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これぞ韓国式ディズニー映画?「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」レビュー

2.0
KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ アクション
画像引用元:©️Netflix
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評価 ★★☆☆☆(26点) 全88分

TWICE「TAKEDOWN(ジョンヨン / ジヒョ / チェヨン)」リリックビデオ | KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ | Netflix Japan

あらすじ 大人気K-POPガールズグループ「HANTRIX」のルミ、ミラ、ゾーイは実は魔物と戦う3人組デーモンハンターの継承者。 引用- Wikipedia

これぞ韓国式ディズニー映画?

本作品はNetflixオリジナル作品。
監督はクリス・アペルハンスとマギー・カン、制作はSony Pictures Animation

K-POPハンター

この作品はフルCGで作られている、
いかにも「海外」という感じの雰囲気あふれるデザインは
あまり日本受けするようなデザインでもなく、たまにカクカクするような
フレームレートが落ちるような感覚になる。
かなり癖のあるデザインだ。

そんな雰囲気の中でこの作品の独特の世界が広がる。
この世界には魔物がおり、いつの時代も3人組のハンターが選ばれ、
歌や踊りで人々を魅了することで魔物がコないように「バリア」を
張る力を持っている。

そういう設定があるからこそこの世界のデーモンハンターは
人々を魅了しなければならい、だからこその「K-POP」アイドルだ(笑)
3人の主人公はアイドルであり、デーモンハンターでもある。
K-POPアイドルとしての活動をしつつデーモンハンターとして
魔物を倒す日々を送っている。

しかも戦闘は「歌いながら」だ。
どこの戦姫絶唱シンフォギアだといわんばかりの歌いながらのバトルは、
シュールさや面白さというよりは「オシャレさ」を出しているのはわかる、
どことなくこの手のアイドルのMVでも見てるかのような戦闘シーンであり、
それが面白さに放っていない。

k-POP風の曲と魔物と戦闘というのも致命的にあておらず、
戦闘中だろうとドライヤーで紙をセットしたり、魔物にメイクしたりと、
戦ってるのか歌ってるのかふざけてるのかよくわからない絵面だ。

TWICEなどが楽曲提供をしているようで、
そういうK-POPネタを楽しめる人ならば楽しめる部分もあるのだろう。
しかし、日本の1アニメオタクにはやや厳しいところがある。

序盤でライブしながら魔物を倒したかと思えば、
新曲が発表されまた歌って踊り、MVが流れる。
ずーっとMVを見ているかのような印象で退屈だ。

そんな退屈な中でハンターの一人である「ルミ」の
声がうまくでなくなってしまう。
彼女はハンターの母と魔物の父を持つがゆえに
体には魔物の模様があり、どんどんとそれが広がっていっている。
同じグループの二人にもあかせない秘密だ。

K-POP魔物

魔物たちはハンターよりも劣勢だ。
バリアの色も濃ゆくなり、魔物が人間たちの領域に入れなくなるときも近い。
そんな中で魔物の一人である「ジヌ」はとある作戦を思いつく。
彼女たちのパワーの源は彼女のたちに魅了されたファンそのものだ。
そのファンを奪えば良い。

つまり魔物もアイドルをやる(笑)
ハンターたちが女性K-POPアイドルなら、魔物たちはK-POP男性アイドルだ。
どこかで見たことがあるような顔とスタイルの魔物と言う名の
K-POPアイドルを作り上げた魔物たち、そんな魔物にルミは恋をしてしまう(笑)

ほとんどのシーンにK-POPな曲がついており、
どちらかといえばディズニーのミュージカル映画でも見ているかのような気分だ。
これは韓国版ディズニー映画ともいえるのかもしれない。

そんな魔物は男性K-POPアイドルの正体にも主人公たちはすぐに気づくのだが、
同時に魔物であるジヌにルミは 自身が魔物の血を引いていることを知られてしまう。

魔物の真実

魔物も全て悪いやつというわけでもなく、
魔物の王のような存在が人間たちをたぶらかし、魔物に落としている。
そんなジヌの事情を知ったルミは迷い、悩む。

そういったストーリーを描きたいのは分かるが、あまりにも曲数が多すぎだ。
ディズニー映画のような映像的な面白さがあるわけでもなく、
淡々とMVを見せられている気分になる。

しかもキャラクターの掘り下げも甘く、
2時間の映画なのに掘り下げられているのは主人公であるルミと
ジヌくらいだ。ジヌの男性K-POPアイドルグループに関しては
ほぼ掘り下げもなく、ろくにセリフもない。

トントン拍子でストーリーが進み、
どんどんと魔物の男性アイドルグループにファンを奪われていってしまう。
今まで言えなかった悩み、誰にも言えなかった父の秘密を
唯一ジヌだけに明かしたルミと、ルミに自分の過去を明かしたジヌの
心は通じ合っていく。

そんな中で参加した国際アイドルアワードで、
ジヌに裏切られ、ルミの正体があらわになってしまう。

ありのままのー(笑)

結局やりたいことはディズニー映画と同じだ。
昨今のディズニー映画も似たようなテーマが多いのだが、
アナと雪の女王から続く「ありのまま症候群」だ。
ルミはずっと自分が人間と魔物のハーフであるということを隠している。

同じ志で戦う仲間にもずっと隠し続け、裸の付き合いすら拒んでいた。
そんな中でありのままの自分を受け入れてくれるジヌが現れたことで
彼女の考えも変わる、だが、そんなジヌに裏切られ、
仲間にも突き放される。

「これがありのままの私!どうして受け入れてくれないの!」

デーモンハンターとして生きるには欠点や弱さを見せてはいけない。
そんな教えを受けたからこそ、彼女は隠し続けた。
だが、すべて失ってしまったことで彼女は絶望する。

歌えば解決

ファンも失い、魔物を防ぐバリアも失い、仲間も失ったはずなのだが、
ルミがなんか歌い出すと色々なことが一気に解決する。
相当強引なご都合主義で物語が綴られており、
なにがどうなってそうなったんだ?と思うほど終盤は急展開だ。

CGのクォリティ自体は高いのだが、
アクションシーンの見せ方に関してはそこまで高くなく、
MVっぽい雰囲気もあわせて、演出面での弱さをかなり感じる。
人間のキャラデザも気になるのだが、敵である魔物の王のデザインも
なんかピンク色のもやのようになっており、かなり適当だ。

最終決戦のはずなのに敵の姿がずーっともやーっとしており、
結局「ありのまま」の自分を受け入れて、ありのままの姿の自分で
歌ったことで全部解決する。
超強引なストーリー展開にはがっかりしてしまった。

総評:韓国式ありのままの症候群

全体的に見て微妙な作品だ。
映像面でのクォリティは高いものの、演出面での弱さ、
キャラクターデザイン微妙さも多く戦闘シーンを楽しみづらい。
常にK-POPが流れ、ミュージカル的に作られているのは分かるが、
K-POP好きでないと楽しみづらい部分が強い。

ストーリー的にもかなり強引だ。
K-POPアイドルが実はデーモンハンターでファンの力で戦っている、
そんなデーモンハンターに対抗するために魔物たちもアイドルグループを作り
彼女たちからファンを奪うことで力を奪おうとしている。
この冒頭のストーリー展開はハチャメチャではあるものの面白い部分だ。

魔物とデーモンハンターのハーフである主人公という設定も
面白くはあるのだが、結局はアナと雪の女王よろしく
「ありのままのー」と歌って全部解決してしまう展開は
相当に強引であり、意味不明でしか無い作品だった。

個人的な感想:韓国

K-POPや韓国文化がわかればもう少し楽しめたのかもしれないが、
その辺の知識がほぼ無いせいもあって、よくわからない感じで終わってしまった。
あー韓国っぽい音楽だなー、あー韓国っぽいアイドルだなーと
そういう要素は感じるものの、感じるだけで面白さとして消化できない。

韓国風にディズニー映画をやるとこんな感じなんだなという
新たな視点での作品としては面白かったものの、
海外のNetflixで大人気になっているというのは
いまいちよくわからない作品だった。

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