・・残念です・・・。
ある意味、「酷い演出と悪いテンポを出来のいいストーリーがささえてる」といってもいい、
これは誰が悪いのか?演出家の責任なのか、演出のダメさ加減を指摘できなかった監督が悪いのか。
私の記憶で今までのクレヨンしんちゃんの作品で、
動きに関しては「悪い」という記憶はなかったが、今作ではひどくそれを実感してしまった。
1時間40分という尺では余ってしまったのかもしれない。
恐らく、間延びしている部分やテンポが悪い部分を改善すれば
1時間ちょいで語ることが出来るストーリー構成だ。
脚本が完成し絵コンテが完成した後に「あれ?1時間40分無理じゃね?」となり
演出やテンポを悪くして1時間40分と言い尺を埋めた、そんな印象を受けてしまった。
全体として、悪くはない。
クレヨンしんちゃんらしい「バカだw」というお笑いの要素や
真面目な部分での突拍子も無い展開など、
近年の映画作品の中では珍しく「クレヨンしんちゃん」らしい作品が出来上がっている。
それだけに!演出と間延びしたストーリーは気になって仕方がない・・・w
しかし、これはあくまで私がレビューする人間として
アニメ映画を見ているから細かいところが気になるだけであって、
普通の人や子供が見る分には絶対に楽しめるアニメ映画になっています。
色々批判も書きましたが、この作品を境にクレヨンしんちゃんの映画が
来年も期待できるシリーズに戻ってきたな~としみじみと実感しました。
臼井先生は残念ながらお亡くなりになってしまいましたが、
臼井先生が自分のすべてを掛けて生み出したクレヨンしんちゃんというキャラクターは
この先、何年、何十年と子供たちにも大人にも愛される続けられると思います。
クレヨンしんちゃん今後も期待してます!