勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。

評価/★★★☆☆(57点)

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。 評価

全12話
監督/ヨシモトキンジ
声優/河本啓佑,田所あずさ,島形麻衣奈,川原慶久,岩崎可苗ほか

あらすじ
ラウル・チェイサーは、幼い頃からひたすら勇者を目指して努力を重ね、全国勇者模試でS判定、勇者予備校の首席にまで上り詰めた。 しかし勇者試験の直前に魔王が倒され、勇者制度は廃止。夢を失ったショックのあまり半年ほど引きこもった後に就活を始めたラウルは、魔界崩壊不況の真っ只中で街外れの小さなマジックショップ「マジックショップ・レオン」にどうにか就職したものの、勇者への未練を残したまま惰性で働いていた。そんなラウルの前に現れたのは、ボロボロの履歴書を手にした元魔王の世継ぎ、フィノ・ブラッドストーンであった

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ローソン店員の服がこんなにセクシーなわけがない(笑)

原作はライトノベルな本作品。
公式略称は「勇しぶ」らしい(笑)

基本的なストーリーはファンタジー。
勇者を目指していた主人公、しかし「魔王」が倒されてしまったことにより勇者は不必要になった
勇者予備校で優秀な成績を収めていた主人公だったが・・・
しぶしぶ就職することになってしまった。
というところからストーリーが始まる

冒頭からフェチズム満載なセクシー要素がある。
激しい戦闘シーンのさなかで女性キャラクターの鎧が砕かれ、
全身タイツをまとった体を舐めまわすようなアングルから、胸を揺らすようなシーンだ
ただの裸ではなく「全身タイツ」という点はある種のこだわりを感じ、
そのこだわりは冒頭だけではなくこの作品全体に感じられた(笑)
生々しいエロさといえばわかりやすいかもしれない。

やたらローアングルからのシーンから定番のセクシーシーン、
更に色々なフェチ要素をすごく感じるセクシーシーンまで、狙ったエロさではあるものの、
その狙ったエロさが他の多くのアニメの中のセクシーシーンと比べ
「フェチ」や「こだわり」を感じる描写の数々だ。
毎話のようなセクシーの数々はエロくもあり、笑えもし、楽しめるシーンになっている。
女性キャラクターが台所洗剤で髪と体を洗うシーンなど私は初めて見た(笑)

更にキャラクターの洋服。
前述した「全身タイツ」だけではなく、
メイド服からパーカー、更にローソン店員の服まで若干「リアル」な服の描写と
パーカーから溢れる胸、机の上の乗っかる胸などのセクシー描写と相まって
更に可愛らしいキャラクターデザインがそこに乗っかることで可愛らしくもあり、エロくもある。
ファンタジー世界でありながらローソンやパーカーのような現実世界の服も取り入れていることで
不思議な世界観を醸し出している。

ストーリーもその不思議な世界観の上に成り立っている。
主人公は元勇者志望の店員で魔王の娘はそんな主人公のもとで接客を習ったり、
売っている品々は「マジックアイテム」でありながら、ただの加湿器だったりオーブンだったり(笑)
ファンタジーの世界でありながら、魔王が滅びたことで社会のシステムは「現実世界」になっているため
勇者の必殺技ですら無意味だ。
ファンタジーの主人公の設定が尽く「無価値」になってしまった世界で、主人公は淡々と仕事に明け暮れる。

時に勇者になれなかったことに虚しさを感じながら、
時に勇者になることを諦めない昔の仲間をなんともいえない気持ちで見つめながら
時に自分とに同じように働く勇者を見ながら

勇者に慣れなかった主人公は自分の存在価値に疑問をもち、勇者を諦めきれてはいないものの
同じような立場である魔王の娘である「フィノ」が健気に働くさまを見て彼は頑張り続ける。
「勇者」という設定にはなっているものの、
これが現実の「歌手」や「俳優」というような若干夢のある職業に置き換えても話になるような
そんなストーリーをファンタジー世界と勇者という設定でやっているようなストーリー展開だ。

ただセクシー描写や設定は悪くないのだが非常にストーリーが淡々としている。
主人公の仕事の日々を淡々と描きながら、セクシー描写をしつつ
ファンタジー設定と現実設定の組み合わせから生まれるストーリーを展開しており、
そこに強いストーリー性や爆笑できる笑いはあまりない。
確かにファンタジー世界の「電気屋」としてのストーリーが面白い場合もあるのだが、
テンポの悪さが淡々とした印象を産んでしまっており、
すぐにセクシー描写に走ってしまう点もなんともいえない。

だからこそセクシー描写が際立っているのだが、「キャラクター」が序盤から非常に多い。
同じ店ではたらく店員だけでも5人、ローソンで働くバイトが2人、勇者の同級生が3人と
序盤から多くのキャラクターが登場するが、基本のストーリーは主人公と魔王の娘だけで進めているため
他のキャラ描写が不足気味だ。
メインの二人のキャラ描写はしっかりしているものの、その他のキャラ描写は不足しているため
ストーリーのメリハリがあまりなく、淡々と進んでいる感じが目立っている。

更に声優。
メインキャラのほとんどが新人声優さんが演じておりキャラクターによってはかなり演技が怪しく
セリフが聞き取りづらいというのは声優として致命的だ(苦笑)
おそらく、もっとしっかりした声優さんがやれば「萌える」シーンもあったり、
キャラクターの魅力をもっと感じられるキャラクターも居たと思うが、
演技力にかける声優さんの演技はこの作品の折角のキャラノ魅力を削いでしまっている

キャラクター数が多いのに新人声優のせいで、もともと弱いキャラ付けが更に弱くなり
印象が薄くなってしまっている。
せめてメインじゃないキャラだけでもしっかりとした声優をつかっていれば、弱いキャラ付けを補えたと思うが
ある意味で「角川アニメ」らしい微妙な声優の配役は残念なポイントだ

しかしながら終盤のストーリー展開が予想以上に面白かった。
勇者制度の真実、日常描写のストーリーを積み重ねたからこそ生きるシリアスなストーリー展開、
日常ストーリーでは一切そんな素振りを見せなかったキャラの意外な設定や
サブキャラにしか過ぎないはずの「爺さん」の活躍、
家電でしか無かったマジックアイテムの本来の使い道など
淡々と描写してきたからこそ、終盤の怒涛の展開が光りまくる(笑)

主人公が主人公として戦いに赴き、
主人公が「マジックアイテムの店員として」ヒロインにセリフを投げかけ
勇者になれなかった人間として剣をふるうさまは最終話にして最大の盛り上がりだった。
最近の作品としては珍しく、終盤のシリアスと最終回が面白かった作品だ

全体的に見て好みの分かれやすい内容だ。
序盤から中盤までのストーリー展開は非常に淡々としており、
セクシー描写で刺激的なシーンは多いものの、ストーリー的な盛り上がりは薄い。
ただ、その序盤から中盤までの積み重ねがきっちりと終盤で生きてきて、
ストーリーも続けられる感じはあるものの「1期」で完結しているとも言える。
きちんとまとまりのある作品といえるだろう。

ただ、その反面であざといまでのセクシー描写は好みを選ぶ部分であり、
新人声優ばかりで時折演技が気になる部分も非常に多く、
序盤から中盤までの淡々としたストーリーは途中で見るのをやめてしまう人も多そうだ
終盤まで見て初めてこの作品全体の面白さが伝わる。

更に言えば新鮮さが薄い。
勇者と魔王がどうたらこうたらは最近非常に多く、そういった意味での新鮮さも薄く
キャラクターも多く捌ききれてない感じも強い。
逆にキャラの多さは2期があれば生きてくる要素だとは思うのだが、
割と綺麗にストーリーを占めているだけに2期があっても蛇足にならないことを願いたい。

タイトルがラノベらしく、序盤の段階で見るのをやめた人も結構いると思うが
最終話まで見てみると意外と楽しめる作品だ。
変な後味の悪さもなく、すっきりと1つの作品を楽しんだ感触を残してくれたのも好評価につながった。

個人的には全身タイツとローソン店員の服がここまでエロいものと初めて知りました(笑)