龍 -RYO-

2014年1月23日

☆☆☆☆☆(10点)

龍 -RYO- 評価

25分
監督/千明孝一
声優/悠木碧,寿美菜子,藤原啓治,茅野愛衣,森川智之ほか

あらすじ
慶応2年(1866年)尊皇攘夷、倒幕、佐幕さまざまな思想・主義に日本が揺れていた時代。 恩人である坂本龍馬と中岡慎太郎を護れなかった事を強く悔やむ少年・RYOは、 嵐の蝦夷・江差沖にて座礁した五稜郭政府旗艦・開陽の傾く甲板で土方歳三と対峙する。

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良い意味でも悪い意味でもGONZOらしい作品

本作品はアニメミライ2013という企画で制作された4本の短編映画のうちの1本。
制作会社は「GONZO」。

基本的なストーリーはアクション。
時は幕末、親を亡くした少年「RYO」は大久保一蔵のもとで面倒を見てもらうことに。
同じ年代の子供とともに剣を学ぶ中で彼は「坂本龍馬」の護衛となる
というところからストーリーが始まる

冒頭からさすが、GONZOという感じは強い。
雨の中での木刀同士の戦闘シーンは無駄な動きが多すぎるものの目まぐるしく動き回る。
橋の上や川、町中での戦闘シーンはしっかりと「練られた」動きによる、
見ていて面白い戦闘シーンになっており幕末という時代設定を活かした背景の描写は素晴らしい

しかし、ストーリーの方も流石GONZO、出来が悪い(苦笑)
架空の登場人物である「RYO」の視線で坂本龍馬周辺の事件を描写するのだが、本当にそれだけだ。
前半はRYOと坂本龍馬の出会いを丁寧に描きすぎており、
そのせいで後半の実際の事件をRYOの視点で描くというストーリーが本当にそれだけになってしまっている
RYOが居たから歴史が変わるということや、面白いストーリー展開があるわけではない。

短編の25分という尺の使い方を明らかに間違えており、
冒頭で「土方」と「RYO」が船の上で対峙しているというシーンがあり、
当然物語終盤で描かれるのかと思っていたのだが、結局中途半端にしか描かれない
描かないのならば短い尺の中でなぜ、重要そうに冒頭で描かれたのかのかが分からない

前半でゆっくりと描きすぎてしまったせいで、後半は状況が一切わからないストーリー構成になっており
坂本龍馬とRYOが一緒に旅を刷るようになったかと思えば船の上で怯えて、そうかと思ったら京に行ってたり、
そうかと思えば1度も登場していない「高杉が死んだ」という事実が伝えられる(苦笑)
めちゃくちゃなストーリー構成と余計なシーンのせいでストーリーがわけわからなくなっており、
まるで出来の悪い総集編を見ているかのような内容だ
きちんとストーリーを締めず、放り投げっぱなしになってしまっているのは残念だ

全体的に見て短編アニメなのにGONZOの良さと悪さがぎゅっ!っと詰まった作品と言えるだろう
作画という面ではGONZOらしい質の高い戦闘シーンが描かれており
劇場スクリーンで見ても存分に楽しめる内容になっていた。
しかし、そんな作画の良さが「ストーリー」で生きてこず、
きちんと描けば面白くなりそうなストーリーではあるものの25分という尺のせいで
ダイジェストで総集編のようなストーリー構成でストーリーの面白さやキャラの魅力が伝わらない。

ちょっと大胆な想像ではあるが、NHKあたりで4クールくらいがっつりやれば面白そうだ。
RYOの視点で幕末の坂本龍馬の史実を描くという大河ドラマ的なストーリーは
しっかりした尺の中でこそ面白みが生まれそうだ。
キャラクターデザインも可愛らしい男の子とむさい男という腐女子ウケしそうなデザインなだけに
きっちりと作ればそういった層に「受けそう」な感じだ(笑)

だからこそ短編の中ではその面白さや魅力が断片的にしか伝わらず、
あまりにも投げやりなストーリー構成は作品としての評価を大きく下げる要因になってしまっていた
個人的には雰囲気やキャラクターは好きな部類で、ガッツリみたいなと思わせるポイントは随所にあった。
それだけに短編アニメという尺の中に無理矢理押し込めてしまったのが残念でならない。
というより、短編アニメということは最初から決まっているはずなのに
なぜこんなストーリーにしてしまったのか・・・(苦笑)

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