クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!

評価/★☆☆☆☆(12点)

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾! 評価

102分
監督/ムトウユージ
声優/矢島晶子,ならはしみき,藤原啓治,こおろぎさとみほか

あらすじ
地球から遠く離れた宇宙(地球が属する銀河の外)を航行していた『ケツだけ星人』達の宇宙船。その宇宙船の近くに突如巨大天体が現れる。避けることが出来ないと知ったケツだけ星人達は巨大隕石に向けて次々と円盤型の特殊爆弾を放ち、その大爆発によって巨大隕石を粉々に吹き飛ばした。 しかし、爆弾の一つは巨大隕石の岩が崩れて外れてしまったために爆発せず、そのまま地球(沖縄)に向けて飛んで行った。

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尺稼ぎお疲れ様ですっ!

本作品はクレヨンしんちゃんとしては15作品目の作品。
映画化15周年記念作品と銘打っているが、
その記念にはふさわしくない出来栄えになってしまっていた

基本的なストーリーはコメディ。
勤続15年になった「ひろし」、野原一家は勤続記念の旅行で沖縄に来ていた
しんのすけとシロが海で遊んでいると、海辺で謎の円盤を発見する
円盤で遊んでいるとシロのお尻に円盤がくっついてしまった
その円盤は「地球を破壊できる爆弾」だったという所からストーリーは始まる

冒頭のシーンからくどい。
宇宙人同士が尻をくっつけながら「ケツケツケツ~」と歌っているシーンは
短いならば笑いつながったかもしれないが、5分近く同じ歌が流れ続け
それが特に笑い繋がっていない。
この作品は全体としてシーンの1つ1つが冗長で無駄なシーンが多い
序盤からひろしとみさえが歌うシーンや、他のキャラが歌うシーンはとにかく多く
その歌うシーンが特に面白く無い上に長い。
更に歌うシーンの作画は妙に崩れることが多く、歌うシーンは尺稼ぎにしか感じない

更にシロの爆弾を使ってテロをしたがっている「ひなげし歌劇団」
彼女たちがテロを起こす理由は「世界を制圧して自分たちの舞台を見せて支配するため」
という、なんだその理由はと真剣に考えてはいけない理由だ
別にテロをせずとも、魅了できる舞台が出来ればいいのではと思ってはいけない
しかも彼女たちは演劇で洗脳のような事ができているだけに余計に爆弾いらないんじゃ
とか思ってはいけない(苦笑)

宝塚のパロディのような彼女たちがまるでミュージカルのように野原一家に襲いかかる
もちろん宝塚のパロディなので歌いまくるのだが別にギャグになってもおらず、
彼女たちは別に居なくても本筋のストーリーが進められるだけに
ただ尺稼ぎのために存在してるだけに過ぎない。
くどすぎる演劇シーンは後半に行くに連れてストーリー進行の邪魔でしか無い

この「ひなげし歌劇団」とシロの爆弾を地球で爆発させないために
宇宙へとロケットで打ち上げようとしている「UNTI」の戦いのシーンも長い。
尺稼ぎの戦闘シーンでしかなく、その戦闘シーンに工夫があったり面白いわけではない
同じようなシロの奪い合いシーンを繰り返し、一生懸命尺を稼いでいる

本来なら「地球を守るため」に「シロを犠牲」にしようとするUNTIと野原一家の対立という
すっきりした形式でよかったはずなのだが、そこにひなげし歌劇団という
ストーリー進行に関係のない組織が絡んだことでストーリー全体が散らかっている。

根本のストーリー自体は悪くない。
「しんのすけ」と「シロ」の絆を中心に描き、
地球を守るためにシロを犠牲にするというストーリー自体は悪くはない。
しんのすけが泣きながらに逃げ、雨にずぶれになりながら、二人だけで逃げる
疲れ果てたしんのすけを見て、二人の思い出を思い出しつつシロは犠牲になる決意をする。
根幹にあるストーリーだけを見れば非常にいいストーリーだ。

しかしながら、「ひなげし歌劇団」などの余計な要素がすっきりと楽しませない。
更に無意味に「リピート」を繰り返すシーンなどもあり、
そのリピートに意味があれば笑いにつながるのだが尺稼ぎ以外の意味は無い。
退屈なシーンは長く、同じようなシーンを繰り返す、
本筋に関係ない上に笑えない余計なシーンを入れまくると
本当に作品全体で必死に尺を稼いでいる

更に終盤のめちゃくちゃさ。
「UNTI」のボスは国家機関であり地球を護るためにシロを犠牲にしようとしているという
正義なのだが野原一家にとっては敵だったはずなのだが、
終盤でシロの爆弾が尻から取れたが、しんのすけとシロがロケットの中に閉じ込められている
という状況で、一切二人を助けず、計画通りにロケット発射するというのにこだわっている。
それまで「正義」だったはずのキャラがいきなり狂ったキャラになってしまっている

全体的に見て本筋のストーリーはいいのに余計な要素と尺稼ぎが邪魔している
更に冒頭の宇宙人との絡みは結局なく、特定の歌で爆弾が止まったり動いたりするという
伏線もほぼ生かされていない。
もう少しやりようがあっただろ!と素人考えでも思いつくストーリー展開も多く
面白い箇所を素直に面白いと感じられなくなってしまっている

要素要素で良いシーンは多いのだが、それを最大限に活かしきれていなかった。
素材はいいのに焦がしてしまった料理のような作品だった
作画の崩れ方やストーリー構成など、もしかしたら時間と予算どちらか、
もしくは両方が足りなかったのかもしれない。
しっかりと作られていればもっと面白い作品になりそうだったけに惜しまれる作品です