「転生したらスライムだった件 2期」レビュー

ファンタジー
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評価 ★★☆☆☆(37点) 全26話

あらすじ 主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった引用- Wikipedia

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会議地獄

本作品は転生したらスライムだった件の2期。
2期は分割2クールとして放送された。
制作はエイトビットから変わらないものの、
監督は中山敦史氏に変更された。

途中

1期はあまり区切りのいいラストとはいえなかった。
主人公である「リムル」が異世界召喚されてしまった子供達の先生になる
というところで終わっており、話の盛り上がりがなく終わってしまっている。
2期はその続きではなく、若干時系列を戻している。

1期から約2年という月日が経っており、
その月日の間に色々と忘れてしまった配慮なのだろう。
リムルの回想や各キャラをバランスよく出すような1話にすることで、
1期を見ていた人の記憶を呼び覚ますような1話になっている。

ただ、その回想シーンや振り返りで
1期の内容を把握できるというものではないため、
当たり前ではあるものの1期を見てる前提の作品だ。

おそらく1期から半年ないし1年だったら、
この話は必要なかったのだろうなと感じてしまう。
私個人としては細かい部分は忘れているため、
いいおさらいになった部分はあるものの、
1期最終話から時系列を戻しているため同時に混乱してしまう。

しかも2期の1話、2話、3話、4話と戦闘シーンは少しはあるものの
淡々と「国交」をしている感じが強く、なかなか話が動かない。
調べたところ、このあたりは本来は1期の時系列でやっていた部分のようで、
1期でカットしてしまった部分を2期の序盤で補完しているような感じだ。
その補完作業が淡々と序盤描かれてしまっているのは2クールという
尺を考えても野暮ったさを感じる。

ただ、1期の「ゴブリンの村」から多くのものと出会い、
村を発展させ、国にし、他国と国交できるようになったという
「感慨深さ」は生まれている。

ある意味でこの2期の序盤は「溜め」だ。
主人公であるリムルが1期、2クールで築き上げたもの、
街や人との絆を2期の序盤で改めて感じさせることで、
その後の「崩壊」という展開へとつなげている。

敵対

国として大きくなったからこそ「敵対」するものも現れる。
国と国、互いの「利益」が国交につながることもあれば、
邪魔に感じ敵対することもある。それが「戦争」だ。
しかも、敵はリムルと同じ「異世界召喚者」だ。
自分と同郷のものが、自分が作り上げたものを壊す。

1期までは苦戦こそすれ負けることはなかった。
主人公という存在がこの手の作品においては「最強」であり
「チート」だからこそ、彼がいれば負けることはない。
だが、そんな彼が不在だったら?
彼が居ない国に絶望が襲う。

「リムル」にも勝てない相手が立ちはだかる。
それまでありとあらゆる手段で勝利をつかんできた
「チート」な主人公が初めて敗退する。
2期の序盤でややスローテンポな展開を見せつつ、
溜めて溜めて、それを解放する。

2クールというストーリー構成だからこその溜めが
うまく作用しており、物語に爽快感を生んでいる。
その「解放」という名の戦闘シーンのクォリティも高く、
キビキビと動き回る剣戟と魔法の応酬は
スカッとした面白さを感じさせる。

彼にとって初めての敗北だ。
1期で見せた「俺TUEEE」だけでは通用しない敵と
国が大きくなったからこそ「守れきれなかった」という代償、
1期で感じていた敵の物足りなさが
2期の序盤を過ぎたところでようやく味わうことができる。

人間ではなくなった元人間であるリムル。
彼は人間であるがゆえに「人間に危害を与えない」という
ルールを国民にも貸していた。
それは彼の中にある「甘さ」と「前世」が人間だからこその油断だ。

それでも彼は甘さを完全には捨てきれない。
自分の国にいる人間たちは決して「悪」ではないからこそ、
人間というものへの期待を捨てきれない。
だが、彼は覚悟する。
ときには修羅になることすら恐れない道へ。魔王へと至る道へ。

虐殺

仲間の命を助けるために「魔王」になる覚悟をしたリムルは
多くの人を殺す、2万以上の人類を殺す大虐殺だ。
ただ、この大虐殺のシーンの演出が弱い。
大勢を殺すという2期の1クール目の序盤の溜めを
解放するためのシーンのはずなのに爽快感がない。

他のキャラクターの戦闘シーンはしっかりと描かれているのに、
肝心の主人公の戦闘シーンがしょぼいというのはなんとも残念だ。
作画自体は決して悪くないのだが、演出面での弱さを
ひしひしと感じるような戦闘シーンが多く、
剣などの「動き」で見せるような戦闘シーンは良いのだが、
魔法などの「演出」で見せるような戦闘シーンは微妙だ。

失った仲間の命を取り戻す、生き返らせるという
大事なシーンへとつながるはずの戦闘シーンが
淡々としているというのは盛り上がりに欠けてしまう。
リムルの戦闘シーンよりも、その後の悪魔の戦闘シーンのほうが
よっぽど魅力的に描かれている。

2期の1クール目の序盤は丁寧とも淡々とも言えるテンポだったが、
2期の1クール目の終盤は異様にテンポが良く、
そのせいで仲間が蘇った感動も薄い。
1クール目の最終話の詰め込み具合は凄まじく、
仲間が復活、悪魔との正式契約、ヴェルドラの復活と怒涛の展開だ。

話の区切りが良いとも言えず、色々とストーリー構成の
甘さと尺の使い方の悪さを感じてしまう部分が多い。
溜めに対して盛り上がりどころを作りきれていないような印象だ。

分割2クールであるがゆえに2クール目は三ヶ月ほど間があいているが、
本来は復活したヴェルトラとの会話や戦争が終わった仲間たちとの宴会など、
37話の内容が1クール目のラストのほうが区切りになっただろう。

会議会議会議会議

2クール目が始まってからはずっと会議だ。
比喩表現ではなく本当にずっと「会議」だ。
リムルの国である「テンペスト」が今後どうするのか、
いろいろな国の代表が集まり、他の国や魔王への対処や方向性を考える。
そういう会議がひたすら行われる。

これが1話だけならまだしも、2クール目の序盤から4話も会議している。
流石に会議が多すぎていい加減場面を変えてくれと
言いたくなるほどの会議祭だ。
会議にはいるまでの導入も別にいらない部分が多い。

他の国の代表に「今までの経緯」を説明するのはまだいいが、
その説明をわざわざ視聴者に見せる必要は一切ない。
無駄に回想シーンを挟んでいる部分も多く、
2期の1クール目は2年という月日があいたからこそ
回想シーンや振り返りが必要なのはわかるが、
たった三ヶ月しかあいていないのに1クール目を振り返る必要性は感じない。

例えば会議の中で「ヒナタサカグチ」と戦ったという話題が出る。
そうなるとリムルの中の回想で2期の1クール目で彼女と
戦ったシーンがわざわざ流れる。

これが漫画や小説という媒体なら自分のペースで読むことができるが、
アニメという1話1話の尺が決まった媒体でご丁寧に
4話もかけて会議を描いてしまうのは悪手でしかない。

1期は国を作る過程までのシミュレーションゲームのような感じだったが、
2期は国を運営するシュミレーションゲームを下地においてるのはわかる。
「国」というものを運営する上で話し合いはたしかに重要であり、
キャラクターがきちんと立っており魅力的な本作だからこそ、
会議という会話劇でも面白さは感じる部分はある。

各国、各キャラにそれぞれの思惑と立場があり、
「魔王」となったリムルと、彼の国がそんな彼らとどう付き合うのか。
会議の内容はたしかに重要ではあるものの、
流石に4話は長すぎる。

おそらくはこれも大人の事情なのだろう。
1期もそうだったが、この作品は「コミカライズ」の最新話に
アニメが追いつかないように調整している感じが強い。
原作の最新話を超えないようにするのは昔のアニメでよくあったが、
この作品は令和になってもそんなことをしている。

原作は小説であり、コミカライズは原作ではないものの、
「コミカライズ」を売るためにコミカライズの話を超えないように
アニメは尺を稼いで調整しているような印象だ。
本来は2話でできるような会議ですらじっくりと4話かけて
尺稼ぎしてしまっている。

1クール目の悲劇を招いた「クレイマン」という魔王と敵対し、
そんなクレイマンにどう立ち向かうかという会議をしている間に
クレイマンはすっかり準備を進めている
「出遅れたか…」とリムルは言うのだが、
4話もちんたら会議をしていたら出遅れるも何もない。

会議が終わったらどうなるのかわかるか?

ようやく最初の会議が終わったかと思ったら、
また会議が始まる。次は魔王たちの会議だ(苦笑)
もはや「転生したら会議だった件」にタイトルを変えるべきでは?と思うほど
2期の2クール目は会議だらけだ。

1クール目も序盤は「溜め」の回として回想や振り返りや
1期の補完の話は多かったものの、それでも4話ほどで終わり、
合間にちょこちょこと戦闘シーンも描かれていた。
しかし、2クール目は6話ほどほぼ会話劇しか描かれていない。

1クールのうちの半分が会話ばかりというのは流石にきついものがある。
各地にいる各キャラがどう思い、どう感じているのか、
1~100まで全部説明されているような感覚だ。

終盤

そんな会議地獄が終わると戦闘シーンが始まる。
ために溜め込んだだけに、各キャラの戦闘シーンはきちんと
盛り上がりと迫力を生んでいるものの、
会議8割戦闘2割のようなバランスの悪さはひしひしと感じる。

進化した仲間たちの強さ、それぞれの見せ場はきちんと描かれており、
2期2クール目の終盤になってようやく面白さを感じることができる。
終盤でもお得意の「会議」は開かれるものの、
魔王の集結という盛り上がりも生んでおり、序盤のように
4話もかけるような会議ではない。

「クレイマン」を演ずる「子安武人」さんの演技も素晴らしく、
彼の演技があるからこそ「クレイマン」というキャラの
小物感が際立ち、会議が盛り上がる。
序盤から中盤までの会議は会話劇だが、終盤の会議は「舌戦」だ。
実力派の声優さんたちの演技が光る舌戦。会議アニメの真骨頂ともいえる。

会議も長引かず、戦闘シーンが始まり、各キャラやりたい放題だ(笑)
散々、序盤から中盤まで溜め込んだからこそ、
この終盤の盛り上がりが生まれているとも言えるのだが、
2期は全体的に「会話」が多すぎる作品だった。

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総評:令和のドラゴンボール現象

全体的居に見てストーリー構成が悪すぎる作品だ。
1クール目こそ序盤は1期から「2年」というブランクがあるからこその
振り返りと回想シーンの多さは納得できたものの、
2クール目の会議とそれに伴う回想シーンはあからさまな
尺稼ぎをしているだけにしかみえず、ダレが生まれてしまっていた。

2クールという余裕のある癪だからこそのストーリー構成ではあり、
キャラクターが多く勢力も多いからこそ「会議」で
それぞれの立ち位置や思惑を描く必要があるのはわかるものの、
それでもあまりにも長過ぎる。

コミカライズの最新話に追いつかないように
アニメのストーリー進行を調整しているのはわかるが、
ストーリーもキャラクターも悪くないのに、
尺の使い方が悪すぎるせいでこの作品の面白さを最大限に活かしきれていない。

戦闘シーンのクォリティは高く、それぞれのキャラの見せ場もきちんとあり、
初めての敗北や、「リムル」という主人公の考えの変化や国の運営など
1期にはなかった要素が2期にはあるものの、
1期と同様に「テンポ」の悪さはかなり目立ってしまっている作品だ。

原作の小説準拠ではなく、コミカライズ準拠になってしまったがために
旧ドラゴンボールのアニメのような引延しと尺稼ぎ現象が起きてしまっている。
キャラやストーリーは良いだけに、この見せ方は「もったいない」と
感じてしまう作品だった。

個人的な感想:3期は…

先日、3期の発表があったが、
コミカライズのストックを考えるとだいぶ先になりそうだ。
その前に映画を演っているが、
おそらくは「オリジナル」ストーリーのようだが、
どういうふうに見せてくれるのか期待したいところだ。

まさか映画でも会議していないかという一抹の不安はあるが…(笑)

「転生したらスライムだった件 2期」は面白い?つまらない?

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