魔法戦争

2014年6月10日

☆☆☆☆☆(5点)

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酷いものをみた、これはアニメ作品として1つの作品の域に達してないんじゃないだろうか・・・

原作はライトノベル。
アニメーション制作はマッドハウス、
ちなみに監督は「劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影」と同じ監督だ。

開始1分で作画崩壊ギリギリ。
そんなアニメがいくつあるだろうか(苦笑)
作画崩壊のある作品でも「1話」は基本的にどの作品も気合がはいっていることが多い
スケジュール的な余裕や1話の印象を良くするために「1話」の作画は気合が入って当然だ。
しかし、この作品は開始1分からヒロインの顔が思わず「え・・・大丈夫このアニメ?」と
壮絶な不安を感じさせる出来栄えだ

更に言えば「OPアニメーション」。
これは基本的に毎話流れるもので、稀な例を除いて1話から変化することはない。
しかしながら、この作品はそんな変化することのない完成されたOPでさえ作画ギリギリだ(苦笑)
特にキャラクターが遠くにいる時の作画のレベルが異常に低く、
手を抜いているのを画面の端から端まで感じることが出来る
OP自体も見てもらえば分かるが、まあ・・・動かない(苦笑)
思わず別の意味でOPから笑える。

基本的なストーリーはファンタジー。
朝練のために学校に訪れた主人公、部室に訪れるといきなり少女が部室から飛び出し倒れた
そんな彼女を保健室に運ぶと・・・魔法を使った戦いに巻き込まれていた
というところからストーリーが始まる

前述したように作画は常に不安定だ。
特にキャラクターの作画はカメラアングルが遠くなればなるほど崩壊しかけ、
場面によっては明らかに手を抜いた描写の数々だ。
安定している話もあるのだが、終盤の話の山場になっても
基本のキャラクターデザインとかけはなれた顔の描写になっている場合も多い
魔法戦争というタイトルの通り「戦闘シーン」が多いアニメでもあるのだが、
アクションシーンでも手抜きが目立つ。

エフェクトだより、キャラクターのアップだよりで
「アニメーション」としてのバトルシーンの面白さではなく、
1枚絵を繋げているだけの戦闘シーンに見えてしまう。
これが90年台のアニメならば納得できるかもしれないが、
2014年にもなって、デジタル作画でここまで「作画枚数」の少なさを感じさせる戦闘シーンは
単純に見ていてつまらない。

魔法を使うアニメらしく「詠唱」シーンも有るのだが、これも演出が悪すぎる。
本来ならもっと派手なエフェクトで画面に迫力を出さないといけないシーンでも
中途半端な演出やエフェクトで迫力よりも「手抜き」を感じさせる出来栄えで
キャラクターのかっこよさ、キャラクターの可愛さが画面から伝ってこないのは
バトルファンタジーアニメとしては致命的だ。

その割にはセクシーなシーンだけは妙に作画に気合が入る。
だが、これで普通のシーンの作画のレベルが普通なら素直に楽しめるのだが、
普段の作画がギリギリで、セクシーなシーンだけ気合が入っていても
見ていて苛立ちすら感じてしまう。
体の描写のレベルは高くても「表情」は崩れ気味なのでセクシーさも感じない

更に1話から見る気をなくすほどの専門用語だらけのヒロインの解説。
作品の「世界観」「設定」「キャラクターの立ち位置」など
盛り込まれた設定が多いほど解説が必要になるが、
それを「専門用語」をバンバン使いながらヒロインが一人でどんどん説明する。

こういった世界観や設定の説明と「巻き込まれ型の主人公」の場合は
徐々に徐々に明かされていくのが面白いのであって、
説明口調でヒロインに説明ゼリフを延々と喋らせても頭にも入ってこず
頭にはいってこなければ「面白い」とは感じない。
これが1話だけならマダ許せるが、2話でも3話でも説明が入る。

はっきりいってストーリー構成が恐ろしく稚拙だ
説明セリフがゆっくりと話せるような状況ならば理解できるが
「敵に追いかけられてる」状態でも悠々と説明する(苦笑)
ストーリーの流れの中で自然に設定が明らかになっていくのがこういった作品の面白みでもあるのだが
まるで赤ん坊に歩き方を教えるがごとく1~10まで丁寧に説明してくれる。

更に言えば1話からもうやりたい放題だ。
典型的なボーイミーツガール的な展開をやったかと思えば、
「魔法使い」ではない人間がどんどん魔法使いになる、
例えは悪いが1話で3人転校生が来たような感覚だ。
勢いに任せて色々なことをやりすぎており、
その勢いや展開のめちゃくちゃさが根本的な面白さにつながらない。
はっきりいってしまえば、ただストーリー展開が酷く雑なだけだ。

そして根本的な欠点は「設定の新鮮さ」がないということだろう。
過去の作品のツギハギだらけのような設定の積み重ねは
新しい設定が出る度に強い既視感を覚える。
よく言ってしまえば「王道」とも言えるのだが、王道にすらなりきれていないツギハギだ。
中二病的な設定も多く出るのだが、その設定の数々も中途半端で中二病にすらなりきれていない。

更に言えば設定を詰め込み過ぎだ。
もう本当に色々なアニメやゲームや漫画の設定をどんどん躊躇なく盛り込んでおり、節操が無い。
「このアニメオリジナルの設定」と思える部分が殆ど見つからず、
新しい設定が出れば出るほどツギハギ感が強まり、
ツギハギ元の作品がすぐに浮かぶほど分かりやすく、悪い言い方をすればただのパクリだ。

既存の作品の設定を取り込むのは問題ない。
それを既存の作品を感じさせないほど自然かつ、作品の面白さに直結するようならば
「パクリ」という言葉は思い浮かばないだろう。
節操無くいろいろな作品の設定を取り入れているだけで、
取り入れて、つなぎあわせた結果が面白くなっていなければ、ただのパクリでしか無い。

そんなツギハギだらけの設定を元に雑な戦闘シーンを雑な作画と雑な演出で繰り広げ、
更には雑なストーリー展開まで見せつけてくれる。
序盤からこの作品にかける制作スタッフの「気合」が全く感じず、手抜きしか感じない。
これで「同人作品」なら納得できるが・・・とてもじゃないがプロの仕事には思えない。

強引すぎるストーリー展開は説得力が一切なく、
本当はもっと重用な設定や描写のはずの「主人公たちが魔法使いの住む世界に残る」という展開も
説得力がなく、すべての展開が強引で、雑だ。
ただ、ここまで雑だと本来は逆に「ネタ」として楽しみ「ツッコム」ことで楽しむことも出来る

だが、このアニメの場合はネタとしても楽しめない。
オリジナリティのない設定で作られた雑なストーリーはツッコムというよりも「呆れる」場合が多く
キャラクター描写も酷く浅いため、キャラクター同士の関係性の話など
心底どうでもいいと感じてしまう。
ヒロインと主人公の恋愛事情や三角関係なども描写されるのだが、
展開が強引過ぎて、本当にどうでもいいと感じてしまう。

これでヒロインがせめて可愛く見えるならまだマシなのだが、
ヒロインの心理描写が「すっきり」としないものが多く、ネチネチっとしている。
外見や声、セリフや態度は可愛くても。どこかネチネチとして面倒くさいヒロインを
可愛いと思うのは困難だ。
ラブコメ要素でヒロインを可愛く見せないのは致命的だ。
キャラクターに感情移入できず、常に蚊帳の外で傍観しているような感覚になってしまい
突っ込むことすら億劫だ。

ストーリー展開も酷く遅く、1話は色々と忙しい展開だったのに対し
2話以降は「ゆっくりゆっくり」としか進まない。
序盤から中盤までの重用な要素の1つとして「敵に操られているヒロインの兄を救う」という
ストーリー展開があるのだが、これが6話までかかる(苦笑)
6話までかかったわりには、あっさりと兄を救出できてしまい
尺の割に結果に至るまでの行程と結果に面白みが生まれていない。

ストーリーが進むときは進む時で自然な流れではなく強引で、
ヒロインが身勝手な行動したり、敵が急に現れたりと
ストーリーの「流れ」というものがなく、常に唐突だ

例えば魔法使いになった主人公が初魔法を使うという場面すらも唐突だ。
その魔法を練習する様子や、その魔法を教えてもらう様子もなく
いきなり戦闘中に初魔法をいきなり使う。いつ覚えたんだと突っ込むのも忘れてしまう。
ストーリーの流れや積み重ねを無視したストーリー構成は最悪としか言い様がない
何かしらのイベントが起こっても、そのイベントの回収や消化が有耶無耶な感じになることも多く、
見れば見るほど「モヤモヤ」っとした感情が募っていく

終盤の展開も「わかっている」展開をわざわざ見せられている感じが強く、
予想できる展開ばかりを平然と描写する、
わかっていても演出や描写の仕方一つで面白く出来るのが「アニメ」という媒体でもあるが、
この作品は「アニメ」というにはあまりにもお粗末すぎる。

更に10話になって「新キャラ」が出たり、新しい組織が出たり、戦争が再開したりと
「収集」をつけられるのか?と感じるほど、ストーリーも設定も展開もめちゃくちゃだ。
それでせめてキャラクター描写さえしっかりしてくれればついていけるが、
キャラクター描写も浅いため、もうついていけない(苦笑)
そしてこのアニメは、アニメとしては「やってはいけない」事をやらかす。

投げ出したのだ。
1クールのアニメを「一区切り」するわけでも、「まとめる」わけでも、
「俺たちの戦いはこれからだ」という展開になるわけでもない。
ストーリーをまとめるという1つの作品において1番大事な作業を投げ出し、
それまで1から10まで丁寧に説明していた設定やストーリー展開を
最終話では「何も説明しない」という強行手段に走る。

見ていない人にわかりやすく言うと
そもそも11話の終わりから、12話の始まりに話が繋がっていない(苦笑)
11話の時点でヒロインを助けるために主人公は敵のアジトに居たのだが、
12話が始まると何故か主人公は家に戻っている。繋がっていない(苦笑)
更にはそこから説明不足全開の意味不明なストーリーを展開し、
なぜか主人公が過去に飛んで最終話が終わる
本当に意味がわからない。

全体的に、この作品をアニメ作品として認めることは出来ない。
レベルの低い戦闘アニメーション、極力手を抜こうとする作画の数々、
決めのシーンや迫力を出さないといけないシーンでのセンスのない演出、
アニメーションとして楽しめる部分は皆無だ。
ストーリーは強引かつ唐突な展開でストーリーを進め、
最終的には1つの作品としては絶対にやってはいけない「投げっぱなし」の展開で終わらせる。

なまじ、声優さんがしっかりとした演技をされる方ばかりなのもネタアニメとして
楽しめない要因の1つだろう(苦笑)
宮野真守さんの通常時の主人公と熱血な感じの時の演技の使い分けや、
東山奈央さんの可愛らしい声としっかりした演技、
瀬戸麻沙美さんの嫉妬深いヒロインの演技など、
しっかりした演技をされる方ばかりなので逆にネタとしても楽しみづらく、
演技力がある分、キャラクターの唐突な行動やストーリー展開が滑稽に見えてしまう。
逆に新人声優さんのほうがこのアニメをネタとして楽しめたかもしれない。

更に言えば、この作品、相当原作をいじっているようだ。
ネットで集めた情報でしかないが、本来はまともなストーリー構成になっている部分を
アニメでは無理に端折ったり展開を変えたりしているようだ
変えた結果が面白ければ、原作の内容をいじることには私は反対しないが、
変えた結果が面白く無いなら、原作に対して失礼だ。

投げっぱなしで終わっても「2期」があるならばまだ救いがあっただろう。
だが、アニメオリジナルが多すぎて2期に繋げることすら厳しいらしい(苦笑)
原作者に対して本当に失礼でしか無い。

本当に何がしたかったのだろうか?
全話にわたって安定しない作画は予算の低さも感じるのに、その一方で声優陣は変に豪華だ。
これで新人声優ばかりなら予算が本当にないんだなとも感じるのだが・・
更に原作があるのにアニメオリジナルを入れまくってストーリー構成をおかしくしたり、
最終話が投げまくりだったりと、この作品で何がしたかったのか本当にわからない。
全12話みたのに、何も見終わっていない感覚だ・・・(苦笑)

2期は恐らく無いだろう。こんな作品の続編が同じスタッフで作られてはいけない。
そう考えると原作が不憫でならない・・・
せめて、近いうちがあれば漫画版か原作を読んでみたいと思います。