>目が、目がぁー!!!「機巧少女は傷つかない」レビュー

2014年1月23日

☆☆☆☆☆(7点)

機巧少女は傷つかない 評価

全12話
監督/よしもときんじ
声優/下野紘,原田ひとみ,小野友樹,花澤香菜,梶裕貴ほか

あらすじ
魔術によって人形に生命を吹き込み操る機巧魔術を扱う人形使いが存在する世界。機巧文明が隆盛を誇りながら世界大戦の影が見え隠れする20世紀初頭、人形使いの頂点――〈魔王〉を決める戦いである〈夜会〉が四年に一度の魔蝕の年に開かれていた。大英帝国にある機巧都市リヴァプールのヴァルプルギス王立学院で開催されるそれに参加するため、人形使いの少年・赤羽雷真は日本から留学してくる。

目が、目がぁー!!!

原作はライトノベルな本作品。
放送局によってはあからさまな修正が入ったりしているような作品だ

開始早々、胸のアップ&脚を開くというシーンが
流れ直後にヒロインの顔のアップ。
非常に「白光り」するヒロインは可愛い&エロい云々に
眩しいアニメという印象がついてしまう

これがヒロインだけならまだしも全キャラ、白くうすーく光っている。
画面の輝度や明度を思わず落としたくなるほど眩しいのはかなり問題だ
せっかくキャラクターが可愛い表情を見せても
まぶしすぎてまともに見ていられない。

1シーンの中に複数のキャラクターが居ると余計に白さ目立ち、
「画面から離れてみてください」と言われなくても画面から
離れてみないと目がきつい(苦笑)

見ている最中に「うぉーっ!白い・・・」と
何度か叫んでしまうほど白すぎるシーンも有った
幻想的な雰囲気や「妖精」のような特殊な存在が白光するなら分かるのだが、
ここまで白くするのは何の意図があるのだろうか?
見ている人に嫌がらせのような白光現象は意味不明だ
正直、「眩しい」という悪い評価をしたのはこの作品くらいだ

更にCG要素。
アクションシーンでCGを多用しているのだが、アニメを見ているというよりも
「ゲームの画面」を見ているような軽い感触のCGは絵に迫力がなく、
CGです!と主張するような3DCG感ばりばりのシーンだ
CGの欠点である「軽さ」は最近のアニメではだいぶ改善されていたが、
この作品のCGレベルはかなり低い

更にレベルだけではない演出も悪すぎる。
白光する画面だけではなく、戦闘シーンの演出が悪く「戦闘の内容」も面白みにかけ
戦闘シーンの見せ方が適当過ぎる。
CGを使った際の戦闘シーンで軽さを見せないような演出や、
カメラワークで軽さをごまかすような見せ方が必要なのだが、
この作品ではそんなことはしない。

流れるまま軽い戦闘シーンを画面に映し、
細かい動きのシーンはキャラの表情のアップでごまかし
早く動いてますよー風のエフェクトで早く見せかけ、
暗くすることでCGの質をごまかす。
そんな戦闘シーンには面白さや魅力がない。

そしてセクシー要素。
この作品のヒロインである「夜々」は主人公を大好きな機巧少女だ。
献身的に主人公に使えており、頻繁に彼に迫る。

迫り方は基本的に痴女的で何の恥じらいもなく脱ぎ、くっつき、
パンツ見せまくりで恥じらいなんてものはなく
絵的な可愛さは確かにあるが「キャラクターとしての魅力」がなく、
表面的な可愛さしか無い。

裸など色々見えているシーンもあるが、恥じらいがなく見えているだけ。
絵的なエロさを求めている人、好きな人はいいかもしれないが
キャラクターの魅力が伝わってこず、「はいエロです」と
淡々と提供されているような感覚だ

ストーリー的にも設定は「厨二病的なラノベ」だ。
主人公はワイズマンというものを目指しているのだが、
正確には魔王(ワイズマン)だ(苦笑)

その他にも魔術回路やら禁忌人形やらとこういった
ファンタジー的な厨二要素が多分に含まれる。
だが、この厨二設定自体はそこまで悪くなかったと感じる。
問題はその設定を活かすべきストーリーだろう

主人公は一族を皆殺しにした人物を探しており、
復讐するために魔術の学園に入学する。
復讐相手も入学早々見つけるが、実力差で叶わないと自覚する
ここまでのストーリー展開は王道で
新鮮さはないが今後のストーリー展開に期待できた
だが、その後のストーリー展開は終始微妙だ

学園内で事件が起きてそれを解決するような展開が基本となるのだが、
その事件の首謀者の動機や行動理由が「ふわっ」っとしており、
なんでそんな事件を起こしたのかがよくわからないまま主人公と戦って終わる。
敵もあっさりと倒された後に物語からは消えてしまったりする場合もあり、
小物感が非常に強い。

ストーリー構成もテンポも微妙だ。
敵と対峙しているにもかかわらずヒロインの過去をゆっくりと話し始めたり、
ぐだぐだと細かい説明をし出したりする。

その割には「肝心の設定」を説明しないせいで
ストーリーとストーリーの繋がりがよくわからなくなり、
何がどうなってどうなったかが終始「ふわふわ」とした描写になってしまっている
言葉で説明しなくてもいいところを言葉で説明し、
言葉で説明して欲しいところを画面で察しろ的な説明しかしない。
説明不足で「?」となる展開や要素も多い。

特に6話ラストは「???」と最もなりやすいところだろう。
それまでのストーリー展開で主人公と戦うのはフレイという女性だったはずだ
フレイは勝つために主人公の暗殺まで目論んでいた。
だが、なんやかんやあったあと何の脈絡もなく、
フレイの兄に切り替わっている(苦笑)

これでいきなり対戦相手が変わったことに主人公が驚くような反応があれば
その状況を理解するためのストーリーの余白が生まれるのに、
主人公は何の疑問もなく戦い出す。
次の話数でようやく説明が入るが、その理由を主人公は知らない。
知らないはずなのに対戦相手が変わったことに何の驚きもない

更に主人公や「夜々」は物凄い大怪我を頻繁にするのだが
あっさりと回復する点も疑問だろう。
一応作中で「主人公の回復力をヒロインに回すことが出来る」
ような設定があるのは分かり
その設定のお陰で主人公は回復が遅いという説明もあったはずなのに
あっさりと大怪我が回復していたりする。

主人公の元々の回復力が高く、
ヒロインの治療に回さない時は自分に回せるという設定があるのも分かるが
その設定の説明や描写が甘く矛盾した設定に見えやすい。
そもそも、その説明描写を省いているためふわふわっとしてしまっている。
回復力の設定云々以前に大怪我があっさりと治りすぎていて、
怪我しても緊迫感が出ないという欠点もあるが(苦笑)

毎夜のように「夜会」というバトルも展開されるのだが、
そのルールもふわっっとしており、終わったか終わってないのか
主人公が勝ったのか負けたのかよくわからないまま別のストーリーを挟み込むので
もう余計にストーリーについていけない。

結局何がどうなってどうなったのか、そして今はどういう状況なのか
理解するのに必死でキャラクターに対する感情移入や
ストーリーに対する感想が思いつかない、
本当に話と話のつながりが甘く、
1話飛ばしてみてしまったか!?と何回か思ってしまうほどだ

そもそも主人公が無条件に色々な厄介事に突っ込むため話をややこしくしている。
メインのストーリーである復讐劇はとりあえず忘れてヒロインを助けつつ
思い出したかのように夜会という大会に参加したかと思えば、
なんかムカついた相手倒しに行ったかと思えば、夜会に参加していたりする。
説明不足のまま状況が切り替わりまくり、余計にストーリーがわからなくなっている。

ストーリーのテンポも悪い。
そんなに複雑なストーリーや内容がある展開ではないのにテンポが悪いせいで
1つ1つの話やシーンが間延びしており、
余計な展開をストーリーとストーリーの間に入れて
素直にキャラクターへの感情移入やストーリーを楽しまさせてくれない。

下ネタも何の脈絡もなく唐突に入れられ、同じようなヒロインの嫉妬展開も多いため
余計にテンポが悪くなっている

主人公や男性キャラが「かっこつける」シーンも有るのだが終始滑りっぱなしだ。
よくわからないストーリー展開で勝手に盛り上がってかっこつけシーンを出されても
そのかっこよさが滑っている感じにしかなっておらず、
物語としての熱さや盛り上がりが見ている側に全然伝わってこない

全体的に見てこれほど「アニメ化に失敗した」作品はめったにない。
原作でも説明不足な点はおそらくあるのだろうが、
それ以上にアニメでは説明を削っているせいで原作をしっかり読まないと
わからない部分や原作の先の話を知らないとわからない部分を
余計にわかりづらくしている。

ストーリー構成がきちんとできていないため、閑話休題的な休憩の話が一切なく
忙しいストーリー展開の割に説明不足で展開の繋がりが甘いせいで
毎話飛ばして見るような感覚になってしまっている。

戦闘シーンもレベルの低いCGをごまかすために
暗いシーンばかりでエフェクトでごまかしてばかり。
レベルの低い戦闘シーンを普通の戦闘シーンのように見せかけているわりには
暗い、エフェクトでごまかすといった手の内がわかりきってしまっているため
底の浅い戦闘シーンを何度も見せられているような感覚になる
これがどうでもいい戦闘シーンならまだ許せたが最終話の戦闘シーンまで
ハリボテの戦闘シーンを見せられたのは呆れ果ててしまった

キャラクターの魅力も「夜々」は確かに可愛いが上っ面だけだ。
ストーリーの中で彼女の下ネタが邪魔をするせいでテンポが悪くなってしまっており、
そのほかのキャラクターも出すだけ出して掘り下げが甘く魅力がない。
ストーリーの中でキャラクターが全く生きてこず、
白く光っているだけの印象しかつかつかなかった。

2クールで制作されていれば印象が変わったかもしれない。
説明不足な点を2クールという尺ならば後の話数で説明されたり
尺の余裕が生まれ説明できるシーンも有っただろう

「あれはそういうことだったのか」というような面白さが出たかもしれないが、
1クールという尺では説明不足過ぎてわけがわからなくなってしまっている
1クールという尺に限られているのならば
もう少しきちんとしたストーリー構成をするべきだった。

これほどわかりやすく「アニメ化失敗」と感じる作品はめったにない
本来なら2期へ繋げるようなラノベアニメらしい投げたストーリーで終わっているため
先が気になる!原作を読むか!というような気持ちが起こるはずなのだが、
この作品ではそんな気持ちは一切起きない(苦笑)

2期があっても1期を見なおさないとストーリーを全て忘れていそうなのため
2期がないことを祈りたい。