ここ最近、オリジナルアニメ作品が非常に目立っており、
多くの作品が話題になっています。
漫画や小説やゲームといった原作があるのではなく、
完全にアニメオリジナルの作品は、アニメオタクとして応援したいところです。
2024年オリジナルアニメワースト10
しかし、完全オリジナルな作品であるがゆえに
「どうしてこうなった?」という作品も存在します。
今回はそんなどうしてこうなった?となるアニオリ作品を紹介しつつ、
その原因を考えていきます。
10位 アストロノオト

この作品悪くはなかったと思います。
作品全体として狙って古臭い感じに仕上げている作品でした。
その古臭さと癖のあるキャラクターデザインは人を選び、
令和版のめぞん一刻的なストーリーをやりたかったことはわかります。
未亡人ではなくミボー人な宇宙人なヒロインとの
ドタバタラブコメはうる星やつらのようなノリもありつつ、
最後にはロボットアニメになるような無茶苦茶さがあり、
色々とカオスな作品でした。
昭和ラブコメパロディという趣向自体は面白かったのですが、
それが面白かったのも中盤まで、
中盤からは色々と雑な部分も目立ってしまっており、
人を選ぶ上に色々ともったいない感じの印象が残る作品です。
9位 異世界スーサイド・スクワッド

この作品は完全にTVアニメオリジナルというわけではなく、
実写映画でありDCコミックのスーサイド・スクワッドの
スピンオフなアニメオリジナル作品です。
もしスーサイド・スクワッドのキャラクターたちが
なろう系のような異世界にいったら、そんなifで描かれています。
アメコミのヴィランたちが異世界にやってくる。
そのインパクトは強いのですが、完全に出落ちであり、
異世界に来ているのに結局はヴィラン同士が戦っているだけで、
ずーっと話の内容が薄い。
2期を匂わせるような伏線も厄介で、
作画こそ良かったものの、スピンオフとして
ぱっとしない作品になってしまいました。
8位 メカウデ

構想に10年、クラウドファンディングで資金集め。
この両方とも失敗したアニメの特徴でもあります。
構想に時間をかければ名作が生まれるのかといえばそうでもなく、
結果的に作品全体で「10年くらい前だったらあった」アニメっぽさが
詰まっており、今見ると古臭く感じてしまう部分もあります。
構想に時間をかけたせいかキャラクターが増えすぎており、
それを使いこなせておらず、作画に関してはそれなり。
この作品らしい要素というものがなく、放送中も
殆ど話題にならなかった作品でした。
クラウドファンディングしてアニメをやるのも
多くが失敗しており、資金集めしたはいいものの、
ぱっとしないアニメになることは少なくありません。
7位 メタリックルージュ

オリジナルアニメにかかせないのが「専門用語」です。
そのアニメの世界オリジナルの用語であり、
そういった専門用語が作品の世界観を作り上げます。
しかし、1歩間違えると意味不明なものになります。
この作品はまさにそんな失敗をしている作品でした。
この作品のキャラは変身して戦うのですが、
その変身前と変身後の名前が違います。
例えば主人公の名前はルジュ・レッドスターなのですが、
変身後はメタリックルージュと呼ばれます。
これだけでまずキャラが把握しづらく、更に
宇宙人的な存在が二種類いて、来訪者と簒奪者と呼ばれています。
彼らも別名があり、来訪者はゼノアと呼ばれたり、
簒奪者はユノイドといった別名もあり、固有名詞が複数あるせいで
もうごっちゃゴチャです。
制作側が「見ている側に伝える」ことをしておらず、
自己満足に陥り、自分の頭の中だけで物語を完結させてしまっている。
これもオリジナルアニメでありがちな失敗の1つです。
6位 リンカイ

競輪を題材にしたオリジナルアニメなのですが、
この作品はとにかくキャラクターが多い作品でした。
全国にある競輪場をモチーフにしたキャラクターが登場しているのは
わかるのですが、そんなキャラクターたちが取り憑かれたように競輪を始めます。
5人のメインキャラが動画配信サイトのオフ会として出会い、
初めてリアルで競輪を見ることになります。
すると5人が5人とも取り憑かれたように競輪を始める展開は
かなり強引であり、肝心の競輪の描写に魅力がないのも致命的でした。
作画に関しては全編にわたって微妙で、
競輪を題材にしたアニメのはずなのに競輪のシーンが微妙というのは致命的です。
キャラクターも1話の時点で10人以上出てきて
ドバドバと出てくるだけで魅力がない。
せっかく掘り下げたキャラが途中退場してそのまま帰ってこなかったり、
主人公が終盤ずっとうじうじしてたりと、致命的にキャラ描写が浅く、
キャラの印象がつかないまま終わる、
1話から最終話までずっと微妙な印象が残る作品でした
5位 ぶっちぎり!?

東京リベンジャーズやWIND BREAKERなど
いわゆるヤンキーものは定期的に流行るのですが、
この作品もそんな波に乗れと言わんばかりの作品でした。
戦国時代にあえて鎧を身にまとわず刀を使わず
拳のみで戦っていた本気人という伝説が残る日本、
主人公はある日「拳銃」を拾い、その拳銃の銃弾が
自らのこめかみにうち込まれてしまいます。
すると彼の前に本気人が現れます。
いわゆるアラジンにおけるジーニーのような存在なのはわかるのですが、
主人公がそんなジーニー的な存在と合体して喧嘩をします。
ヤンキー同士のどうでもいい抗争は心底どうでもよく、
本気人の設定もブレブレで、アラビアンな世界からきた本気人も
なんなのかよくわからないまま終わります。
ヤンキーアニメにアラビアンな要素を合わせる、
斬新な組み合わせではありますが、それを活かしきれていない。
設定で個性を出そうとして失敗するのも
オリジナルアニメにありがちな要素です。
4位 ターミネーター0

Netflixオリジナルアニメとして制作された本作品。
ターミネーターもいくつも実写映画が作られていますが、
この作品、びっくりするくらい全員無能です。
ターゲットも殺せず3人いる子供を捕まえられないターミネーター、
AIとずっと似たような会話を繰り広げている科学者のおじさん、
特に役に立たない未来からきた女戦士、自分勝手に行動し続ける子どもたち。
今作の舞台は日本なのですが、ほとんど日本人がメインキャラにおらず、
ハーフなキャラや黒人などポリコレめいたキャラ設定で
魅力的なキャラクターは0です。
テンポも異常に悪くグダグダで、全員イライラしながら
ウジウジしており、メインキャラがターミネーターに追われながら
科学者のおじさんがAIと対話し続ける様子を見せられます。」
最終話では急に色々と風呂敷を畳もうとしているのですが、
畳みきれておらず、消化不良で続編を匂わすラストはひどいものでした。
3位 魔法使いになれなかった女の子の話

この作品、完全にTVアニメオリジナルとは言えないのですが、
サクガンと同じく「Project Anima 」というアニメ化を前提とした
企画で募集された小説のアニメ化作品になります。
この企画の第一弾であるサクガンがやらかしまくっており、
結果的に第二弾も伸びに伸び、企画自体が頓挫したか?と思っていた中でのアニメ化でした。
サクガンもそうでしたが、アニメ化を前提とした小説なのに、
そんな原作を台無しにしています。
アニメ自体の雰囲気はいいのですが、雰囲気だけで中身が伴っておらず、
謎は謎のまま、伏線も残りまくっており、
サクガンと同じくぶん投げて終わった作品です。
この作品の失敗理由は明確であり、
そもそも「Project Anima」自体が失敗した企画で、
サクガンが大失敗したものの、3作品をアニメ化することは決まっており、
この作品は大規模プロジェクトのあとしまつでしかなかったからこそ
こういう作品だったのでしょう。
2位 好きでも嫌いなあまのじゃく

Netflixオリジナル作品として制作された本作品ですが、
何もかもひどすぎる上にパクってた作品でした。
本心を隠し続けた人間は鬼になる、
そんなガバガバな設定で鬼の少女と出会った少年が旅をします。
明らかにすずめの戸締まりを意識した脚本は本当にひどく、
ただの劣化コピーでしかありません。
そもそもの鬼になるという設定も、そんなガバガバだったら
世界中が鬼だらけになってもおかしくないのですが、
鬼たちは密かに暮らしています。
基本的に話が破綻しており、鬼は人間から隠れて住んでいるのですが、
そもそも鬼かどうかは鬼にしかわかりません。
なら隠れて暮らす必要はないはずなのですが、隠れており、
ヒロインの母が自らを犠牲にして里を隠しています。
しかし、ヒロインの母がわざわざ隠しているのに
里への入口は鬼以外はいることができません。
もうなにからなにまでひどく、ツッコミどころまみれの脚本を
贅沢な作画で誤魔化しているだけの作品でした。
1位 HIGHSPEED Étoile

オリジナルアニメは制作会社が版権を持つことも多く、
それゆえに制作会社の色が出やすいものでもあります。
そんな中でstudio A-CATが手掛けたこの作品はズタボロでした。
そもそもstudio A-CATは原作のあるアニメでさえ
まともに作ることのできない会社であり、そんな会社が
オリジナルアニメを作ったところでお察しです。
F1的な未来のモーターレースを題材にしているのですが、
そのレースシーンが死んでます。
実況解説だよりでろくにレースシーンを描けず、
アニメーションのクォリティがあまりにも低すぎました。
かといって脚本がすごいというわけでもなく、
主人公がトップのレーサーや周囲に注目される原因が
「ルール違反を犯してトップレーサーを追い抜いた」という
意味不明な原因でしかなく、盛り上がりそうになると話の腰を折るという
意味不明なストーリー構成も相まって最悪な印象しか残っていません。
最後のレースでは主人公が成長し強敵に挑むという状況なのに
「落雷」が起こってレースが中止になったりと、
もう脚本の酷さ、作画の酷さが際立ちまくっていた作品でした。
総評:どうしてこうなった?
2024年は様々なオリジナルアニメ作品が話題になる一方で、
こういった作品も多く生まれました。
過剰な設定の複雑化、作画や演出の粗さ、ストーリー構成の崩壊、
キャラ描写の浅さ、オリジナル作品だからこそ、原作がないからこその
難しさや欠点が浮き彫りになっています。
一方で、どの作品にも「挑戦しようとした意志」は感じられます。
どうしてこうなった?と思う部分はあるものの、
それは制作した側も同じことを思っていることでしょう。
その挑戦心、反骨心のようなものは評価したいところです。
2025年も多くのオリジナルアニメが生まれており、
今後もTVアニメオリジナル作品に期待したいところです。
最後までお読みいただいありがとうございました。