「キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series」レビュー

評価 ★★★★☆(69点) 全12話

あらすじ 世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい。引用- Wikipedia

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起承転結の美しさ

原作はライトノベルな本作品。
キノの旅のTVアニメとしては「二作目」になるが、
映画が2つほど作られたりしていた。
一作目とは違い製作会社とキャストを変更してリメイクという形になっている。
監督は田口智久、制作はLerche

見出して感じるのは初見に対する優しくなさだろう。
「キノの旅」は有名な作品ではあるものの、
18年前に一巻が発売されている今や結構古い作品だ。
少年のようにも見える少女である「キノ」がバイクに跨り様々な国へと旅をする。
キノの旅

コレ自体は分かりやすい設定ではあるものの
「言葉を喋れるバイクのエルメス」という存在はやや説明がないと
一瞬、誰が喋ってるんだ?となってしまうかもしれない。
キノ以外の登場人物もエルメスを自然に受け入れている。

喋るバイクといっても口があるわけではない外見は紛れもなくバイクだ。
小説で読むとこの「エルメス」という存在は自然に受け入れられるのだが、
アニメという媒体にするとやや違和感を感じざる得ない。

前作のキノの旅はお世辞にも作画が良いとは言えなかった。
2003年の時代ならではの空気感やCGにも手書きでもないような作画の質感など、
おそらく今1話を見ると古臭く感じてしまう。味はあるのだが、クセが強い。

今作では作画が圧倒的に綺麗だ。
デジタル作画の技術も向上下おかげでもあると思うのだが、
この「キノの旅」という作品が本来持つ作品の空気感を美しく描こうとしており、
クセがなく見やすい
キノの旅

いわゆる「空気感」が素晴らしい。
セリフとセリフの間まできっちりと考えられた世界の空気を感じさせ、
キノが訪れる国ごとの「匂い」を感じさせるような背景描写と美麗な作画は、
「キノの旅」という作品の世界観を描く上で大切な空気感を大事にしている。

話の構成も素晴らしい。基本的に1話で1つの国で物語が完結する。
特徴のある国々をキノがエルメスにまたがり訪れ、また去っていく。
キノは1つの国に長く滞在しないというルールが有る。

それぞれの国にもまたそれぞれの特徴がありルールが有る。
「殺人が許されてる国」、「常に移動し続ける国」、「嘘つきの国」、
その国ならではの特徴やルールが話の内容にもつながり、
どの話も話の「起承転結」をきっちりと感じさせ、
1つ1つの話がきっちりと印象に残る。
キノの旅

どんな話でもどんな国でも1話の中でまとめている。
原作ではもう少し長く描かれている部分やカットされてる部分も多いと思われるが、
「アニメ」としての媒体に落とし込み見やすくするためであり、
だからこそ、1話の中で起承転結の面白さを感じさせる

淡々とストーリーは進む、だが、テンポは良い。
キャラクターのセリフにきちんとストーリーを描く上での意味があり、
ちゃんとした「伏線」になっている。
だからこそ見ていて飽きず、1シーン1シーンが1話の起承転結を作り上げており、
1話1話しっかりと面白い。

セリフのセンスも素晴らしい。
「明確な言葉」ではなく見てる側に「察させる」ようなセリフや描写をしており、
余計なセリフというのを排除している。
だからこそストーリーは淡々としているがテンポはよく感じ、ダレない。
ときには優しく、ときには厳しい、その1話1話が面白い。
キノの旅

キノ以外の旅人も描かれる。
それは元王子だったり、元奴隷の少女だったり。
キノだけではなく彼らの旅も描くことで「閑話休題」的な効果を発しており、
ダレず飽きさせず1話から最終話までしっかりと噛みしめるように楽しめる

惜しむべきは1クールで終わってしまったことだろう。
変に引き伸ばさず淡々とだがテンポよく描かれるストーリーは
1度見たことのある、読んだことのある話でも新鮮に感じ、
いいリメイクだったといえるだろう。
キノの旅

総評

全体的に見て素晴らしい出来栄えの作品だった。
基本的に1話完結でキノの旅を描き、
訪れる国の癖のあるルールや風習が話の面白さになっており、
原作が短編集だからこそ「起承転結」を感じさせるストーリー構成になっている。
変に引き伸ばさず1話1話違った面白さを感じさせてくれた。

おそらく好みはあるだろう。
それは「キノの旅」という作品に対する好みだ。
良くも悪くも「察させる」台詞回しや空気感があり、
ストーリーも分かりづらいと言う人もいるかもしれない。

文字という媒体と映像という媒体での印象も違う部分もある。
複数話にまたがるような構成にはせず基本的には1話の中で物語が完結しており、
そのせいでやや「あっさり」としたエピソードもあるが、
前作に比べれば圧倒的に見やすい「キノの旅」であり、
逆にこれをきっかけに文字媒体でもう1度キノの旅を楽しむのも良いかもしれない。
キノの旅

個人的な感想

個人的にはキノの旅は原作を少し読んでいて前作のアニメも見た。
しかしながら意外と忘れている話も多く、
1度読んだ&見たはずなのに新鮮な気持ちで楽しめた作品だった。
あとがきの国の演出は秀逸でアニメーションという媒体をうまく活かしていた

2期・・・いや3期というのはあるのだろうか?
根強い人気のある作品なだけにいつかまたやるかもしれないだけに、
期待したい所だ。

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