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オカルト文化の集大成「ダンダダン 2期」レビュー

ダンダダン2期 アクションアニメ一覧
画像引用元:©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
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評価 ★★★★★(84点) 全12話

TVアニメ『ダンダダン』第2期第2弾PV|2025年7月3日から全国同時放送

あらすじ ある日、俳優・高倉健似の人生初の彼氏に振られたモモは、偶然見かけたオカルンをいじめから庇う。 引用- Wikipedia

オカルト文化の集大成

本作品はダンダダンの2期。
監督は山代風我、制作はサイエンスSARU

1期

ダンダダンの1期は素晴らしい出来栄えだった。
都市伝説、怪異、UFO、なんでもありなオカルト詰め合わせな内容のなかで
オカルトを信じる少年と幽霊を信じる少女が出会い、
特別な力を手にし、主人公であるオカルンは自らの竿と玉を
取り戻すために奮闘しながら「恋愛模様」も描いていた。

ふざけているのに真面目にストーリーが展開し、
ふざけているのにバトルが熱く、
ふざけているのに恋愛模様が微笑ましい。
ふざけているのに都市伝説や宇宙人のエピソードに泣けてしまう。

この絶妙なバランスで作り上げられた作品は素晴らしく、
サイエンスSARUによるアニメーションが本作の戦闘シーンの魅力を
何倍にも引き上げてくれていた。
そんなシーズン1からのシーズン2だ。

本作は分割2クールで作られており、シーズン1のラストは
区切りが良いとは言えなかった。
ヒロインの幼馴染が住む村に訪れ温泉に入っていると、
ヒロインが裸のおじさんに囲まれて終わった(笑)

とんでもない区切りで先が気になりすぎて思わず
原作に手を出そうとしたぐらいだが、ぐっと我慢して
シーズン2を待ち望んでいた

変な家と因習村

ヒロインの幼馴染である「ジジ」が住む家、
その家の構造にはおかしな点が有る。
家の横に有る謎の空間、一部屋くらいありそうな空間だが、
そこにたどり着くための扉がない。もろに「変な家」である(笑)

そんな変な家に住むジジの両親は謎の症状で入院し、
変な家は「田舎の村」の怪しげな一族がジジの両親に貸している状態だ。
田舎の村には「ツチノコ」の亡骸があり、大蛇伝説が残っている。
変な家、ツチノコ、大蛇伝説、そして因習村だ。

当然、因習村では主人公たちは「生贄」対象だ。
大蛇への供物を捧げる一族、長い間残り続ける因習と
本当に存在する「大蛇」はモンゴリアンデスワームである(笑)
もうオカルトというオカルトが大集合して闇鍋状態になっている。

1期もその傾向は強かったが、
2期からはその闇鍋傾向が強まっており、
よりカオスに、よりオカルトに、よりダンダダンという作品のらしさが
強まっている印象だ。

ほぼ原作は月刊ムーといって差し支えないほど、
あの雑誌の愛読者ほどたまらない存在がどんどんとでてくる。

怪異

1期でもそうだったが、
この作品に出てくる怪異にはきちんと「怪異」が生まれる経緯がある。
それは「人の業」だ。それが積み重なり呪いとなり怪異を生む。
因習村で捧げられ続けた人々の死、その死を見続けてきた少年は「怪異」へと到る。

オカルトの闇鍋状態では有るのだが、その闇鍋が闇鍋ではなく、
きちんとした作品に仕上がっているのは、
この裏付け、バックボーンの描き方が有るからこそだ。
ただただ多くの怪異やオカルトが出るのではない、
オカルト同士が複雑に絡み合い、
そこに人の業を絡めることで説得力の有るストーリーが生まれている。

オカルトというあるかどうかわからない、だが、あったら面白い。
そんな不安定なものを説得力の有るストーリーで裏付けるからこそ、
荒唐無稽さや、カオスさがいい具合に薄まり、
それがダンダダンという作品を形作っている。

怪異達に同情の余地はある、だが、同情してしまえば、
強い感情移入してしまえば
そこに取り込まれる、それが「怪異」であり「オカルト」だ。

邪視

多くの犠牲によって生まれた呪いの家、そこから生まれた「邪視」は
ジジの体を乗っ取りモンゴリアンデスワームと戦う。
ちなみにジジはブリーフ一丁である(笑)

かっこいいはずなのにシリアスな状況のはずなのに
ブリーフ一丁で戦っているというシュールさの中で、
「サイエンスSARU」のアニメーションが大爆発する。
呪いの塊をまるでサッカーボールのように蹴り上げながら、
徒手格闘で邪視と殴り合うオカルンの戦闘シーンはケレンミたっぷりだ。

1期のスピード感はそのままに
メリハリを意識した2期の戦闘シーンは、
巨大なモンゴリアンデスワームの存在もあってダイナミックさも生まれている。
地中に潜むモンゴリアンデスワームを引っ張り出したかと思えば、
火山が大爆発し、モンゴリアンデスワームで火山を止める(笑)

ど迫力なアニメーション、ダイナミックな構図は
2期で更に磨きがかかっており、安定した面白さを作り上げている。
特に2期ではモンゴリアンデスワームもそうだが、
中盤の修業シーンでも巨大な敵相手にダイナミックな戦闘を繰り広げており、
サイエンスSARUらしい自由なアニメーションを思う存分堪能できる。

しかも2期になると1期の
あのキャラやこのキャラも再登場する、キャラを無駄遣いせず使い捨てにもしない。
友情、努力、勝利。
ジャンププラスでは有るものの、この作品は間違いなく
ジャンプアニメなんだと感じさせてくれる展開はシンプルに熱い。

そして戦いが終わったあとには「ラブ」もある。
この二人の関係性は本当に微笑ましく、明らかな相思相愛であり、
車の中でこっそりいちゃつくさまなどニヤニヤしてしまうのだが、
告白や付き合う付き合わないという話にはなかなかならない。

その絶妙な距離感がたまらず、1期より
近づいた二人の関係性の変化、この先どうなるのかという期待感も
どんどんと強まっていく。
友情、努力、勝利。 なジャンプ的要素、月刊ムーばりのオカルト要素、
そこにラブコメ要素までバランスよく盛り込んでいる。

ヒロインたちは基本的に「口が悪い」のだが、
その口の悪さすらも唯一無二の可愛さ、
ダンダダンのヒロインとしての魅力を
1期以上に感じる。

そんな好きになった女の子を、自分を親友と言ってくれた男を
守るためにも主人公であるオカルンは強くなろうとする。
主人公がきちんと主人公らしいまっすぐな少年だからこそ、
ダンダダンは王道の面白さを感じさせてくれる。

強くなりたいという目的意識があり、きちんと「修業シーン」もある。
これだけカオスに要素を盛り込んでおきながら、
芯にあるジャンプらしい王道さがたまらない。

オタク

2期に入って忘れていたのだが、
物語の目的としては主人公のオカルンの
股間の玉を取り戻すことである、いろいろありすぎる展開ゆえに
メインのストーリーを一瞬忘れそうになるのだが、
終盤でそれを思い出させてくれる。

団地に現れる金の玉、それはオカルンのものなのか。
そんなストーリーが終盤展開する中で新キャラも一気に投入される。
学級委員、そしてオタク。
いわゆるテンプレ的なキャラでモブキャラのようにも見えなくはないのだが、
そんな「オタク」が大活躍するのがダンダダンという作品だ。

ただのオタクなのに、そのオタク知識が「UMA」を打破するきっかけになる。
しかも、終盤は彼の独壇場ともいえる。
巨大化する「怪獣」、そんな怪獣に対応するための「ロボット」だ(笑)
もうここまで何でもありだとは思わなかったと思うほど、
最後は特撮、そしてロボットアニメ要素が出てくる。

自由だ、あまりにも自由な作品すぎる。
そんな自由ともカオスともいえる2期だった。
1期と同じく、物語の区切りがいいとはいえないところで
終わっているところは残念ではあるものの、
既に3期は決定しており、心待ちにしたいところだ。

総評:因習村!大怪獣バトル!ロボット!何でもあり

全体的に素晴らしい2期だ。
1期以上に多くのオカルト要素がでてくることで、
よりダンダダンという作品の魅力が深まった印象だ。
因習村、ツチノコ、モンゴリアンデスワーム、宇宙怪獣にロボットまで。
ありとあらゆるオカルトとSFが入り混じる2期は素晴らしいものになっている。

キャラクターの関係性もより深いものになっており、
友達などいなかった主人公、オカルンが様々な人物と出会い、
恋に友情にを経験しながら成長し、そんな好きな人や友達を守るために
彼も強くあろうとする姿はまさに主人公だ。
そんな主人公とヒロインの関係性も本当にニヤニヤしてしまい、恋模様も気になってくる。

1期よりも巨大な敵が多いせいか、ダイナミックな構図がより
ダイナミックなものになっており、画面の端から端まで精一杯使ったような
大迫力な戦闘シーンが繰り広げられている。
1期と2期で違いがあり、変化があるというのも素晴らしく、
なんでもありな作品を縦横無尽なアニメショーンで描いている作品だ。

サイエンスSARUというアニメ制作会社だからこその自由な
戦闘シーンの描写が、この作品の内容自体の自由さと見事にマッチしており、
ここまでいろいろな要素を盛り込んでいるのに作品として崩壊させず、
1本の作品として、唯一無二な「ダンダダン」という作品を作り上げている。

本当に凄まじい作品だ

個人的な感想:ロボット

もう本当に大好きな作品だ、まさかロボット要素まで出てくるとは
思ってもおらず、終盤は大爆笑しながらみていた(笑)
ただのオタクがこの作品の世界なら夢をかなえられる、
そんな夢に笑わないオタクはいないかもしれない。

サイエンスSARUによるロボットアニメなど見れるとは
思っていなかっただけに、最終話のあのシーンは
アニメオタク冥利に尽きるところだ。

3期の放送時期はまだわからないものの、この自由さとカオスが
3期ではどうなるのか期待したいところだ。

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