「賢者の弟子を名乗る賢者」レビュー

ファンタジー
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評価 ☆☆☆☆☆(6点) 全12話

あらすじ ある日、気まぐれから使用アバターをリメイクして遊んでいた鑑は、己の性癖全開の女性アバターを作成した後に徹夜疲れからキャンセルせず寝落ちしてしまうが、目を覚ますとそこは今までのゲーム世界とは異なる現実となった『アーク・アース オンライン』の世界であった。しかも、己の姿が慣れ親しんだ渋く老練とした威厳ある男性ではなく、戯れで作成していた可憐な少女になってしまっている事実に気付く。引用- Wikipedia

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無慈悲

原作は「小説家になろう」で連載されていた小説作品。
連載は2012年から続いており、いわゆるなろう系作品の中では古株の作品だ。
監督は元永慶太郎、制作はstudio A-CAT

説明

1話冒頭、わかりやすい世界観の説明から入る。
主人公がプレイしているゲームは「VRMMO」であり、
自由なゲーム性を売りにしているゲームらしい。

しかし、実際にアニメとしてえがれている内容は
「VRMMO」というよりも、普通のMMOであり、
「VR」要素は一体どこにあるのだろうか?と思うほど
描かれているゲームのUIがふるすぎる。

制作側に誰かVRゲームをプレイした人は居ないのだろうか?と
疑問に思うほどベタなMMOゲームの画面描写は
アニメーションとしての面白みを感じず、
しかも、大して面白くもない説明を3分近く聞かされる。

簡単に言えば、このゲームは戦士が強く魔法が弱い。
シンプルに運営側の調整不足なのだが、
魔法使い系の職業のプレイヤーは魔法使いだけの国を作り、
そこに9賢者と呼ばれる存在が居る。
その中の一人が主人公である「ダンブルフ」だ。

この説明自体はわかりやすくはあるものの、グダグダであり、
9賢者に関しても1クールでほとんど出てこないのに、
わざわざ一人ひとりをアピールするシーンまであり、
致命的なまでにテンポが死んでいる。

3分近くもナレーションによる説明をし、
それが終わってようやくOPが流れる。
1話の冒頭の時点で思わず「倍速再生」に手を出したくなるほど
ぐだぐだの極みだ。

グダグダグダグダ…

ようやく本編が始まってもグダグダだ。
1シーン1シーンが余計なシーンや演出で間延びしており、
わざとか?と思うほど露骨な尺稼ぎをしている。

調べた所、この1話の内容はコミカライズでは数ページしかない話を
アニメにしているようで、そのせいでグダグダだ。
本来ならAパートで終わるような話を30分尺にしてるせいで
こんなテンポの悪さが生まれている。

主人公が王から魔物の討伐を依頼され討伐しに行く。
そんな討伐しに行く過程で色々なキャラがいちいち話しかけ、
9賢者の状況を教えてくる。
その状況もいちいち場面転換して描くため、余計にテンポが崩れ、
もういいから早く街を出てくれと思うほどのグダグダっぷりだ。

1話の段階から9賢者といい、主人公に使えるNPCたちといい、
大量のキャラをドバドバドバドバ無意味に出しており、
ろくに印象に残らない。
街を出るまでに1話の尺のうちの6分も使っており、
本当にグダグダだ。

CG

いざ主人公が魔物を討伐しにいっても、なんの盛り上がりも生まれない。
特にひどいのがCGのクォリティだ。
主人公は召喚術を使い大量のモンスターを召喚し戦うのだが、
敵も味方もモンスターは基本的にCGで描かれており、
このCGのクォリティが本当にひどい。

CGはかつては制作費がかかり制作の時間もかかるため
多用されることは少なかったが、昨今ではコンピュータと技術の進化に伴い、
CGも以前に比べて安価で手軽に使えるものになってきた。
だからこそ、アニメでもフルCGのアニメも多くなり、
部分的にCGを使う作品も増えてきた。

しかし、そんなCGを作品をより面白くなるために使う作品がある一方で、
この作品のように「予算」を削減するために使う作品もある。
それが露骨に現れてしまっている。
モンスターデザインの悪さ、テクスチャの適当さ、動きの適当さもあいまり、
戦闘シーンのクォリティが見ていられないほど低い。

わし、かわいい

この作品はいわゆる「TS」要素のある作品だ。
主人公は気づいたらゲームの中になぜか「幼女の姿」で入り込んでいる。
そんなシーンを1話のラスト5分で描くのだが、なぜか台詞が一切ない。
ゲームの中に入って五感のある驚き、裸であることの驚き、
色々とリアクションをしているのだが一切台詞はない。

風景をだらーっとみせ、ダラダラダラ旅をする様子を見せる。
この作品の得意なことは尺稼ぎだ。いかに尺を稼ぐか。
それしか考えていない。
あえて声を出さない演出をすることで、1話ラストで自分自身を見て
自分の可愛さに気づき「わし、かわいい」という台詞を強調したいのはわかる。

だが、それがまるで効果的ではない。
本来ならこの1話の内容はAパートだけで片付くような内容だ。
コミカライズで12ページしか無いような内容だから当たり前だ。
そこを膨らませればこんなグダグダになることはわかってるはずなのに、
こんな有様に鳴ってしまっている。

本当に禁断の倍速再生ボタンを押すかどうか最後の最後まで
迷ってしまうような1話だ。

1話でやってほしい…

2話で1話ラスト5分の状況説明が入る。
主人公は「キャラメイク」をして寝落ちした結果、
老人の姿から幼女の姿でゲームの世界に入り込んでおり、
なぜか「30年」も時間が経過しており、NPCも意思を持っている。
それに関しては一切、キャラクターたちもわかっていない。

こういう説明に関してもいちいち場面転換をはさみながら、
同じプレイヤーに30年間で何が起きたのかや状況説明をしつつ、
NPCに会いに行く主人公のシーンを交互に描いており、
テンポが崩れている。

テンポの悪さは2話以降も変わらないものの、
ストーリーの方向性ははっきりとしている。
主人公は賢者の「弟子」を名乗り、
行方不明になっている残りの9賢者を探すことになる。

ブロック…?

戦闘シーンも1話と同じく、モンスターは基本CGで描かれており、
低クォリティなCGで描かれているモンスターとの戦闘シーンは
一切盛り上がりが生まれない。
本来なら主人公の「賢者の孫」としての強さを描くシーンではあるのだが、
エフェクトの適当さ、CGの低クォリティさもあいまって、
もう見ていられないほどだ。

主人公も基本的に「召喚術」で戦うため、
モンスターVSモンスターのシーンも多いせいで、
余計にCGのクォリティの低さが目立ってしまっている。

それだけならまだしも、例えば主人公が召喚したモンスターに
敵のモンスターが切られるシーンが有る。その切られた後が問題だ。
この世界は一応ゲームの世界であるものの、
切られた後の肉片がまるで「ブロック」のようになっており、
ため息が出るほどのクォリティの低さに苦笑いしか出ない。

サクサク…

間の悪いシーンや場面転換の多さはあるものの、
ストーリーの展開自体は無駄にサクサクだ。
ぽっと出のキャラ出会い、そのキャラの問題を主人公が
解決したりするのだが、間は悪いのに展開自体はサクサクのせいで
そんなぽっと出のキャラになんの愛着も生まれない。

そんな愛着の持てないキャラのお涙頂戴エピソードを描かれても、
特に涙腺も刺激もされないのに、キャラクターたちは泣いている。
見ている側とキャラたちの感情が強烈に剥離してしまっている。

1話の謎のアニオリストーリーで拒絶感が生まれ、
いざ原作の内容をやっても、原作の細かい部分をカットしているんだろうなと
感じてしまうほど、適当なストーリー構成にしているせいで、
ストーリーの面白さ、キャラクターの魅力が感じられない。
一言で言えば流れ作業だ。

制作側がこの作品を面白いものにしようとしていない。
流れ作業でこの作品を作っているのではないか?と思うほど
ストーリーの面白さ、戦闘シーンの面白さ、
キャラクターの魅力を「アニメ」という媒体で表現できていない。

4話

ただ、1話に比べればテンポが改善された部分や、
「ミラ」という主人公の外見的な可愛さもあり、
感情は揺さぶられないものの淡々と見てしまう魅力がないとはいえない。
しかし、致命的なのは4話だ。

なにせもう制作側のやる気が感じられない。
ダンジョンの中を歩きながら会話をしているというシーンなのだが、
そんなシーンですら「止め絵」だ。
「歩く」作画を描く予算もスケジュールもやる気もなかったのだろう。
作画崩壊よりはマシなのかもしれないが、歩く作画すらカットなのがこの作品だ。

一人か2人が画面に写ってるシーンは動く、
しかし、3人以上のシーンに鳴ると途端に動かなくなり、
背景をカメラで舐め回すように写したりして、
作画枚数をごまかしまくるシーンが目立ちまくりだ。
そもそもの作画のクォリティも低いのに止め絵を挟まれることで、
シンプルに見ていて萎える。

戦闘シーンも本当に盛り上がらない。
召喚術師である主人公が自らの身体で戦う、
そんな初めてのシーンですら「文字」を大きく画面に映し出すだけだ。
予算やスケジュールの都合もあるのかもしれないが、
もう少しなんとかならなかったのかと思うほどシンプルにひどい。

サイドクエスト

本来はゲームの世界で幼女になってしまった戸惑いや、
「ミラ」という主人公の見た目の可愛さが売りの作品であることはわかる。
定期的に挟まれるトイレシーンや、パンチラや半裸などのセクシーなシーンもあるものの、
そういったシーンにおけるフェチズムやこだわりもなく、
ただただ、描いてるだけだ。

序盤こそ彼女の作画だけはなんとか保っているシーンが多いが、
中盤からは彼女の作画のクォリティも下がってしまう。
理由はわからないものの、戦闘シーンの中で
全くもって雰囲気にあっていない挿入歌が流れることもあり、
色々となにがしたいのか意味不明だ。

本来は彼女の可愛さ、魅力をアピールするシーンが
もっとあってもいいはずなのに、序盤から中盤までまるでない。
どうでもいいモブキャラや、ぽっとでのキャラを見せられても、
肝心の主人公の魅力を感じてない状態で、
数話しかでないキャラを描かれても微妙だ。

一応目的としては9賢者を探してはいるのだが、ろくにみつからない。
手がかりは見つかるものの、一人はミラがいないところに
現れるもののどこかへ消えてそのままだ。

せっかく1話の冒頭でわざわざ尺を使って紹介したのに、
9賢者のほとんどが見つからない。
そのせいもありメインストーリーがほとんど進まず、
MMOでいえば「サイドクエスト」ばかりをやっているような印象だ。

大体がそのクエストごとに仲間になるキャラがおり、
そんなキャラが主人公の凄さを持ち上げ、
なんやかんやあって魔物を倒して解決という
似たような展開も多い。

ミラ

なんとか途中で見るのを止めずに見ていられるのは
「ミラ」という主人公に嫌悪感がないからだろう。
なろう系作品の場合はイキったり、自分の強さに無自覚だったりと
イラっとする主人公が多いが、このミラという主人公は不快感がない。

だからこそ、もっと丁寧に彼女の魅力を感じさせてくれる
作品だったのならば作品全体の印象はだいぶ違っただろう。
彼女の魅力よりも謎の挿入歌を歌う新人歌手を推すために、
召喚した魔物が40秒以上歌うようなシーンのほうを優先している。
本末転倒だ。

10話など動物とたわむれたり、冒険をする
彼女の可愛さを堪能する回なのはわかる。
だが、淡々とした展開や作画の悪さも相まって
本来の魅力を出し切れておらず、作画崩壊しそうでしない作画を
淡々と眺めるだけにすぎない。

1話のあの怒涛のテンポはなんだったんだと言いたくなるほど
各話がひどく薄味だ。

終盤

終盤になっても作画の酷さは変わらず。
日常シーンでさえ止め絵の連発でろくに動かず、
戦闘シーンのCGも本当にひどく、六に動かない。
ストーリー的にも9賢者も見つからずにサイドクエストばかりをやっている。
終盤で謎の石田彰キャラが出てきていろいろなことを匂わせることを
いうものの、それが1クールで解決することもない。

最終話は1話と同じく、1万の魔物相手に戦うことになるものの、
最終話でもどうでもいいシーンが多い。
肝心の戦闘シーンも最終話だからといってよくなるわけでもない。
止め絵やアップ、エフェクトを多用しなんとか作り上げている。

一応「レイドボス」という盛り上がりどころはあるのだが、
また雰囲気にあっていない挿入歌は流すわ、
アニメーションのクォリティもお察しレベルであり、
盛り上がりどころのはずなのに盛り上がらずに終わってしまう。

結局、9賢者は誰一人見つからぬままワシらの戦いはこれからだで終わる。

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総評:無慈悲

全体的にみてひどい作品だ。
1話のアニオリ全開のグダグダな始まりから、
作品全体のアニメーションのクォリティの低さ、手抜きCG、
サイドクエストばかりのストーリー展開とこの作品の
本来はあるであろう面白さをまるで感じない。

原作は10年以上連載しており、コミカライズも人気の作品だ。
それだけ多くのファンが居る作品にも関わらず、
なぜこんな出来栄えの作品になってしまうのか残念でしかない。
本来は「ミラ」という主人公の可愛さを楽しむアニメなのはわかる、
その可愛さを描きつつ徐々に9賢者を探し、世界の謎を紐解いていくのだろう。

しかし、その内容どうこう以前の問題だ。
予算かスケジュール、もしくはその両方がギリギリだったのはわかる。
もっと丁寧に予算をかけてアニメ化すれば一定の評価が得られたかもしれないだけに、
こんな作品になってしまったことが残念でならない作品だった。

個人的な感想:うん…

1クール、本当にギリギリだった。
何度倍速再生のボタンをおそうかと悩んだことか、
本当にギリギリ倍速再生ボタンを押さなかったのは
この作品の本来の面白さの魅力を感じられるかもしれないという
一抹の希望があったかもしれない。見事に裏切られたが。

2期があるかどうかは分からないが、
もし2期があるならば、倍の予算で作ってあげてほしいと思う作品だった

「賢者の弟子を名乗る賢者」は面白い?つまらない?

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  1. 社会不適合者のNS極 より:

    2期絶対来んやろ。
    来たら来たで大炎上するのが容易に想像できる。

    1.0 rating