「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」レビュー

映画
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評価 ★★☆☆☆(28点) 全100分

あらすじ新婚旅行に行ってない事に今更気づいたみさえとひろしは、みさえが見つけてきたオーストラリアにあるグレートババァブリーフ島の家族同伴の激安新婚旅行ツアーにしんのすけ達と一緒に旅行に参加する。 引用- Wikipedia

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みさえが主人公!?

本作品はクレヨンしんちゃんの劇場映画作品。
クレヨンしんちゃんとしては27作品目の作品となる。
監督は橋本昌和、制作はシンエイ動画。

声優


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

今作から主人公である野原しんのすけの声が
矢島晶子さんから小林由美子さんに変更されており、
野原ひろしの声もここ数年で変更されており、
「クレヨンしんちゃん」にも声優変更の波が来ている事を感じさせる。
冒頭はそんなしんのすけが父であるヒロシを迎えに来るシーンから始まる。

やはり違和感はかなりある。ヒロシに関しては慣れた部分もあるものの、
しんのすけに関してはどうしてもモノマネをしている人にしか聞こえず、
矢島晶子さんとの細かい表現の違いがいちいち気になってしまう。

しんのすけを変えるならば、いっそ主要なキャラクターの
声優も一新すればいいのにとすら思ってしまう。
これはあくまでも個人的な感想ではあるものの、
同じ感覚になってしまう人はいるはずだ。

子供の頃から「クレヨンしんちゃん」という作品を
見てきたからこそ、主役の声優の変更というのは受け入れるまで
やや時間がかかってしまう。

新婚旅行


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

今作はタイトル通り、野原一家が新婚旅行に行く話だ。
結婚した頃はお金がなく、新婚旅行に行けなかった。
だからこそ今、新婚旅行に行く。
話の展開としてはかなり自然な導入である一方で、
今回の舞台は「オーストラリア」だ。

始まってすぐにオーストラリアに舞台が移るため、
いつもの「春日部市」に済むキャラクターが殆ど出ない。
「今頃しんのすけたちはオーストラリアかー」
と、かすかべ防衛隊たちが思いを馳せるシーンはあるものの、
メインのストーリーに彼らが絡むことはなく、他のキャラはそもそも出ない。

園長先生や菜々子さん、
そういった「おなじみ」のキャラクターがでないのは
やや寂しさすら感じてしまう。
特にミッチー&ヨシりんはシチュエーション的に
出てきてもおかしくないが、出てこないのは残念だ。

振り回される


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

序盤は新婚旅行を楽しむさまが描かれる。
だが、幼い「子供二人」を抱えてるからこそ、
ストレートに楽しみ切ることは出来ない。

子供のトイレだったり、赤ん坊の世話だったり。
「新婚旅行」ではあるものの二人きりではないうえに新婚でもない。
長年連れ添っている夫婦だからこそ「いまさら」と思う部分もある。
素直に相手に愛を伝えることも出来ない。

楽しいはずの新婚旅行なのに二人はどんどんと険悪になっていく。
夫婦である前に、二人は父であり母だ。
それゆえに夫婦喧嘩にまで発展してしまう。

細かいギャグなどはあるものの、この辺りの展開はやや淡々としており、
話が動き出しそうで動かないもどかしさを感じる。
夫婦の関係性というやや「大人」な内容は、
子供向けのクレヨンしんちゃんという媒体では
いささか違和感を感じてしまう。

見に来ている子供たちよりも、
見に来ている子供たちの親に向けたようなストーリーに見えてしまう。
クレヨンしんちゃんはあくまでも「子供向け」の作品だ。

過去の作品の中には大人も感動できる作品は多い。
だが、大前提として「子供目線」で
「子供が楽しめる」作品でなければならない。
この作品はそんなクレヨンしんちゃんとしての本質を
忘れてしまっている。

これでTVSPか何かで新婚旅行に行って喧嘩したけど仲直りして
帰ってきましたくらいの話ならば納得できるものの、
映画としての序盤30分の退屈さは厳しいものがある。

30分たってようやく映画としてのストーリーが動き出す。
「野原ひろし」が誘拐される。

原住民


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

「野原ひろし」は原住民に「花婿」として誘拐されてしまう。
トレジャーハンターたちも何故か花婿である「ひろし」を狙っており、
なぜ野原ひろしなのか?原住民の目的は?トレジャーハンターの目的は?
と、ストーリーが動き出したことでようやく話の面白さも垣間見える。

トレジャーハンター、原住民、そしてみさえたちと
「野原ひろし」を巡る三つ巴の争いが起こり、
クレヨンしんちゃんらしいアクションシーンも描かれるものの、
いまひとつパンチがない。

といよりも過去作品のオマージュのようなアクションシーンが多い。
「ブリブリ王国の秘宝」「嵐を呼ぶジャングル」などで
見たことがあるようなアクションシーンばかりで、
既視感が強く面白みにかけてしまう。

「劇画タッチ」の野原ひろしが「トイレ」をきっかけに出てきたりと、
過去作を相当意識しているのは分かるものの、
それが面白さにはつながっていない。

みさえ


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

今回の主役は彼女だ、しんのすけではない。
彼女が妻として、母として、この作品の中心に居る。
それを強調するかのように仲間のトレジャーハンターがみさえに問いかける

「子連れの貴方には絶対ムリ」

ことあるごとに、こういった子供が居るということや
母の大変さを強調させるようなシーンが非常に多く、
映画に来ているお母さんに向けたメッセージであるのは分かるものの、
それがかなり露骨だ。

私は「母」ではない。だからこそ響かないのかもしれないが、
それを置いておくとしても、この作品は「みさえ」を中心に置きすぎだ。
みさえの「本音の吐露」のシーンも、母には伝わるかもしれないが
子供にはまるで伝わらないだろう。

「クレヨンしんちゃん」という作品の主人公はしんのすけだ。
それを忘れてはいけない。
この作品はそこを完全に忘れ、本来は主人公であるしんのすけを
道化にすることでギャグシーンやトラブルを起こしアクションシーンの
きっかけにしていることも多く、やや鼻についてしまう。

お宝と姫


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

終盤で野原ひろしが「花婿」にされた理由とお宝の正体が明らかになる。
この要素に関してはクレヨンしんちゃんらしいバカバカしい要素であるものの
それと同時に描かれる家族愛の強調がやはり鼻につく。

野原ひろしにとってのお宝、それはみさえであり、
しんのすけなど放って置いて「みさえ」とラブラブなシーンを繰り広げる。
見ているこっちが恥ずかしくなるほどのラブラブっぷりは、
本来のクレヨンしんちゃんならギャグになるはずが、
今回に限ってはギャグにはならず、ガチでラブラブシーンを繰り広げる。

姫の問題もなんやかんやであっさりと解決してしまい、
ひろしによるみさえのプロポーズで物語は終わる。

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総評:クレヨンしんちゃんとして…


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

全体的に見て悪い意味でクレヨンしんちゃんらしくない作品だ。
この作品は明らかに「子供向け」ではなく「大人向け」に作られている。
それも「夫婦」であり「親」に向けた作品だ。
親であることの大変さ、母であることの大変さ、
その中でひろしとみさえの夫婦愛を再認識させるような物語が描かれている。

それが「クレヨンしんちゃん」としての面白さにはなっていない。
たしかに過去作でも家族愛や父親や母親を強調して描かれた作品はあったが、
常に中心には「野原しんのすけ」という主人公が居た。
しかし、今作の中心は完全に「みさえ」だ。

そのせいでギャグがかなり薄く、アクションシーンも
過去作品で見たことのあるようなオマージュが非常に多くパッとしない。
クレヨンしんちゃんという作品でおなじみのキャラも殆ど出ず、
かといってオリジナルのキャラが際立っているとも言えない。

クレヨンしんちゃん映画は「敵」の存在が魅力的なことも多いが、
今作の敵はまるで魅力がない。ただお宝を求めてただけだ。

本来の主人公を脇役にしてしまったことで
「クレヨンしんちゃん」という作品の中で
このストーリーを描く必要があったのだろうか?と思うほど
普遍的かつ平凡なストーリーでしか無い。

ところどころ笑える部分があるのがせめてもの救いだが、
映画としての面白さも、クレヨンしんちゃんとしての
面白さにも欠けてしまう作品だった。

個人的な感想:うぅーん


画像引用元:『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』予告より
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2019

しんのすけの声よりも内容のほうが気になってしまう作品だった。
クレヨンしんちゃんはあっぱれ!戦国やオトナ帝国が
ヒットしたことで感動路線の作品を数年作り続けていた。
そんな感動路線からB級グルメあたりで脱却したかと思ったのだが
また、この路線に入ってしまったような感じだ。

あくまでクレヨンしんちゃんは子供向けであり、
ギャグアニメだ。私のわがままかもしれないが、
大人向けで感動路線なクレヨンしんちゃんは求めていない。

いつかオカマが再び、クレヨンしんちゃんの映画に
出てくることを祈る日々である。

「」おもしろい?つまらない?


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