「キリングバイツ」レビュー

評価 ★★★☆☆(55点) 全12話

あらすじ 都内某所、大学生・野本裕也は短期バイトで知り合った知人達に連れられ、夜道を歩く女子高生を誘拐するという犯罪計画の共犯に巻き込まれてしまう。引用- Wikipedia

頭の悪いテラフォーマー、コレは褒め言葉である。

原作は漫画な本作品。
監督は西片康人、制作はライデンフィルム

見出して感じるのはものすごくシンプルかつ分かりやすい世界観だろう。
この作品の世界では財閥による「賭け試合」が日夜行われている。
そんな賭け試合に参加しているのは獣人と呼ばれる獣の能力を得た人間だ。
参加している理由もシンプルに「金のため」であり、
死ぬ可能性すらある獣人同士の試合、「キリングバイツ」が描かれる。

余計な設定というのがない。
わかり易すぎる舞台設定でそこに理解出来ない設定は一切ない。
シンプルに獣の力を持ったキャラクター同士のバトルが描かれいる。
そのためだけの舞台設定であり、余計な肉付けが一切されていない。

似たような設定のテラフォーマーズは虫の力をキャラクターが持っていたが、
この作品はテラフォーマーズのような複雑な能力はない。
チーターだから足が速い、熊だから張り手、
ゴリラだから腕力がすごい、ワニだから噛み付く。
もう誰もが知ってる動物の特徴がそのまんま能力になっている。


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

言い方悪いが「三歳児」が見る「どうぶつずかん」に載ってるくらいの
動物の特徴をそのまま取り入れており、
キャラクターの見た目も動物そのままだ(笑)

蛇は下半身が蛇になり、カバは頭がカバになり、ゴリラは腕がゴリラになる。
わかり易すぎるデザインであり、それ以外のキャラのデザインも
「獣系コスプレ」みたいな外見だ。
見たまんま、動物そのまんまなデザインはデザインと呼べるかすらも謎だ。

だからこそ戦闘シーンもシンプルでいい。
噛みつき、絡みつき、殴り、蹴りと
プロレスのごとく肉体と肉体のぶつかりあいな戦闘シーンが多く、
そのすえの「肉体破壊」はグロさはあるものの、
ストレートな殴り合いのような戦闘シーンは爽快感にあふれている。


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

見ていてよくわからないということは一切ない。
見たまんまの戦闘シーンであり、見たまんまの展開だ。
ただヒロインが「ラテール」という知名度の低すぎる動物であり、
そんな知名度の低い動物がめちゃくちゃ強い。

毒は効かない、ライオンにも勝つと、
負け知らずな部分はやや納得の行かない部分があり、
Wikipediaによるとたしかに「ラテール」という動物はかなり強いようなのだが、他の動物に比べるとインパクトが薄い。

戦闘シーンも「やられたかのように見えたが実は大丈夫です!」
みたいなシーンが結構ある。
コレに関してはC級作品らしい展開とも言えるのだが、
明らかに身体がちぎれてるのに死んでなかったりするのはやや無理がある。


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

しかし、そんな無理がある部分や納得がいかない部分も
この作品は「勢い」と「ノリ」でうまく誤魔化している。
これでテンポが悪ければ作品のあらが目立ってしまっただろうが、
欠点を感じさせる前にテンポよくサクサクとストーリーが進んでいくため、
その勢い任せに欠点すらも気にならずに楽しめてしまう。

そんなはっきりって馬鹿みたいな舞台設定と
アホみたいにシンプルなキャラクター設定の夜中にやってるC級映画のような
作品には「エロ」がつきものだろう(笑)
当然、この作品もエロシーンはかなりある。


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

1話からレイプ未遂シーンから始まり、女性の露出狂が現れ、
ヒロインは常に下着姿のような格好でパンツ見せまくりだ。
中盤では女性キャラ同士のキスシーンなどもあり、
「一歩手前」の過激な描写も割とみられる。

ただ作品的に一歩手前で収める必要はないのではと感じる部分も多く、
正直言って「良い所で邪魔が入る」感じは否めない。
筋肉質な女性キャラのセクシー描写はやや好みが分かれる部分であり、
そういった過激なエロを求めるとやや肩透かしを食らうかもしれない。

キャラクターのクセも強い。
ストーリー的にはシンプルなバトルロワイヤルなだけに、
シンプルだからこそキャラのクセを強くすることで面白みを出しており、
「財閥」のお偉方の覇権争いも腹黒さの塊のようなキャラばかりで
見ていて愉快である(笑)


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

主人公も素晴らしい。
この作品の主人公は何の能力も持っていない。
1話でヒロインを襲った男共の知り合いなだけであり、
完全に巻き込まれただけだ。
正直、キャラクターデザインだけならすぐに死んでもおかしくないモブだ。

無能の極みのような外見と能力であり、
彼が活躍しそうな場面でも「思考停止」し、ヒロインの指示通りに動く。
もはやただ居るだけのやつなのだが、それがギャグにもなっており、
この作品のC級感あふれる雰囲気に最適な主人公だ。


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

作品内のキャラは「全力の他力本願」こそが彼の才能だと言ってるが、
結局は他力本願である。要は言い方の問題だ(笑)
作中の雰囲気やノリで一瞬ごまかされ主人公がかっこよく
見えなくはないのだが、あくまでごまかされてるに過ぎない。

ストーリー的には財閥同士の陰謀や権力争いなどもあるのだが、
唐突に話が進んであっさりとクーデターが成功したりと、
この作品らしいストーリー展開だ。
ただ1クールということもありストーリー的にはかなり中途半端に終わる。

海外ドラマの次のシーズンを見せるための1stシーズン最終話のような
気になりまくる展開で終わってしまっており、
原作では第二章という形で続いているようなのだが、
ちょっとモヤモヤットした感じで締めてしまっているのはやや残念な所だ


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

総評

全体的に見て決してこの作品は名作ではない、だが駄作でもない。
シンプルすぎる上にストレートすぎるストーリーと分かりやすい戦闘シーンは
深みなんてもののない肉体と肉体のぶつかりあいであり、
その戦いを描くためだけの舞台設定と極端なキャラ設定で話を盛り上げており、
バカバカしい感じはあるのだが、そのバカバカしさを惜しげもなく
全力で作品に注いでいる。

言うなれば愛すべきC級作品だ。
ツッコミどころや気にならない点が無いと言えば嘘になり、
高い評価ができるような作品ではないのだが、
「なんだかんだ」で最終話まで見てしまい、最終話まで見ると
「原作を読んでみるか」と思わせることに成功している。

明確にどこが面白いのかと言われると難しい。
だが、たまにはこういった勢い任せでバカバカしさのある作品も
悪くないと感じさせる「C級作品らしい」面白さを秘めた作品だ。
愛すべき駄作、B級やC級な作品も楽しめるという方にはたまらないだろう。

個人的にはちょっとだけ懐かしい深夜アニメのノリが合って楽しめた作品だ。
聖痕のクェイサーやクイーンズブレイド、
あの00年代後半の深夜アニメ特有のエロスやバカバカしさを秘めつつも、
しっかりと制作側が力を入れて描いているアニメであり、
最終話までしっかりと楽しんでしまった。


引用元:© 村田真哉・隅田かずあさ・HERO’S/キリングバイツ製作委員会

個人的な感想

個人的にはゴリラが大好きだったのだが、
お亡くなりになってしまったのが本当に残念だ。
なぜ彼は腕だけゴリラなのだろうか。
作品の内容を忘れたとしてもあの姿だけは
記憶に深く刻み込まれてしまった。

売り上げ的には231枚と大爆死(笑)
決して駄作ではないし見れば面白いのだが、キワモノではある。
もう1度見たいか?と言われると疑問であり、
売れないのは当たり前かもしれない。
だが、私のように原作を読みたくなった人も多いはずだ。
せめて原作の売上が伸びて奇跡的に2期があることを期待したい。

なおゲーム化の予定も合ったが中止になったようだ。
そもそも、なんでゲーム化しようとしたのか(苦笑)