「転生したら剣でした」レビュー

3.0
ファンタジー
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評価 ★★★☆☆(57点) 全12話

あらすじ 気が付けば人間ではなく剣として異世界に転生していた主人公。魔物を倒していたが地面に剣を挿したところ、動けなくなった。その後一人の猫獣耳少女との出会いが、剣と彼女の人生を変えていく。引用- Wikipedia

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新鮮味0!だけど…?

原作は小説家になろうで連載されていたライトノベル作品。
監督は石平信司、制作はC2C

状況把握

1話早々から主人公の状況把握は異様に早い。
死んだと思ったら異世界でしかも「剣」の姿に転生している。
そんなとんでもない状況を本作品の主人公は秒で理解する。

なろう系ではお決まりの「鑑定」スキルで
自分のステータスを確認して自分に何ができるかを把握し、
しかも、剣ではあるものの「動ける」。

この時点で剣に転生したアイデンティティが死んでいる気がするのだが、
念動スキルのおかげで誰に使われなくとも戦うことができるうえに、
敵を倒せば倒すほどRPGのごとく強くなれるうえに、
倒した敵の「スキル」を吸収することができ、
どこぞのスライムに宿っているような賢者のような説明キャラも居る。

この手のなろう作品にはありがちな設定であり、新鮮味はほぼ0に近い。
ただ主人公である「剣」を演じているのがベテラン声優である
三木眞一郎さんだけあって、そのノリノリな演技が主人公の魅力を
後押ししている部分もあり、作画のクォリティもそこそこ高い。

剣だからこそサクサクと斬りつける戦闘シーンは爽快感もあり、
テンポの良いストーリー展開は程よく編集された
ゲーム実況者のプレイ映像を見ているような気分になる。

もともと、そこそに強い魔剣な主人公だが、
1話のAパートでダイジェスト的にどんどんと魔物を借り、
更に強くなっていく。本来はこの「過程」が面白い部分のはずなのだが、
強くなる過程はあえてダイジェストで進めることによって、
装備者たる「ヒロイン」を早めに出そうとしているのだろう。

強くはなったもののトラブルで「動けなく」なってしまう。
そんな彼の前に「奴隷の少女」が現れるところから物語が動き出す。

装備したら最強でした

少女はこの世界では虐げられる存在だ。
力も弱く、誰かに支配され、虐げられる。この世界ではそういう存在だ。
しかし、力を望んでいる。今の自分の状況を変えたい、
新しい自分になりたいと思いながらも、変えることができない。
そんな少女の前に「魔剣」が現れる。

ボーイミーツガールならぬ、ガールミーツソードだ。
主人公である剣は単体でも強いものの「剣」であるがゆえに、
装備し誰かが使えば強くなれる。かなりのご都合主義アイテムではあるものの、
そんなご都合主義なアイテムを使った戦闘シーンは素晴らしく、
「地を這う」ようなアクロバティックな動きを見せながらの
戦闘シーンは思わず唸るほどのクォリティに仕上がっている。

展開自体はかなりベタかつ新鮮味はないものの、
声優の演技やアニメーションのクォリティ、そしてテンポの良さが
なろう系作品にありがちなストレスを生んでいない。
主人公が「剣」であるがゆえに、いわゆるハーレム要素などもなく、
「性的」なシーンも少ない。

金!女!権力!と雑誌の裏側の怪しげな幸運のアイテムを
手に入れたような展開がなろう系ではお決まりではあるものの、
この作品の場合、主人公が「剣」であるがゆえに、その要素がほぼない。
むしろ、幸運のアイテムである主人公を手に入れたのはヒロインである
「フラン」だ。

進化できない獣人の黒猫族、そんな彼女が魔剣を手に入れ、
一族の願いである「進化」を求める旅路が始まる。

ギルド

前述したが展開自体はかなりベタだ。
街にたどり着いたら「ギルド」へ行き「冒険者」として登録する。
なろう系作品で1億回は見たような展開だ。

しかし、そこを演出でカバーしている。
戦う相手の強さ、戦う相手が使うスキル、
そういった「強さ」を見せる演出がしっかりしており、
色々なスキルを使えるチートな魔剣を装備しているものの、
決して「最強」ではない。

あくまでも強いのは剣であって彼女ではない。
うまく使いこなせなければ強敵にはかてない。
この「バランス」がこの作品の魅力でもある。
剣を装備していなければ彼女は弱く、差別される「黒猫族」だ。
装備していれば強いものの、同時にそれが弱点にもなっている。

主人公たちの強さの見せ方や戦闘シーンの見せ方がしっかりしているからこそ、
この作品の面白さをしっかりと感じることができる。
展開自体はベタではあるものの、この作品はアニメとしての見せ方がうまい。
ベタとは裏を返せば王道であり、そこに安心感も生まれる。

師弟関係

剣である主人公と、最弱の黒猫族である「フラン」
この二人の師弟関係も「恋愛要素」がなく、
どこか親子関係のような微笑ましさもあり、
二人で一人の一心同体の関係性が和ませてくれる。

フランの目的は一族としての本願である「進化」を果たすことだ。
最弱と呼ばれ虐げられ、差別される、そんな弱い一族だからこそ、
彼女は「進化」という獣人族の本願を成就したい。

一方で魔剣である「主人公」には特に目的はない。
転生したらすごい剣だったというだけで、
自分がどうして魔物の住む森に放置されていたのか、
誰が作ったのかは分からない。
そういった「謎」は一応あるものの、1クールであまり掘り下げられない。

基本的にはベタななろう系異世界ファンタジーストーリーを
淡々と展開していくものの、
そこに二人の師弟関係の微笑ましさや、徐々に強くなっていくフランの
成長を見守るような面白さがある。

魔王を倒すわけでもない、世界を救うわけでもない。
だが、シリアスが一切ないわけではない。

グロ

ギャグも多く、基本的には明るい雰囲気で描かれているものの、
意外と「グロテスク」な描写も多い。
黒猫族に対する差別的な態度や、人体破損描写もしっかりとあり、
剣としての主人公と、そんな剣を使う「フラン」は強いものの、
それに勝る強さを持つ敵も現れる。

俺つえー的な要素はあるものの、それだけでなく、
きちんと「強敵」があるからこそストーリーが盛り上がる。
そんな強敵のバトルも目まぐるしい「剣戟」を
グリグリ投獄カメラで映しながら、決してエフェクトという
演出だよりではない戦闘シーンを見せてくれる。

そういった彼女たちの「努力」がきちんと描かれてるからこそ、
チートやご都合主義展開がいい意味で気にならなくなる。
特に都合よくスキルを手に入れて、そのスキルを
使う機会がちょうど訪れるようなご都合主義展開もあるものの、
「フラン」の可愛さや努力があるからこそ気にならない。

彼女自身が自分の力だけでは強くないことを自覚している。
徐々に強くなりながら、強くなることを楽しみながらも、
彼女は「強くなる意味」を考えていく。

一人

終盤、彼女はダンジョン内の罠にかかり主人公と離れ離れになってしまう。
それはイコール、彼女が借りていた力を失うことを意味する。
だが、誇りは奪われていない。
進化を目指す「黒猫族」のフランとしてたった一人で強敵に
立ち向かう姿は1クールでの彼女の成長をしっかりと感じさせてくれる。

1度離れ離れになってしまったからこそ、互いの絆を再確認する。
彼女の両親、そんな両親と関わりのあった存在である
「アマンダ」との関係性の描写も素晴らしく、
最終話であえてそれを「フラン」にはつたえず、
見ている側二だけ伝えることでしっとりとした雰囲気が生まれてる

ストーリー的には私達の戦いはこれからだ!で終わっている。
主人公がなぜ剣に転生したのか、誰が作ったのかなどの謎は
匂わせるくらいで終わっており、国同士のスパイや争いなども
起こりそうな雰囲気はあるものの、1クールではあくまで
二人の関係性の描写と始まりを描いて終わっている。

2期を匂わせるラストから、2期の決定の告知もあり、
シンプルに続きを見たいと思わせる作品になっていた。

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総評

全体的にみてしっかりと作られている作品だ。
内容自体はいわゆる「なろう系」作品の域をでず、
どこかでみたことのあるような展開や要素ばかりではあるものの、
制作側がそれをわかったうえで、この作品の魅力を最大限に
アニメで活かそうとしている努力を随所に垣間見ることができる。

主人公である「剣」を演じるのが三木眞一郎さんというのも
素晴らしい配役だ。
あまり表情もなく、動きなどで感情を見せるようなキャラではないからこそ、
「演技」でしっかりとしたキャラ付けと印象付けを行うことで、
主人公の魅力を感じることができる。

ヒロインである「フラン」も加隈亜衣さんが演じており、
彼女の可愛さこそが本作の最大の魅力であり、
そこを活かすための演技や声、作画や演出で最大限に
ヒロインの魅力を輝かせている。

戦闘シーンもチートな剣を使う彼女の活躍をもり立てる
演出とカメラワーク、アクションが描かれており、
特に1話の戦闘シーンはインパクトのあるものになっている。

チート級に強くなる要素と能力はあるものの、
それ以上に強い敵やピンチが訪れることで、いわゆる「俺つえー」感がなくなり、
パワーバランスがしっかりと取れているからこそ、
戦闘シーンにも見応えが生まれている。

ステータスやスキルの概念など、
なろう的な要素に関しては気になる部分はあるものの、
それ以外の部分に関してはきちんとアニメとして面白いものに仕上がっており、
2期が気になる作品に仕上がっていた。

個人的な感想:決して名作ではないが…

名作!と呼べるような作品ではないものの、
肩の力を抜いて楽しめる作品だ。
特に主人公である師匠とフランの師弟関係は親子関係のようにも見え、
ハーレム要素もないからこそ不快感を一切感じない。

非常にバランスの取れた作品だ。突出したなにかはなく、
名作ではないものの、アニメとしてのクォリティが高く、
1クールすっきりと見終わる作品だった。

2期にも期待したいところだ。

「転生したら剣でした」は面白い?つまらない?

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