DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION

評価/★★★☆☆(59点)

DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION 評価

全13話
監督/岸誠二
声優/神谷浩史,岡本信彦,内田彩,諏訪部順一,沢城みゆきほか

あらすじ
平和な日本を突如襲った危機。悪魔を使役する力を得た主人公達13人の悪魔使いは、謎の侵略者「セプテントリオン」と戦うことになる。しかし極限状態に追い込まれ、次第に仲間達との軋轢と対立が起こる中、主人公は未来への決断に迫られる。残された時間はあと7日間。

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メインヒロインは大和さんです。

原作はNDSで発売されたゲームな本作品。
ペルソナなどを発売しているアトラスによるゲームだ
アニメはペルソナ3と同じ岸誠二監督による作品、なお制作会社は違う

基本的なストーリーはファンタジー。
普通の高校生である主人公はある日友達に誘われ「死に顔」が配信されるサイトに登録する
登録した後の帰り道、電車を待っていると彼のもとに友達の死に顔の動画が送られてきた・・・
そしてその動画の通り彼と彼の友人は事故に巻き込まれた。
瓦礫の下にう持っていると彼の携帯に「悪魔召喚アプリ」がダウンロードされた・・・
という所からストーリーは始まる。

1話から世界観への引き込みが上手い。
謎の「死に顔配信サイト」という面白みから主人公の死、
その直前で悪魔を召喚できる術を手に入れ携帯で悪魔召喚して戦う。
本当に「ゲームらしい」ストーリー展開ではあるもののテンポよく描かれる展開ではあるが
ゲーム内容をそのままアニメに持ってきたからこその面白みがある。

更には悪魔がどんどんと都会に現れる。
災害で混乱してる中に異型の悪魔が現れ人間を襲う。
主人公は守るためにアプリを使い「悪魔」を召喚する
そして、2話になると主人公は国会議事堂の地下に連れて行かれる(笑)

このストーリーのワクワク感は見ているだけでアニメ的でありゲーム的であるのだが
いかにもな感じのストーリーが眠っていた「厨二心」をくすぐってくる
悪魔、秘密機関、召喚アプリ、結界、キャラの名前、謎の敵、敵を倒さないと世界が滅びると
もう・・・厨二まっさかりな方ならヨダレがでるほどの設定の数々だ。

しかし、厨二臭さは満載なのだがそれを妥協せずにやっているため自然だ。
厨二臭さはあるが、その臭さが臭いと感じない。
むしろ待ってましたと言わんばかりのいい厨二だ。

更にメインキャラがあっさりと死ぬ。
それこそ、本当に登場したばかりのキャラなのにあっさりだ。
あっさり死んでしまうがゆえに「誰が死んでもおかしくない」状況が作られるこの緊張感は素晴らしく、
  戦闘シーンにより緊張感が生まれ目が離せなくなる。
その緊張感が作られた後も「容赦」がない。

次々と、次々と、主人公の目の前で人が傷ついていく。
巨大で強すぎる敵を目の前に傷1つ与えられず、絶望的な状況が作られる
傷つき、あがき、様々なものを犠牲にして勝利をなんとか掴み取る
ここまで緊張感のある戦闘シーンは中々味わえない。

ただ序盤から中盤までは震災にあった日本に更に巨大な悪魔が襲ってくるという
緊張感を保ちつつストーリーを進めていたのだが、中盤以降ややめんどくさくなる。
組織と組織の中の人間の「思惑」だったり、裏に抱えている事情だったり、
組織には向かって暴徒が出てきたりと
「七日間で7体の敵を倒さないと世界が滅びる」という状況なのに
そんなことをしてる場合じゃないだろうと感じてしまう。

これが2クールで丁寧に描写されるなら、人物描写がしっかりし見所があったかもしれないが
1クールという尺では人物描写がかなり不足しており、更にキャラ数が多い。
明らかに1クールできちんとキャラを描写するのは厳しく、
不足しているからこそ役目を持たすために「殺す」という選択肢しかない。
絶望的な演出の後押しはしているものの、あっさりと殺してしまうのは何も言えない。

更に話が進めば進むほど敵が微妙になる。
2体目の敵はそれこそ「ビルよりも大きい敵」でエヴァンゲリオンの使徒のような感じだ。
そんな使徒にこちらは悪魔で挑むという状況の絶望感は半端無く、
序盤の最大の盛り上がりとして機能していた。

しかし、その後に出てくる敵は弱い。
2体目の敵のほうが強いんじゃないのかと感じるほど強さが微妙で、
そんな敵に対して割りとあっさり勝ってしまうので拍子抜けだ
2体目の敵の絶望感や力の描写があまりにも圧倒的で
敵を出す順番を間違えたのでは?と感じるほどだ

またこういってしまうとあれだが、中盤以降急にホモホモしくなる(苦笑)
演じている声優さんやキャラクターデザインのせいもあるのだろうが、
腐女子さんならば「脳内変換」してそういう風に受け止めてしまうだろうというセリフが多い。
もちろん個人の受け止め方次第という感じではあるが、
いわゆる壁ドンなシーンも有ったり、無駄に顔が近かったりと狙ってる感じもある。

ただ中盤以降でも面白い点はある。例えば特殊召喚だ。
特定の儀式でしか召喚できない悪魔で空にいる悪魔を倒すなど
マンネリ気味だった戦闘シーンにいい刺激を与えており、戦闘シーンの迫力はかなりある。
「命」を犠牲にして召喚しないといけない悪魔もおり、緊迫感のあるストーリーに更に緊迫感を煽る
様々な悪魔が登場し技を繰り出すさまは「女神シリーズ」をやっていた人なら
思わず胸踊るシーンだろう。
最終話の「悪魔合体」などゲームシステムそのものだが、思わずワクワクしてしまった(笑)

更に「死に顔動画」がきちんとストーリーの中で活きている。
この死に顔動画は「死ぬ人の死に顔が動画で友達に届く」というもので
死の宣告のようなものだ。この死に顔動画で死に顔が配信されると死の確率は上がる。
死に顔動画が実現するかどうかはその後の行動次第だ
死亡フラグが常に立っている状態で、更にそれを後押しする要素は面白い。

ストーリー的にも日にちが経てば立つほど世界が消失していく。
誰かを犠牲にしなければ生き残れない、非情にならなければ生き残れない。
組織のトップである「大和」は常に冷徹に、主人公である「響」は常に感情的に
その二人が対比しながら人類の生き残りをかけた戦いを突き進む
根本にあるストーリーや展開は素直に面白いと思えるのだが、
そのストーリーを紡ぐ「キャラ」の描写が不足してしまっているのが本当に残念だ

もっと見ている側が絶望できる、もっと見ている側が悲しむことが出来る。
100%生かせていればもっと面白くなるのに、
1クールという尺が足を引っ張ってしまっていた。
いろいろな感想サイトを見ていると「原作ゲーム」をやっている人の批判コメントをよく見かけた
私は原作をやっていないが、原作ゲームへの思い入れが強いほど
キャラ描写の不足によるキャラの魅力の低下、
それによるストーリーのもどかしさをより感じてしまうのだろう。

逆に言えばゲームをしていなければストーリーを知らないからこその面白みがある。
誰が死ぬかわからない、むしろ生き残るキャラのほうが少ない
キャラクターに思いれがないほど、この緊迫感のあるストーリーを楽しむことが出来る
展開がわからないからこそ「意外な展開」が面白いと感じる

最終話のまとめ方も1クールという尺で「綺麗」にまとめたといえる
2クールという尺があれば別だが、1クールという尺でストーリーをきちんとまとめ
別のストーリー展開やもっとキャラクターの魅力を感じたいならゲームをやってねという感じだ。

全体的に見てアニメはアニメ、ゲームはゲームとして割り切れる人は楽しめるだろう。
ゲームをやっている人ならば気になる点も多いようだが、
ゲームをやっていなければ「悪魔」という要素と「滅び行く世界」での
人類の生き残りをかけたストーリーは常に緊張感があり、最後まできちんと楽しめた。

ただ、ゲームをやっていなくとも気になる点はある。
キャラクターの描写が不足すぎて使い捨てになってしまっているキャラも多く、
おそらくはもっと見せ場のあるキャラなのに、
見せ場があったり魅力が出る前に「死んでしまう」キャラも多い。
いっそのこと、キャラクターをもう少し削ったほうが良かったのかもしれないが
それはそれで原作ファンから批判が生まれそうだ(苦笑)

ストーリー的にも1クールで詰め込み過ぎた感は否めなく、
キャラクターの死の重さや、主人公の選択した道、大和の孤高であるがゆえの苦悩など
あと一歩踏み込めばもっと面白くなると感じる部分が尺の都合で踏み込めきれていない感じだ。
最終話の結末がきちんとまとまっていたから何とかなったが、
良くも悪くも「無難」にまとめてしまっているのは残念だ。

やはり2クールでしっかりとこの作品を味わいたかったと感じてしまう。
1クールでこの作品はもったいない。
そのもどかしさは「ゲーム」をやることで解消するしか無い。
ある意味で原作ファンの声も大きいだけに原作ゲームがより気になってしまう。
販促アニメとしては優秀だったのかもしれない。

販売元であるアトラスがあまり良い状況ではないため期待はできないかもしれないが
三部作くらいで映画にすれば面白い作品かもしれない。

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