プレーンズ2/ファイアー&レスキュー

2016年6月29日

評価/★★☆☆☆(28点)

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一作目よりはマシだが・・・

本作品はプレーンズの続編。
監督は一作目から変更されている

基本的なストーリーはアクション。
農薬散布機だったダスティがレースで優勝し人気ものになった
イベントに引っ張りだこな彼だったが・・・ある日、致命的な故障を負う
というところからストーリーが始まる。

序盤のストーリーは非常に丁寧だ。
彼はもともと農薬散布機だ、そんな彼が努力しレースに優勝した
しかし彼の身体は基本的にレース用ではなく「農薬散布機」として出ている
無理をした結果「ギヤボックス」が壊れ、代わりのギヤボックスはない
一定速度以上出してしまうとエンジンが停止するようになってしまう
せっかく手に入れた栄光、せっかく手に入れたレーサーという立場を失う。
彼は焦りから事故を起こし、火事を発生させてしまう。
責任を感じた彼は「消防士の資格をとるために旅立つ

プレーンズという話はもともと無理のある話だった。
トントン拍子でまるでダイジェストのようなストーリー展開でレースが進み、
ただの農薬散布機がどんどんとレースを勝ち抜いてしまう。
回りはレース専用の機体なのにものすごい速度が出る設定に違和感があり、
設定の練り込みの甘さが目立ってしまっている作品だった

しかしプレーンズ2では1作目のその練り込みの甘さをあえて受け入れ
ダスティを故障させる事で一作目の感じた違和感がなくなる
もともと「農薬散布機」だった彼がもとの職業には戻らず、
「空から水を撒く」消防士になる展開は自然な流れだ

そして消防士としての活動。
それぞれの車や飛行機にきちんと「役目」を与え、
それを丁寧に1つずつ描き、1台1台の行動にきっちりと「意味」を持たせることで
キビキビと彼らが行う初夏活動が単純かつ素直に面白いと感じられる。

空から水をまき、枯れ木に燃え広がらないように避け、火の中に居る仲間を安全な所に運ぶ
1台1台の連携プレイが心地よく描かれることで思わず細かい部分まで目が行ってしまい
同じシーンをもう1度見たくなってしまうような圧倒的な書き込み具合だ

普通の人間のキャラクターたちによる消防活動ならここまでの面白みは出ないだろう。
飛行機や車が生きている世界だからこそ、ただの消火活動がドラマチックに
ただの消防活動が見応えのあるアクションシーンになっている。
この作品の「世界観」だからこそ描けて面白いストーリーだ

この作品は一作目と打って変わってものすごく丁寧だ。
一人ひとりのキャラクターの描写、消火活動のシーン、ダスティの訓練のシーンと
1シーン1シーンにきちんと意味があり、1シーン1シーンをきっちり作りこんでいる
ただ本筋のストーリーが練り直しな感じが否めない。

カーズ1、プレーンズ1と同じような「ストーリーパターン」担っている感じが強い。
実力はあるが落ちぶれている主人公、
そんな彼に対して厳しく当たる過去に栄光を掴んでいたキャラと
キャラクターの立ち位置がものすごく似ており、王道といえばそれまでなのだが
王道の中でもカーズ系のストーリーのパターンを感じてしまう。

更に言えば主人公であるダスティの苦悩があまり描かれない。
レースの参加できなくなった悩みや、自分が原因で火事が起こってしまうことなど
本来ならもう少し葛藤してもいいところを序盤は「さらっ」と受け流して
ポジティブにとらえている感じが強い。
ある意味ダスティらしく、子供向けの機能なのだからシリアスな要素を排除したと考えれば
納得できなくもないのだが終盤でいきなりダスティがめんどくさくなる。
一作目もそうだが2作目でもダスティという主人公を好きになれない

ただこの作品は「消防士」というのが本筋だ、その点だけでこの作品は評価できる。
「山火事」というものをほんとうに丁寧に描いている。
いざ山火事になったときの避難の仕方、燃え広がり方、消火作業、
これを「子供向け」だからと割りきらずにきっちりとリアルに描くことで
「火」というものの恐怖を生々しく感じることができる

だが決定的にキャラクターの魅力にかけてしまっている。
特に主人公であるダスティは一作目から魅力にかけていたが、
今作では彼の心理描写がよくわからず、急に反発したり、急に意固地になったり
そんな心理描写なのにもかかわらず
そんな彼の心理描写の中で唯一分かる「ギヤボックス」の変わりがないという決定的事項が
終盤でひっくり返る。
レーサーとして活躍した彼の挫折、そこから消防士への転身という意味がなくなってしまう
変わりはないが新しいものを作りましたと言われてしまうとちょっと拍子抜けだ

全体的に見て一作目よりは見れる作品だ。
一作目はダイジェストのような展開でひどい作品だが、
2作目はきっちりとした王道ストーリーで、その中で「消火活動」というものを丁寧に描く
1台1台の細かい動きから「役割」を感じさせチームでの「消火作業」のシーンが面白い
だが、そんな消火作業のシーンで活躍するキャラクターたちの描写が甘く
感情移入できず魅力にかけるキャラクターの王道ストーリーは微妙でしか無い

序盤は本当に期待できた。はっきりいって一作目の否定とも言える内容だ
「ダスティってただの農薬散布機でしょ?一位ってw」という気持ちから
「無理して一位になったから壊れるはず、よしレーサー引退させよう」という展開にしたのは面白く
一作目のサクセスストーリーからあっさりと状況が変わり、
ダスティという主人公の葛藤を描くのは面白い試みだ

だが、その「葛藤」の描写が甘くダスティという主人公をいつまでたっても好きになれず
彼以外のキャラクターのキャラクター描写も甘いため
結局印象に残るのは「消火活動」のシーンくらいでメインストーリーの面白さがない

終盤であっさりとサクセスストーリーからの転落のキッカケでもある
「ギヤボックス」が治ってしまうことで拍子抜けしたまま
ストーリーの余韻もなくあっさりと終ってしまう。
ギヤボックスが治るならダスティの葛藤は何だったんという感じが強く、
色々とストーリーの練り込みの甘さを感じてしまう作品だ。

一作目も見ていない人に軽く例えて説明するならば
農家だった主人公が長距離マラソンで一位になったのが1作目、
2作目は長距離マラソンの選手として有名になったのに心臓病を患ってしまい長距離走れなくなり
消防士に転身したのだが、消防士専属の医師が彼の心臓をあっさり直してしまったという感じだ
見ていない人にもこの拍子抜け感が分かってもらえるだろうか(苦笑)

プレーンズシリーズは三部作のようなので
もしかしたらプレーンズ3では大化けするかもしれない。
密かに期待してはいるものの、そもそも主人公に魅力がないので
プレーンズ3も同じような感じになりそうな印象は拭えない。

色々と気になる点はあるものの一作目に比べれば二作目のほうが面白く、
アクションシーンの派手さや細かい動きの描写は流石ディズニーと言いたくなる出来栄えだ
大人の鑑賞に耐えうる作品ではないが、子供が見るにはそこそこ楽しめる作品だろう