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「マッシュル-MASHLE-」レビュー

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評価 ★★★☆☆(59点) 全12話

【本PV】TVアニメ「マッシュル-MASHLE-」2023年4月7日(金)24時~放送開始

あらすじ 当たり前のように魔法が存在し、誰もが当たり前のように魔法が使える世界「魔法界」。引用- Wikipedia

ハリポタ世界を拳でぶち壊す!

原作は週刊少年ジャンプで連載していた漫画作品。
監督は田中智也、制作はA-1 Pictures

魔法

1話冒頭、わかりやすくこの作品の世界観が紹介される。
魔法が当たり前に存在する世界で、魔法こそすべての世界、
そんな世界で主人公は森の中で祖父と暮らし筋トレをし、
シュークリームを食べている始末だ。

1話からギャグ全開だ。
マッシュのすっとぼけた性格のせいもあるのだが、
彼が自らの「パワー」で家のものを壊してしまい、
そんな様を「おじいさん」が突っ込む。
こういった勢いで笑わせてくれるタイプの作品だ。

おじいさんに「勝手に街に行くな」と言われても、
その5秒後には街に繰り出している(笑)
わかりやすくギャグ全開で冒頭から描かれており、
テイストとしては「ボボボボーボボ」に近いものがある。

原作者も「ボボボボーボボ」に影響を受けたらしく、
それが見ていて伝わる感じだ。
そんな魔法が当たり前の世界で、主人公は魔法が一切使えない。
「なぜ」彼が魔法を使えないのかは作中では明かされない。

だが、魔法が当たり前の世界だからこそ、
魔法の代わりになるものが必要だ。
それこそが「パワー」だ、それこそが「筋肉」だ

筋肉

眼の前でトラブルが起こっても彼は冷静だ。
人が怒ってるのにも限らず、彼は「シュークリーム」を食べ続け、
常に無表情だ。
それゆえにトラブルも起きる、森で育った彼は世間を知らない。

この世界は魔法が全てだ。
魔法が使えるのものは顔に「アザ」があり、魔法が使えないものはアザがない。
当然、主人公の顔にはアザがなく、この世界で魔法が使えないものは
「殺処分」されることすらある。

そんな世界で赤ん坊の頃に捨てられた主人公は
義理の祖父の元で「筋肉」をひたすら育て上げている。
魔法が絶対の世界観で、魔法という未知の力に
主人公は己の鍛え上げた筋肉のみで挑んでいる。

ドラゴンすらも追い払う攻撃魔法を素手ではじき、
周囲が焼け野原になる魔法でさえ彼は「バレー」のトス感覚、
ときにはおてだま、ときにはドリブルをし、
魔法を受け流す始末だ。

彼には魔法は使えない、だが筋肉がある。
魔法の杖も「投擲」し、己の拳のみで戦うのが主人公だ。
そんな主人公が魔法が絶対の世界で
1番優秀な魔法学生が選ばれる「神覚者」になることを目指す。

非常にわかりやすい1話だ。
特別な力の存在する世界で特別な力がない主人公というのは
ジャンプ作品でもたまにある設定であり、展開としてはベタだ。
だが、この作品の場合はギャグ要素としての
「筋肉」要素があり、それを押し出している。

この世界において異物な主人公ではあるものの、
主人公以外にもピーキーなキャラクターが多く、
そんなキャラクターたちの極端さに主人公が冷静に突っ込むこともある。
主人公がボケでありツッコミだからこそ、
ギャグがパターン化していない。

ハリポタ

2話では試験が描かれる、これもジャンプ系作品ではベタな展開だ。
本来なら魔法を使わないとクリアできない試練を、
彼は筋力のみで突破する。

まるで手品師のように鉄の玉を親指一本で支えて浮かし、
動く文字は脅迫して動きを止める(笑)
そんな理不尽な行動に周囲がツッコミ、彼がたまに反省する。
それが定番のギャグになっている。

作品の世界観としては「ハリーポッター」に近い物がある。
特にわかりやすいのは「ドゥエロ」の存在だ。
箒を使って行う競技であり、わかりやすく言えば「クィディッチ」だ(苦笑)
試合の際に着るローブのようなものもハリポタめいている。

更に寮の制度。
ハリーポッターは4つの寮があったが、
この作品は3つに別れており、性格などから寮が別れており、
「組み分け帽子」のような存在まで居る(苦笑)

かなり意識的にハリーポッターの世界観を下地に置いている。
ある意味でパロディともいえるのだが、
ここまで露骨にハリーポッターのパロディをやられると
やや困惑してしまう部分もある作品だ。

この世界を

主人公は主人公らしいキャラクターをしている。
学園に入学して彼の仲間や友人とも言えるキャラクターが増えていく、
そんなキャラクターたちを人質にするような敵も現れる、
無表情でひょうひょうとしている性格ではあるのだが、
ジャンプ漫画の主人公らしく友情を大切にしている。

主人公は魔法が絶対の世界で魔法が使えない存在だ。
それが周囲にバレてしまえば殺処分されかねない。
そんな世界を変えようと「神覚者」になろうとしている。

主人公と同じ志を持つものも存在する。
魔力が失われる病気にかかっている妹を救うために、
魔力ないものがこの世界で生きていけるように、
彼もまたこの世界のルールを変えようとしている。

時にそんなキャラクターと主人公が戦うこともある。
だが戦いの中で魔法と拳を交わし、語り合い、ライバルが友人になる。
徐々に主人公の理解者という名の仲間がふえ、
彼らとの友情を深めていくのが序盤から中盤までの流れだ。

友情、努力、勝利。
ハリポタパロディでハリポタ世界をワンパンでぶっ潰すような作品だが、
基本はジャンプ3大原則をきちんと守った王道のストーリーだからこそ
素直にこの作品を楽しめる。

そんな中でも筋肉、そしてシュークリームにこだわる
主人公の奇抜さと面白さが際立ってくる。

バトル

中盤になるとバトル展開が増えてくる。
実力主義なこの世界だからこそ、学園内でも派閥のようなものが在り、
寮同士で争ったり、1年生にも関わらず頭角を表す
主人公に因縁をつけてくるものも現れる。

ジャンプ漫画原作アニメらしいバトル展開は王道の面白さを感じさせてくれる。
努力、友情、勝利の果に仲間になったキャラクターたちが、
現れた敵と相対する。

そんな他の作品だったら真剣なバトルシーンなのだが、
この作品はあくまでもギャグだ。
名門で優秀なキャラクターは「ふくろうさん」と「脳内妹」のせいで
うまく戦えない(笑)

バトルシーンの描写自体は説明描写やアップが多く、
同じジャンプ作品である「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」と
比べると見劣りする部分があるものの、
しっかりとしたクォリティで描かれている。

ただ終盤はやや息切れも感じる部分がある。
終盤に入る前に総集編がはさまれており、
A-1Picuters関連の会社は最近制作スケジュールを延期することも多く、
リソースを割けなかったんだろうなと感じる部分があるのは残念だ。

バトルシーンも変に引き伸ばさず、
この作品の芯がギャグだからこそサクサクと戦闘シーンも描かれる。
この勢いがあるからこそ、ダレず、作中のギャグにも笑える。

こんな環境だからこそ…

敵となる相手はそれぞれ劣等感や悩みを抱えている。
この魔法がすべての世界で、実力がすべての世界だからこそ、
子供ながらに彼らは抑圧され、歪んでいる。
親は誰しも子供に才能を、魔法を、力を求めている。

そんな抑圧された思いがメインキャラ達のバトルの中で解放される。
「自己肯定感」のないもの、自分の価値を探しているもの、
そんな彼らとのの戦闘シーンはそこまで長くないものの、
きちんと敵の掘り下げもあり、
それぞれが個性的な魔法を使うためストレートな面白さがある。

そんな個性的な魔法に主人公はあいも変わらず「筋肉」で挑む(笑)
魔法ではないのに「筋肉」を呼称した技で挑み続ける、
基本的には圧勝ではあるものの、
主人公もまた「血」を流し戦うからこそ、
その圧倒感が「なろう系」作品のようなイキリには見えない。

己の肉体が傷ついても、己の筋肉で相手を圧倒する。
戦った後に、自分をどれだけバカにした人間でも主人公は手を差し伸べている。
そんな彼の行動と優しさが敵だったキャラクターたちの心を変えていく。

みんなでシュークリームを仲良く食べたい。
そんな彼の優しい心持ちが周囲の人間を少しずつ変えていく。

1クールのボス

1クール目のボスとして出てくるのが
「アベル・ウォーカー」だ。
彼は実力絶対主義の人間であり、
人間を人形に変え、操る魔法を使っている。
魔法が絶対の世界において主人公の天敵だ。

底辺の人間は排除すべきという弱肉強食の考えであり、
魔力を持つ人間から魔力を奪い、さらなる力を得ようとしている。
そんな中で仲間が、友達が彼の犠牲になってしまう。

これまでの主人公の相手は魔法ではあるものの、
火や剣を召喚したり、重力を操ったりと、
「筋力」でなんとなかる相手だ。
しかし、今回の相手は魔法で「脳」からの電気信号を遮断するものだ。
筋力でなんとかできるものではない。

そんな不利な相手にどう挑むのか。
「脊髄反射」である(笑)
シュークリームを取られるかもしれないという
無意識の防衛本能によって抵抗する姿は
本作の筋力がすべての主人公らしい戦い方だ。

敵に「人間じゃない」とすら言われる主人公、
魔法が絶対の世界でフィジカルだけで挑む主人公の姿は
爽快感すら感じるほどだ。

固定観念

「ばかばっかりだね、母さん」

魔法が全てだと思っているキャラクターが多い世界で、
そんな魔法というものにこの世界の人達は縛られている。
そんな世界を「フィジカル」だけでぶちこわすことで、
キャラクターの固定観念が崩れる。

魔法が全てだと思ったのに、才能こそ全てだと思ってたのに、
生まれこそすべてだと思ってたのに、
絶対に負けないと思ってた魔力すらない主人公に破れ、
自分では叶わない相手に主人公が拳1つで殴り倒し、
彼らの固定観念そのものが揺らぐ。

それがキャラクターの救いに繋がっている。
中盤以降はこのストーリー展開がパターン化している部分はあるものの、
マッシュルが魔法が使えないことがばれ、
彼も謎の組織に追われてることがわかり、
2期からストーリーももっと盛り上がりそうなだけに期待したいところだ。

総評:固定観念をぶち破る!

全体的に見てやりたいことがわかりやすい作品だ。
もし、ハリーポッターの世界にフィジカル最強のキャラが存在したら?
そんな世界観を下敷きに物語を展開しており、
「魔法」という名の才能に縛られたキャラと主人公が出会うことで、
彼らの固定観念が崩壊していき自由になる物語だ。

マッシュルという主人公もそんな、この世界の固定観念と戦っている。
ひょうひょうと無表情で何を考えてるかわからないような見た目だが、
心の中は熱く、友情と家族を大切にしている主人公であり、
ときには家族のために、ときには友のために動きながらも、
自分の存在が認められて、家族が安心して暮らせる世界を目指している。

ストーリー的にもかなりわかりやすくシンプルに作られており、
この手の少年漫画原作アニメとしては
展開としてはかなりベタな流れだ。
そこにハリーポッター的な世界観の露骨なパロディと、
ボボボーボ・ボーボボを彷彿とさせるギャグを盛り込んでいる。

ギャグに関しては好みが分かれる部分がありそうな感じだが、
ツボにはまれば笑えるだろう。
アニメーションとしてのクォリティは目に見張る部分は少なく、
同じジャンプ漫画原作の鬼滅の刃や呪術廻戦と比べると
やや見劣りはするものの、魅せべき部分はしっかりと見せている。

安定した1クールを展開しており、
2期にも期待したいところだ。

個人的な感想:夕方アニメ

昨今は配信サイトのおかげでいつでもどこでも
アニメが見れる時代になっており、
「放送枠」や「放送時間」というものはそこまで気にしなくても
いいのかもしれないが、この作品は深夜アニメというよりは
夕方アニメっぽい雰囲気のある作品だ。

子供も楽しめる作品なだけに、
深夜アニメではなく夕方、日5枠などで放送されれば
もう少し人気がでたかもしれないだけに残念だ。

その点は少し残念なところではあるものの、
少し懐かしい夕方アニメテイストを感じる作品を
久々に味わった感覚に慣れる作品だった。

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評価 ★★★☆☆(51点) 全12話 あらすじ レイ=ホワイトは強大すぎる自身の力に苦悩し、極東戦役を収めたのを最後に、深い心の傷と共に戦場から姿を消した……。引用- Wikipedia

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  1. ニク より:

    正直に言ってしまうと、2期などは良かったと思ったのですが、イノセントゼロとの最終決戦の前の五兄弟にやられた神覚者たちの扱いがちょっと酷すぎると思いましたね。もう少しどうにかならなかったものなのでしょうか。