「ディバインゲート」レビュー

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ファンタジー

評価 ☆☆☆☆☆(1点) 全12話

あらすじ 聖なる扉「ディバインゲート」が開かれたことにより、<常界><天界><魔界>3つの世界が交わり、欲望や争いの交錯する混沌が訪れた時代。秩序回復のために支配層は「世界評議会」を結成。統制されたかりそめの平穏のもとで、「ディバインゲート」は誰もその実体を知らぬ都市伝説と化した。引用- Wikipedia

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総勢32人のキャラ、一人あたり平均7分30秒で掘り下げられるわけ無い

原作はパズドラなどでお馴染みのガンホーによるソーシャルゲーム。
監督は阿部記之、制作はtsudioぴえろ。
なおアニメは2016年に放映され、放映終了時にレビューしたが、
2018年12月に原作ゲームがサービス終了してしまったため、
追悼の意も含め再レビューしてみることにした。

ポエミー全開


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

いきなりポエミーなセリフから喋りだす。
陰鬱な雰囲気は面白そうというよりも「暗い」というマイナスな印象が残り、
回りくどいセリフのナレーションは詩的な表現もあいまって
この作品に強い拒否感を与えてくれる。

更に展開も慌ただしい。
サラリーマンのおっさんが電車の中で暴れだしたかと思えば、
右手に燃える武器を持ち
「お前、ディバインゲートを信じてるか?」
と世界観の説明をしてくれる、サラリーマンのおっさんが(笑)

簡単に言えば3つの世界が融合したことで、特定の人間は力に目覚め、
力に目覚めた人間は全ての願いが叶うという
「ディバインゲート」にいざなわれている。

原作ゲームをやっていてれば何とか把握できるかもしれないが、
1話から情報量が非常に多く、ついていけない人も多いだろう。
ゲーム内の用語や設定を何の説明もせずに登場人物たちが使いまくり、
置いてけぼりだ。

そんなただでさえ分かりづらい内容なのに大量の登場人物が出る。
1話の時点で12人も出るのは異様としかいいようがない。
世界観も把握できなければ登場人物も把握できない。
暗い雰囲気とすかした演出もあいまって、
原作のゲームでも分かりづらい要素を更に分かりづらくしている。

暗いストーリー


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

ストーリーもご丁寧に一人一人のキャラクターの過去を描写しつつ、
キャラクターの掘り下げをおこなっているのだが、常に暗い。
この作品はタイトル通り「ディバインゲート」というものにたどり着くために
登場人物が群雄割拠している。

ディバインゲートはドラゴンボールのように、
扉の先に進めば望みが叶うという感じのものだ。
陰鬱な空気の中で大量の登場人物がディバインゲートにたどり着くために
右往左往する。

なぜ彼らが「ディバインゲート」を求めるのか。
それぞれの過去は暗く重い。それを毎話毎話同じように見せられる。
登場キャラの暗い過去だけを淡々と見せられ、
登場人物たちもギスギスイライラしているため余計に重い。

分かりづらい世界観の設定と登場キャラの多さ、
そこにポエミーなナレーションも相まって
「面白い」とは素直に感じられない。

多すぎる登場人物


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

この作品は1クールで全12話の作品だ。
そんな尺の中に「32人」ものキャラクターが出ている。
1話20分として全12話で240分。
一人一人に平等に時間が与えられるとしても
一人あたりを描写できる時間は7分30秒しかない。

単純に計算しただけでも明らかに登場人物が多く、
全ての登場人物を掘り下げるには明らかに尺が足りない。
原作ファンのことを考えてなるべくキャラを出そうとしたのは分かる、
だが、1クールという尺を考えればせめて10人位は削っても良いはずだ。
終わった後に名前を覚えていないキャラクターも大量におり、
「結局あのキャラはなんだったんだ」と感じるキャラも多い。

見終わった後に知ったのだが、こんなに大量の登場人物がいるのに
狂言回し的なアニメオリジナルキャラクターを追加している。
これだけのキャラが居るのに更にアニオリキャラを追加するのは
意味不明だ。

見ごたえのない戦闘シーン


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

一応能力バトル的な要素もあるだけに戦闘シーンも当然ある。
しかし、3DCGを多用しすぎており、アニメというよりは
RPGの戦闘シーンを見ているような感じだ。
演出の力不足のせいでCGの欠点である「重さ」の演出ができておらず、
ストーリーは重いのに戦闘シーンが軽い。

戦闘シーンも短いため見どころというのは薄い。
ストーリーを進めることとキャラクターを描写するのに必死で、
戦闘シーンを描けるほどの尺がない。
話が進むほどに明らかに作画の質も落ちてくるので目も当てられない。

印象に残る戦闘シーンというのはこの作品にはない。

遅いストーリー展開


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

ストーリー展開も遅い。
登場人物がぐだぐだと悩み、ぐだぐだと考えるためテンポが悪く、
爽快感のあるシーンも極端に少ないため、常に暗く常に重い。
相当に原作ゲームに対する愛着がなければ面白いと感じられるシーンが少ない。

色々な人物の過去や悩み、そこからディバインゲートを求めるというのは
分かるが、色々なキャラクターを絡めながらストーリーを進行するため、
ややこしいうえに展開が遅い。
世界観も把握できない状況がだらーっと続いてしまう。

おそらく最後まで見ても「よくわからない」という人はいるはずだ。
完璧に理解するためにはwikipediaや原作ゲームをやらなければ
補完しきれない要素が多い。
展開が遅い割には説明不足というのは致命的だ。
各要素や設定が「なんとなく」しかわからない

追加要員


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

話が進んでくるとどんどんキャラが追加される。
明らかに掘り下げ不足のキャラも多く、
「ポエミー」なセリフで紹介されることもあるのだが、
ポエミーなセリフが一切キャラ紹介になっていない。

一回出るとしばらく出ないキャラも多く、
明らかに多くのキャラを持て余しているうえに、
ろくに名前すら紹介されないキャラクターもいる。
中盤、7話になってようやく「ディバインゲート」を
みんなで目指そう!という話になる。正直遅い。

その「みんな」の中の数人は名前すら知らない。
しかも、ディバインゲートを目指す道中には「敵キャラ」も現れる。
更にキャラの追加だ。
もういいかげんにしろと思うほどにキャラが追加される。
キャラクターという名の無限地獄だ。

掘り下げの甘いキャラはどんどん殺されるので、余計に使い捨て感がすごい。
キャラが増えすぎたので減らしました感が凄い。
7話だけで「12人」も殺す作品などこの作品くらいだろう。
死ぬシーンで初めてキャラクターの名前が分かるキャラも居る。
やり方があまりにも雑だ。

終盤


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

終盤になるとさらにキャラが追加される(苦笑)
総勢32人のキャラを出すためには仕方ないのかもしれないが、
もはやいい加減にしろと思うほどのキャラ数だ。
サブキャラでしかなかったキャラが実は重要人物だったという展開もあるが、
そもそも、そのキャラ自体に何の思い入れもないため衝撃は薄い。

ぽっと出のキャラも次々と死ぬが、ぽっと出なので心底どうでもいい。
というよりも「死ぬため」に出てきただけのキャラがあまりにも多い。
キャラクターの行動理由も「なんで、こいつはこんなことしてるんだっけ?」と
終盤になってもよくわからないキャラも居る。
最後になっても「誰」かよくわからんやつもいる。

結局ストーリー的にも最悪だ。
最終話にしてようやく肝心のディバインゲートの目の前まで来る。
だが通らない(苦笑)
「神様みたいに何でもできる存在になったら意味がないな!」と
その結論をもっと早く出せないキャラクターばかりだ。

しかも「死んだと思ったキャラクター」がほとんど生きている。
ますます意味がわからない。
まったくもって意味がわからないままに最終話が終わる。

総評:企画段階から無理があった


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

全体的に見て1クールで32人のキャラを出すという時点で
失敗が決まってしまったような作品だ。
明らかに捌き切れない大量の登場人物を名前も立ち位置もわからぬままに
見せられている感じが強く、
原作ゲームをやっていてキャラクターのことをわかっている前提で
ストーリーが作られているのは正直厳しい。

1クールの作品だが総集編映画を見せられたような感覚だ。
最後までストーリーを何とか見続けても、
視聴者ほうっておけぼりの超展開と、
ディバインゲートを目の前にしても通らず、
2期を匂わすような展開は呆れ果てるしかない。

見終わった後の「あれはなんだったんだ」という要素があまりにも多く、
この作品を最後まで見た視聴者がディバインゲートをくぐって、
この作品の視聴時間を取り戻したくなるような作品だった。

個人的な評価:3年越しの再視聴


引用元:©GungHo Online Entertainment,Inc./Divine Gate World Council

2016年の作品だが2度目の視聴だ。
私の中で「ディバインゲート」はソシャゲ原作のアニメ化として
わかりやすい失敗例として何度かレビューでも出していたが、
3年越しに見たら少し評価が変わるかもしれないと思ったが、
3年前とほぼ変わらないところか酷さが余計にわかってしまった。

1クールという尺が決まっている中で
全キャラを出すという前提があったかもしれないが、
もう少し色々とどうにかならなかったのだろうかと
嘆きたくなるような作品だ。

もし今から見るような酔狂な方がいるならば1話の段階で判断すべきだ。
だんだん面白くなるというような作品では決してない。
原作も終わってしまったので余計にこの作品の視聴ハードルは上がった。
なにせアニメでわからない部分を原作をやって補完することもできない。

原作ゲームがサービス終了してしまったことで
より評価が落ちてしまった作品だ。

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