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「魔王イブロギアに身を捧げよ」レビュー

3.0
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評価 ★★★☆☆(55点) 全9話

【公式】TVアニメ「魔王イブロギアに身を捧げよ」PV イブver.(CV:堀江瞬)/BLアニメ

あらすじ 社会のはぐれ者であった牛頭利晃(ゴズ)は、撃ち殺されてゲームの世界に転生する。引用- Wikipedia

ショタ魔王様はいかが?

原作はComicFestaで連載中の漫画作品。
監督は凪早苗、制作はstudio HōKIBOSHI
1話4分ほどの作品であり、いわゆる「僧侶枠」な作品

toridori

僧侶枠は以前から2作品ほどBL作品を手掛けている。
そんな僧侶枠なのだが好評だったのか
公式のYouTubeチャンネルは最近、toridori言うふうに命名し
BLはソッチのサイトで配信するようになっている。

今後BLにも力を入れていく。
そんなComicFestaさんの力強い意志を感じる。
元々、いわゆっる女性向けな作品も多かっただけに
BL好きな女性を取り込もうとしているのかも知れない。

そんなComicFestaさんの最近の動向も気になる物のの、
この作品はいわゆる「異世界転生」ものだ。

導入

1話冒頭、恐ろしいほどに丁寧な導入だ。
現世で社会のはぐれものだった主人公、
彼はやくざ者であり「銃」で殺される。
はぐれものだからこその覚悟があり、現世で彼は銃で打たれる瞬間も笑顔だ。

最近流行りの「なろう」作品はろくに導入も丁寧に描かずに
死にました、異世界に転生しますみたいな作品も多いが、
この作品はきちんと丁寧に道入を描いている。
彼は気づくと異世界、自分がプレイしたゲームの世界の「暗殺者」になっている。

困惑しつつも彼は大好きなキャラクターである
子供時代の「魔王イブロギア」と出会う。
BL要素はありつつも、このあらすじで「お」と気になってしまう方はいるだろうう。
なぜ彼は死んだはずなのにゲームの世界に来てしまったのか。
大好きなキャラクターど「どう」なるのか。

主人公を掘り下げつつ、純粋に先が気になる1話に仕上げている。

暗殺者

主人公はゲームの世界ではモブの一人の暗殺者に過ぎない。
魔王を殺す役目を追っているものの、失敗する暗殺者でしかなく、
勇者でもなければ魔王でもない、世界を救う役目も負っていない。
ゲームの世界に来てしまったことにとまどいながらも
強すぎる魔力で周囲を傷つける魔王に彼は同情する。

強すぎる魔力があるがゆえに幼いころから迫害され
愛を知らなかった魔王。
そんな魔王のことを好きな主人公は彼に求婚する(笑)
ゲームでは世界征服を失敗してしまう魔王だが、
彼は今度こそ魔王に世界政府ウクをさせるためにともに立ち上がる。

愛をしらない子どもな魔王に、愛を教える大人。
ショタな魔王とイケイケな暗殺者、
BLとしての構図も素晴らしく、二人の関係性の変化が
道入と同じように丁寧に描かれてるからこそ
シンプルにストーリーが面白く、キャラクターへの愛着も湧いてしまう。

なにをしている!

ただYouTubeの配信版だとかなり規制が強めだ。
殆ど見えないうえに何をしたのかもよくわからないシーンも多く、
1話だけだが「銃」などや血の描写なども規制されている。
この規制の多さに関しては仕方ない部分はあるものの、
以前よりも過剰に規制されているのは気になるところだ。

魔王の父親が2人が情事の最中に入り込んできて
「なにをしている!」と言い放つが、
確かにそのとおりである、何をしているかわからない(笑)

しかし、初めて「愛」をしった魔王は本来のゲームのストーリーとは違い、
殺すはずだった暗殺者とともに「婚前旅行」に出かける。
例え彼以外の人間に迫害されようとも、魔王は愛を知った。
彼の笑顔は可愛らしく、惚れる暗殺者の気持ちもわかってしまうほどだ。

アイとはなにか

この作品は「愛とはなにか」を模索していると言ってもいい。
愛を知らずに育った魔王、社会からはみ出して行きてきた暗殺者、
魔王に生贄に捧げられる村の娘。

「愛」を知らない魔王に愛とはなにかと訴えかけるように
この作品は「愛」を描いている。
イブロギアは子どもでも強大な魔力を持っている、
好きな人を壊したいほどに愛したいだが、そんな思いとともに
初めてできた好きな人を大切にしたいという思いも同居している。

暗殺者も暗殺者で頭がおかしく、
イブロギアのすべてを受け入れ、彼が彼らしくいるために
どこまでもついていこうとしている。

二人の絆が深まれば深まるほど、2人の関係性が微笑ましくなる作品だった。

総評:なろう系よりまとも

全体的に見て非常に丁寧に作られている作品だ。
社会のはみ出しものだった主人公が異世界という名のゲームの世界に転移し、
好きだったキャラクターの運命をかえるために奮闘する。
シンプルなストーリーではあるものの、丁寧に描かれた導入と
キャラクター描写が自然なストーリー運びを生んでおり、
いい意味で僧侶枠らしくないともいえるほど丁寧さを感じる。

セクシーシーンは頻繁に挟まるものの規制シーンはかなり多く、
シーンによってはなにがどうなったのかよくわからないシーンが多いのは
やや気になるところではあるものの、そこは僧侶枠の宿命だ。
規制されたシーンが気になるならば有料版でということだろう(苦笑)

そこを差し置いてもストーリーとキャラの魅力溢れる作品であり、
魔王と暗殺者が今後、ゲームのストーリーという名の運命から
果たして逃れることができるのかが純粋に気になってしまうう。
下手ななろう作品よりも面白さを感じる異世界ものだ。

全9話しかないがトントン拍子にストーリーが進む心地よさもあり、
いつかぜひ、2期が見たいと感じさせてくれる作品だった。

個人的な感想:BL枠

「巨人族の花嫁」のヒットのおかげでBLに力を入れだした僧侶枠。
その一作目としてはかなり手堅い作品に仕上げられている。
セクシー要素の好き嫌いはあるかも知れないが、
その部分を除けば地味に完成度が高い作品だ。

toridoriとわざわざ既存の僧侶枠から飛び出したBL専門の枠。
今後も多くのBL作品がこの枠でアニメ化していくのだろう。
BLは内容的にR18な作品も多く、地上波の通常のアニメでは
放送しづらい部分がある。

しかし、僧侶枠なら可能である(笑)
僧侶枠に秘められた無限の可能性がまた1つ花開いたのかも知れない。
次回の僧侶枠も楽しみだ。

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