ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史

2016年6月29日

評価/★★☆☆☆(25点)

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ようやくまともなリメイク?とおもいきや・・・

本作品は映画ドラえもんシリーズ通算第29作品目の作品、
わさび版ドラえもんとしては第4作目にあたる。

序盤のストーリーは悪くはない。
「のび太」の部屋の畳の下が宇宙船の事故により別の時空の宇宙船に繋がってしまう
不思議な夢を見ていたのび太の前に、夢と同じうさぎが現れる・・・
というところからストーリーが始まる

テンポよく、この序盤が進む。
きれいな作画と旧作よりリファインされたキャラクターデザインは見やすく、
宇宙空間や宇宙船などにCGを用いた描写をしているものの違和感が少なく、
別の惑星の「ロップル」と「のび太」の出会いを丁寧に描き
軽快なストーリー展開で「物語」への期待感を高めていく

「コーヤコーヤ星」という遠い星の独特の世界観、
不思議なカエルや海でもないのに津波が起きる冬の季節、
重力が違うことによる浮遊感など、旧作以上に「雰囲気」作りができており、
「リメイク」ではあるものの、正統派のリメイクであることを感じさせる

特に序盤の盛り上がりところでもある「宇宙空間」での戦闘シーンは
CGは用いているものの迫力たっぷりの描写になっており、
セル画とは又違う迫力のあるシーンになっている
余計な要素、余計なキャラ、余計なセリフを足さずにあくまでも原作準拠に
綺麗な作画と新声優陣で描くことを中心に考えられていることを感じる

だが、そう感じた序盤を過ぎると台無しな要素が出てくる。
今回も前作同様、芸能人を声優として起用しており、
更に旧作にはないオリジナルキャラクターだ。
その彼女を際だたせるために旧作にはないストーリーを追加しており、
はっきりいって余計だ。演技も「こもった声」で酷い。

更に「警察」の要素。
旧作では敵の悪行を警察に伝えるような展開はなかったが、
今作では「警察」の存在をほのめかしている
ただ、別のそのシーンが必要だとあまり感じない
のび太に「保安官」的な役目を与える上での展開なのかもしれないが
どうにも必要性を感じない

しかしながら、本筋のストーリーは悪くない。
遠い惑星で「スーパーマン」として活躍する「ドラえもん」や「のび太」、
強い正義感と地球との日常のギャップなど
淡々としたストーリー展開ではあるもののSFものならではの面白みがあり、
サクサクとしたストーリーテンポとドラえもんならではの面白さがきちんとあり、
旧作を楽しんだ方でもきっちりと楽しめるリメイクに仕上がっている

全体的に見て過去2作に比べれば「リメイク」という意味合いでは成功している
綺麗な作画、CGを多用した宇宙でのシーン、サクサクとしたストーリー展開、
きちんと原作、旧作準拠で作られており、
過去2作に比べて見やすく改変されている部分も少ない

しかしながら追加要素としての「モリーナ」という新キャラの必要性がなく、
中途半端に物語に絡んできて中途半端な感動シーンを作っているため
余計にいらない感じが強く出てしまっている。
「芸能人声優枠」を作るために無理矢理作ってしまっている感じが強く、
この要素さえなければ正統派リメイクとしてもっと高い評価ができただけに、
邪魔なオリジナルキャラがいたことで作品の印象も微妙な感じになってしまっている

特に終盤の感動シーンの演技はもうどうにかならないのかと思ってしまうほど酷い
中学生の演劇部でももう少しマシな泣きの演技ができると感じるほど
「泣き」の演技が酷く、感動シーンのはずなのに思わず笑ってしまう。

さらに言えばサクサクとしたストーリー展開であるがゆえに
「あっさり」としすぎている感じが強く、
ジャイアンやスネ夫などがあくまでもサブキャラになってしまっていたり、
「ドラミ」など別に出てくる必要のないキャラが出てきたり、
キャラクターの使い方が微妙になっておらず、
そのせいでキャラクター同士の掛け合いもあっさりしすぎている印象だ

ただ、これは旧作を知っているからこその評価でもある。
どうしても見てしまってる以上、比較してしまい、足されている要素も気になる
だが旧作を見たことのない子供であれば
「ドラえもん」の映画らしい冒険感とSF、映画ならではののび太の活躍が楽しめる作品だ

前作、前々作のリメイクに比べれば十二分に「見れる」作品になってる
旧作の思い入れが強いほど拒否感は生まれるかもしれないが、
過去二作のリメイクに比べれば強い拒否感は生まれにくいはずだ

色々と問題点や気になる所はあり、余計な要素や微妙な改変なども多いが
1つの作品として、ドラえもんの「リメイク」映画として
ようやく見れるレベルの作品に仕上がってきてる印象だ。

個人的に気になったのは「別れ」のシーンや終盤、
早足に展開してしまっているのは気になった
妙にあわただしくバタバタと物語が終ってしまっている感じが強く、
本来なら感動できるシーンのはずの別れがなんだかあっさりとしているのは
もう少し何とならなかったのかと感じる点だ

年々少しずつ見れる作品になっている「新ドラえもん」映画。
次回作こそ名作が生まれることを期待したい。