「グリムノーツ The Animation」レビュー

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ファンタジー

評価 ★☆☆☆☆(16点) 全12話

あらすじ 人々は生まれたとき1冊の本を与えられる。生まれてから死ぬまで”運命の書”に記載された脚本の通りに生きる宿命。引用- Wikipedia

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元ネタが分かる作品は楽しめない

原作はソーシャルゲームな本作品。
監督は菅原静貴、制作はブレインズ・ベース。

大切なはずの1話


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

アニメにおいて1話は大切だ。
最近は同時期に40本以上のアニメが放映され、ライバルが多い。
そんな中で「序盤のつかみ」というのは1クールで最も意識スべき部分だ。
しかし、そんなつかみをこの作品は外す。

1話早々に何の説明もないままに主人公が戦っている。
どこかもわからない場所で、どこの誰だか知らないキャラが大量に現れ、
よくわからない敵と戦っている。
「運命の書の内容が歪められてるんだ」とモブキャラが言うが、
その運命の書が何なのかはこちらは知らない。

簡単に言えば原作を知ってる前提の作りだ。
ソシャゲ原作のアニメはソシャゲの宣伝も兼ねている部分も大きいが、
こんな初見お断りみたいな作り方はちょっと意味がわからない。
1話は「赤ずきん」の話をしているようなのだが、
これは原作の最初の部分の話ではないらしい。

ますます意味がわからない。
登場人物も妙に「早口」で説明口調でしゃべるのも気になるところであり、
よくわからない世界観の中でよくわからない登場人物たちが、
よくわからない固有名詞を混じりつつストーリーを進めても、
ついていけない。

旅の始まりをなぜ描かない


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

この作品は簡単に言えば「童話」の世界を旅している。
童話の世界は物語ごとに別れており、
同じ物語を繰り返し続けている。

しかし、登場人物の不満が募ると物語の運命を壊そうとするものが現れる。
童話の世界ごとに物語の運命を壊そうとしてるものを探し、
主人公たちが倒している。文章で説明すると物凄くシンプルだ。

その「主人公」がどうして旅をしていているのかという点が
3話まで進まないと描かれない。多くの視聴者を1話ないし
2話で失っただろう。説明が遅い。
なぜ物語の始まりを1話から描かずに3話で描いてしまうのか、
謎でしかない。

原作をやってない人からすれば
「原作をやっていないとわからないのかな?」と思ってしまい、
拒否感が出るのは当たり前だ。

オリジナル性


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

この作品にオリジナル性を感じない。
上記の世界観の説明を見ればピンと来る方もいるはずだが、
これは「月光条例」だ。
月光条例は「からくりサーカス」で有名な藤田和日郎氏による作品だ。

月光条例もおかしくなってしまった童話の登場人物が
現実世界に飛び出してきて見つけ出し、
倒して元の世界に返すという感じの作品だった。
主人公の正体が明らかになってくるあたりから、
ものすごく面白くなってくる。

この作品はその「月光条例」のパクリでしかない。
しかも、練り込みが甘く「読み手の世界」が描かれないため、
月光条例より浅い劣化コピーだ。

なんで変身?


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

当然、この作品は戦闘シーンがある。だが意味不明だ。
なぜか主人公たちは「別の童話のキャラ」に変身して戦う。
ふしぎの国のアリスだったり、シンデレラだったり、ロビンフッドだったり。
ロビンフッドはまだ理解できる。物語的にも弓の名手だ。

意味がわからないのはシンデレラとアリスだ。
童話の中の登場人物の力を借りて変身するというのは納得できるが、
物語的に戦闘要素など一切ない「アリス」や「シンデレラ」のちからを
借りる意味がまるで理解できない。

例えばシンデレラは魔法のようなものを使う。
これでシンデレラの中に出てくる魔女のようにかぼちゃの馬車を
出したり、ガラスの靴ではなく剣的なのを出すならばまだ理解できる。
だが「ガラスの靴は砕けない!」と言いつつ回復魔法を放つ、
意味不明だ。

主人公が変身するのは「アリス」だが、
「レディーの嗜み教えてあげる!」と言ったかと思えば、
ワンダーラビリンスと叫びつつ持ってる剣で突く。
もう意味がわからない。

変身する必要性もよくわからないのに、
変身した童話のキャラの特性がまるで生かされていない。
もっと戦闘向きの童話のキャラは多く存在するのに、
なぜか戦闘に不向きのキャラに変身する意味が謎でしかない。

そもそも色々な「世界」を回って、そこで出会った人物に
変身して戦うというのは「仮面ライダーディケイド」と
同じような設定だ。
月光条例もそうだが、そういった元ネタが透けて
見えるのはこの作品の最大の欠点だ。

主人公


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

3話にしてようやく「主人公」のことが説明される。
童話の世界であるこの世界ではみな「運命の書」と呼ばれる
自分の運命が決まった本をもらっている。
だが、主人公の本には何もかかれていない。

そんな中で主人公は森のなかで化物と戦う少女に出会い世界の秘密を知り、
幼馴染である「シンデレラ」に危険が迫ってることを知る。
この話をなぜ1話でやらないのか謎でしかない。
説明口調全開で2話かけて、この作品の世界観や設定、
主人公が旅立った理由が明らかになる。

正直「ソシャゲのシステム」の説明感全開であり、面白くはない。
序盤の段階なら、この説明全開なセリフは気にならなかったかもしれないが、
中盤に差し掛かる4話になっても説明してるのは
なんだかなーという感じだ。

男の子の主人公が「アリス」という女の子に変身するという
驚きも、1話と2話で彼が変身するところを見てるので、
何の新鮮味もない。これが1話だったらと嘆かざる得ない3話と4話だ。

成長や変化が見えない


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

5話以降やってることが同じだ。
色々な童話の世界に行って、問題を起こしてる人物を探し倒し、
その世界を正常な状態に戻す。
だが、やってることが「童話の世界」が違うだけでほぼ同じであり、
その中でキャラクターの「成長」や「変化」がまるで見えてこない。

主人公の仲間たちは主人公たちと同じ
「何も書かれてない運命の書」を持っている。
童話の世界の中では異質な彼らの存在が何故生まれるのか?
という根本的な部分が明かされない。

童話の世界をおかしくしている黒幕などもいるのだが、
話が進んでるようで進んでいない。

終盤


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

終盤になると焦ったようにストーリーを進める。
最終話で今まで暗躍してた黒幕が自分の目的をペラペラと
わざわざ喋ってくれる。
そこまでならまだいいのだが、敵との最後の戦いで主人公たちが苦戦する中、
いきなり主人公が「作者」に変身してやっつけて終わりだ。

何の脈絡もない主人公の変身にはまるでついていけず、
なぜ主人公が童話の登場人物ではなく作者に変身できたのか?は謎のまま、
敵の組織?である「フォルテム教団」も正体もわからず壊滅すらしてない。
なら中盤の同じような繰り返しをしてる部分を削って、
もう少しそこを深く掘り下げても良かったはずだ。

結局は「俺たちの戦いはこれからだ」で終わってしまい、
気になる方はゲームをやってね!ということなのかもしれないが、
この出来栄えではやる気すらおこらなかった。

総評:結局、ディケイド月光条例オマージュで終わった


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

全体的にみて微妙な作品だ。
序盤は初見お断りで進めてしまい、この時点でストーリー構成には不安があり、
中盤以降は童話の世界をおかしくしている人物を倒して元通りの繰り返し、
終盤になって一気に話を進めたはいいものの、
明かされてない謎が多いままに「俺たちの戦いはこれからだ」で終わってしまう

終盤の物語の改変を行おうとする敵とそれを拒む「作者」に変身する
という構図も、「月光条例」でみたような内容であり、
最後まで月光条例の二番煎じという印象を拭えなかった。
色々な童話の人物に変身する「仮面ライダーディケイド」システムも、
肝心の戦闘シーンが面白くなく、変身する意味もよくわからなかった。

原作では「リページ」という要素を追加して第二部になってるようで
これは童話の世界の悲劇的な結末を過去に戻り運命を変えるというものであり、
逆にこちらの内容のほうが圧倒的に面白そうだ。
アニメではそういった面白さを感じる前の終わってしまう。

最終話までが序章でここから面白くなるのかもしれないが
1クールでは原作の面白さというのを表現しきれていない作品だ。
ソシャゲ原作のアニメはたいてい残念なことになることが多いが、
この作品も類を見ずという感じで終わってしまった。

個人的な感想:微妙


引用元:©SQUARE ENIX/グリムノーツ The Animation製作委員会・TBS

月光条例が好きなだけに序盤で「あ、これ月光条例のパクリか」と
思ってしまい、最後までその感じが抜けなかった。
月光条例を読んだことがない人が見れば印象は違うのかもしれないが、
いわゆる「元ネタ」を知ってるだけに楽しめなかった作品だ。

ソシャゲ原作の場合、圧倒的なキャラ数が話を破綻させることも多いが
この作品はメインが4人なのは良かったが、
各童話の話を描くの必死でメインキャラの掘り下げも甘かった。
結局、「レイナ」はどの物語の人物なのだろうか?
軽く調べてみたがちょっとよくわからなかった。

そういう、よくわからないという部分が結構あり、
それが殆ど明かされずに終わってしまい、
それを原作ゲームをやってわざわざ知りたいとも思わない。

原作ゲームをやってる前提の作りになってる部分が多く、
ファン向けの作品であることが否めない作品だった。
これでは新規開拓はできないだろう。

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