「クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ」レビュー

評価 ☆☆☆☆☆(7点) 全103分

あらすじ ある日の夜、野原家にUFOが不時着。UFOの中にいたのは、宇宙から来たという宇宙人のシリリだった引用- Wikipedia

クレヨンしんちゃんと言う作品に対する愛が足りない

本作品はクレヨンしんちゃんの映画作品。
クレヨンしんちゃんとしては25作品目の映画作品となる。
監督は「オラの引越し物語 サボテン大襲撃」を手掛けた橋本昌和。

見出して感じるのは「シリリ」の癖のあるデザインだろう。
宇宙人である彼は名前の通り尻がモチーフのデザインであるのだが、
正直言って可愛いとはいえないデザインだ。
そんな彼が野原家に不時着し、ひろしとみさえを子供の姿に変えてしまう。
元の姿に戻してもらうためにシリリと共にシリリの父のいる九州へと向かう。

ただ冒頭から笑処が薄い。
クレヨンしんちゃんは大前提としてギャグアニメだ。
しかしながらお決まりのギャグなどはあるものの「笑える」と呼べるポイントがなく、
淡々とストーリーを進めている感じが強い。
物語の導入部分という大切な部分が淡々としており、
野原一家が九州を目指すまでのストーリー展開があっさりしすぎだ

「目的地」に向かっての珍道中というのは
クレヨンしんちゃんの映画では典型的な展開だ。
海外だったり国内だったりと場所は色々だが、その道中の面白さやドタバタ、
敵との戦いなどが描かれるのがお決まりの展開でもある。

だが、今作は淡々としている。
新幹線で九州に向かい、敵がただの新幹線の中に出た「スリ」だったりと、
宇宙人が好きなただの男だったりと、いまいち盛り上がりに欠ける。
盛り上がらないままにシリアスな展開が描かれたり、
ギャグが少ないままにストーリーを進めてしまっており、正直薄味だ。

ストーリーにも脈絡がない。
九州に向かう道中での様々なトラブルが起こるのだが、
宇宙人フリークに捕まりそうになったり、サンバを踊ったり、
サーカスでショーをしたりと、ストーリーの積み重ねというよりは
脈絡もなく唐突にストーリーが進んでいく感じが強く、
最初から最後まで盛り上がり所というのが終始、薄い。

埼玉から九州という結構な道のりにも限らず、
途中トラブルはあったが、かなりあっという間に着いてしまう。
途中はぐれたりもするのだがあっさりと再開する。
「はぐれるまで」の展開は納得できるのだが、「再開できるまで」の
展開は適当に描きすぎて何の感動もない。

ストーリー的に盛り上がらないのにシリアスな要素は入れまくる。
シリリと野原一家との喧嘩だったり、しんのすけとの喧嘩だったりと、
ギスギスしたムードが漂うことが多く、ストーリー的に盛り上がらないのに、
シリアスにされてもつまらないだけだ。

終盤の展開もドタバタしてて面白みにかける。
シリリの父親の計画もいわゆる作品としてのメッセージ性を出したかったのは分かる。
彼は人類をすべて子供にしようと計画しており、それが失敗に終わると
「好きなだけ戦争でもサービス残業でもしてればいい」と言い放つ。
人類は子供のときは純粋だが大人になると悪くなるという宇宙人の偏見だ。

本来はこの思想を変えるまで至らなければならない。
子供にされた「ひろし」や「みさえ」が何らかの形で
それを敵に証明して初めて映画としてのテーマやメッセージ性が生まれてくるが、
この作品にはそれがない。

「オトナ帝国の逆襲」では過去のほうが良かったために過去に戻そうとする敵が
現れたが、今と未来の幸せのために野原一家が戦い、
敵もひろしの行動や「しんのすけ」の一言で改心し物語としてのメッセージ性が
きっちりと生まれていた。

しかし、この作品はそれがない。
ひたすらに薄い表面上の何かをすくっているだけにすぎない。
エンドロールの後に唐突に現れるキャラも何の脈絡もなく、
最初から最後まで淡々と脈絡もないストーリーを魅せられる作品だった

総評

全体的に見て単純に「見ていて飽きる」作品だ。
ギャグアニメ作品というクレヨンしんちゃん本来の部分を忘れ、
淡々としたストーリー展開と薄いシリアスな展開はひたすらつまらず盛り上がらない。
盛り上がり所というのを作れておらず、終始淡々としており笑える部分は殆ど無い。

宇宙人が来て子供の姿にされてなんやかんやあって九州までいき、
最後は宇宙人の母親が突然、迎えに来て終わる。
コレ以上のストーリーの印象がこの作品にはなく、
正直映画館で見たら眠ってしまいそうなほど退屈な作品だ。

正直言ってキャラクターの使い方が悪い。
お約束のギャグやネタでさえも笑いにしきれておらず、
「かすかべ防衛隊」などのキャラも使いこなせていない。
前作までの高橋渉監督は「クレヨンしんちゃん」という作品のキャラ愛を
強く感じさせる描写が多かっただけに、余計にキャラの使い方の悪さが目立っていた

個人的な感想

個人的に最近のクレヨンしんちゃん映画はあたりが多く見れる作品が多かったために、
本作品も期待したのだが、予想以上につまらなかった。
エンドロール後にいきなり宇宙人の母親が迎えに現れるのだが、
母親の存在が劇中ででてきたのはしんのすけのセリフの中での一言か二言で、
唐突に現れ唐突に帰っていく流れは意味がわからなかった

次回作は高橋渉監督に戻るようなので期待したい。
というか予告編から既に面白そうである(笑)

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