ソウルイーターノット!

2015年1月22日

評価/★★☆☆☆(37点)

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もう少し作画が良ければ・・・

本作品は「ソウルイーター」の外伝的作品のアニメ化。
ソウルイーターの本編より「1年前」の話となっており、
ソウルイーターを見ていれば楽しめる部分も多いが、見ていなくとも大きな問題はない。

見出して感じるのは主人公の声が気になる点だろう。
ソウルイーターの伝統芸と言ってはある種失礼でもあるのだが
ソウルイーターの主人公は「マカ棒」と呼ばれてしまうほど当時は棒演技が目立ち
本編の内容よりもソッチのほうが記憶に残ってる人も多いだろう。
小見川千明さんはあの作品がデビュー作品だったので仕方ない面もあり、
本作品にも登場しているが、マカ棒と呼ばれていた時と比較すると
演技力が増しており、素晴らしい声優さんになられた。

そしてこの作品、外伝的でありながらそれを受け継いでしまったようで
主人公を演ずる「千菅春香」さんの演技が正直厳しい。
声の癖に関しては小見川千明さんよりも少なく、
いわゆる棒演技と呼ばれるほど酷くはないのだが中途半端な演技と若干癖のある声質、
そしてソウルイーターという作品から来るイメージのせいで気になる人は気になるだろう。
モノローグも多くセリフ量も多いため余計に気になる部分が強い。

ただセリフ量があるだけに中盤以降は慣れることができ、
演技力も上がってくるので中盤以降はほとんど気にならない。
この短いスパンの間に演技力がどんどん上がっていく様を感じることができるだろう。
ある意味で貴重な作品だ。
今から見る方はヒロインの「ガガントス」の言い方に着目してもらいたい。
1話と中盤以降で言い方が変わっていることに気づくはずだ

内容的には「学園日常もの」だ。
入学した武器の主人公と、職人二人のヒロイン、
入学当初に起きた事件をキッカケに仲が良くなるが
主人公はどちらからも相棒として希望されるが・・・というところからストーリーが始まる。

序盤は学園モノとして要素が強い。
女子寮で3人で同棲生活をしたりバイトをしたり、少しおかしな先生や同級生に
囲まれながら学校生活を描いているが、あくまで日常ものだ。
「激しいバトル要素」や「ファンタジー」作品ならではのワクワク感はなく、
3人のメインキャラクターたちの日常模様と可愛さをひたすら描いている感じが強い。

だが、その割にはパンチがない。
作画的に崩れこそしないものの質はあまり高くなく、
たまに微妙に「下着」などのパンチラ的セクシーシーンはあるのだが、
はっきりいって中途半端な描写すぎて描かないほうがいいんじゃないかと感じるほど
微妙なセクシーシーンだ。

そしてキャラクター。メインで描かれる3人のうち2人の特徴が薄い。
普通の主人公、ちょっと忘れっぽいヒロインと分かりやすいキャラクター性ではあるのだが、
そのわかりやすさ以上の魅力がなく
淡々とした日常描写だからこそキャラクターの魅力が強くなければ厳しいが、
淡々とした日常描写の中でキャラクターの可愛さがあまり感じられない。

序盤はツンデレお姫様なヒロイン「アーニャ」の可愛さというより
「早見沙織」という声優さんの演技に救われている部分が大きい。
彼女のツンデレお姫様演技はシンプルでありながらガツンと可愛さに繋がっており、
他の二人のキャラクターを食ってしまっているほどキャラクターとして強い。
だが「アーニャ」というキャラクターが居るおかげで話が進むと他2人のキャラも深まってくる

普通の主人公とおっとりしたヒロイン、
アーニャの魅力に引っ張られるように話が進むと彼女たちにも愛着がわき、
彼女たちの「ちょっと百合」な学園日常ストーリーがほっこりと面白い
淡々と1話1話の内容は若干薄くはあるのだが、
ファンタジー作品でありながらの「日常」ものとしての面白さは妙な新鮮さを生んでいる。

そして話が進むと「百合描写」が強まってくる。
3人のメインヒロイン達やサブキャラ同士の百合要素など
いわゆる女の子同士のイチャイチャが目立つ。人によっては嫌いな要素かも知れないが、
キャラクター描写が深まることでより百合描写も増えていくことで
キャラクターに愛着を持ちやすくなる。

しかし、せっかくキャラクターに感情移入が強まってきたところで
話がシリアスな方向へとシフトする。
シリアスなファンタジーストーリーと萌えな日常描写が咬み合っておらず、
シリアスにしたかと思えばすぐに日常描写に戻すため中々本筋が進まない印象も覚える。

本来の本筋は「主人公がどちらのヒロインを選ぶのか」というのが本筋だが、
その本筋を進めるために魔女などの要素を絡めた結果、妙にシリアスが重くなってしまい、
この作品らしい日常描写から生まれるシリアスになっておらず不釣り合いな感じが強い。

逆に9話のように短い話がオムニバス形式で詰まっている話などはよくできており、
ギャグ要素も強くキャラクターの魅力もきっちり出ていた。
シリアス要素を完全になくせとは言わないが、
シリアス要素はこの作品には必要なかったかもしれない。
シリアスのシーンが少ないのにインパクトは強いため
日常をやりたいのかシリアスをやりたいのか、両方やりたいのか見ている側が受け止めにくい

全体的に見て色々と中途半端な作品だった。
百合百合な日常描写は話が進むとキャラクターへの愛着も相まって楽しめるのだが、
そのせっかく楽しんでいる日常描写をシリアス要素が中途半端に邪魔をし、
そのシリアス要素の部分も「作画」がかなり足を引っ張っており持続せず、
決めるべきシーンの作画すら崩れているせいで締まらない。

もう少し作画のレベルが高ければ日常描写でのセクシーシーンや
シリアス描写での戦闘シーンなども楽しめたのが本当に残念だ。
ストーリー的にも盛り上がりそうで盛り上がらない場合が多く、
日常描写は日常描写、シリアス描写はシリアス描写でもう少しメリヘリも欲しかったところだ。
面白い部分もあるだけに中途半端に終ってしまったのは残念でならない。

さらに言えばキャラクター数の割には掘り下げが甘い。
結局居てもいなくても問題がなかったキャラクターも多く、
キャラクターのインパクトの割には掘り下げるような話も少ないキャラばかりで
もう少しキャラクターを削ってすっきりさせてもよかったのでは?と感じるところだ
「ソウルイーター」本編のキャラも出まくるため余計に掘り下げが甘くなってしまっていた

原作は完結しており、本編の原作も完結しており
売り上げ的にも爆死しているため2期の可能性は低いだろう。
ソウルイーターという作品が好きだった方にはファン的要素も強いのでおすすめできるが、
色々と「なんだかなー・・・」という微妙な感情が生まれてしまう作品だった

個人的には小見川千明さんの演技が逆に棒じゃなくなって少しさみしかった(笑)