「プリンセスコネクト!Re:Dive」レビュー

4.0
ファンタジー
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評価 ★★★★☆(69点) 全13話

あらすじ 穏やかな風が吹き抜ける美しき大地・アストライア大陸。その一角で記憶を失った少年・ユウキは目を覚ます。彼を世話する小さなガイド役・コッコロ。いつも腹ペコな美少女剣士・ペコリーヌ。ちょっとクールなネコ耳魔法少女のキャル。運命に導かれるまま、彼らが立ち上げたギルドの名は「美食殿」。今、ユウキと彼女たちの冒険の幕が開けるーー
引用- Wikipedia

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君と出会い、君と笑う、絆の物語

原作はソーシャルゲームな本作品
監督は金崎貴臣、制作はCygamesPictures

出会い

1話冒頭から監督らしさが全開だ。
この作品の監督は「この素晴らしい世界に祝福を」も手掛けており、
このすばを見たことが有る人ならば定評のある「ギャグ表現」が秀逸だ。
主人公は記憶を失っている、一般常識すら失っており、
ファンタジーなこの世界において「赤子」のような主人公だ。

神のような存在からこの世界に落とされ、そんな神の託宣を受けた
「コッコロ」が彼を迎えに行く。
そんな迎えに行くシーンの草原の表現が恐ろしいほどの作画で描かれている。
どこか幻想的で、なにかがありそうで、何かが起こりそうなそんな雰囲気。
そんな雰囲気の中で主人公は「モンスター」に噛まれている(笑)

カエルに飲み込まれていないだけ某ヒロインよりもマシではあるものの、
いきなりモンスターに噛まれている状態から始まる作品はそうはない。
主人公は自分の名前以外の記憶をほとんど失っており、
戦い方も知らなければ言葉すらも拙い。
そんな主人公を「主様」とよび甲斐甲斐しくお世話する姿は
どこか母と息子のような関係性だ。

主人公は「お金」という概念すら知らない。
この世界のことを何も知らない。無垢なる少年だ。
そんな無垢な少年がコッコロと出会い、この世界の知識を得ながら、
「大切なこと」をしっていく。決してお世話されるだけの主人公ではない。
彼は彼なりに状況を理解し、何が大切なのかを学んでいく。

ペコリーヌ

1話の中盤で出会うペコリーヌは純粋な少女だ。
世間を知らず穢れを知らない。そんな彼女だからこそ、
あっさりと人に騙され大事な剣を盗まれる始末だ。
騙されたということすら自覚していない。
その汚れの知らぬ差は純真さの証であり、生まれの高貴さを感じさせる。

コッコロとペコリーヌ。この世界で出会った二人の少女。
そんな二人の少女を守るために主人公は刃をふるう。
それは失ってしまった過去の記憶から、かつて味わった後悔から、
もう「誰かを」失いたくないという思いが記憶を失っても
彼の魂に刻まれた思いゆえの行動だ。

本来、原作における主人公はプレイヤーであり指示をする立場の人間だ。
ソシャゲ原作アニメの場合は、そもそも主人公の存在を消したりすることも多いが、
この作品はきちんと主人公を主人公たらしめる要素がある。
守られるだけの主人公、決して強くはない。だが、
彼は彼なりに強くなろうと、誰かを守ろうとしている。

そんな彼だからこそ周りに人が集まってくる。
コッコロが、ペコリーヌが、そしてキャルが。

キャル

彼女はペコリーヌの事情を知っている少女だ。
ペコリーヌの生い立ち、彼女は知っている。
知っているうえで主人公たちを倒そうと魔物をけしかけている。
だが、そんなキャルの事情もやっていることも主人公たちは知らない。
知らないからこそ無垢に、純粋に彼女の接する。

「あのお方が私を認めてくれる、褒めてくれるわ」

彼女は自分の存在価値を確立しようとしている。
それが彼女にとっての全てであり、あの方の存在が、あの方に認められることが
彼女を彼女たらしめんとしようとしている。
だが、そんな考えが少しずつ変わっていく。

自分がけしかけた魔物からペコリーヌが、主人公が自分を守ろうとしている。
「ありがとう」と感謝の言葉を述べてくれる、
自分の命よりも、誰かを守ろうとする彼らの行動や言葉に
彼女の心が揺り動かされていく。

少しずつ綴られる日常、魔物の戦いの日々、誰かと一緒に御飯を食べる喜び。
些細な幸福が、今まで味わったことのなかった「誰かとの絆」が
彼女を少しずつ変えていく。
本当なら敵対する立場にいる彼女の価値観が繰り返される日常の中で
揺り動いていく。

サブキャラ

ソシャゲ原作アニメの場合は、その性質上、
序盤からキャラをドバっと出してごちゃごちゃしたストーリーになることが多い。
しかし、この作品はメインのキャラを主人公、コッコロ、ペコリーヌ、
キャルの4人に絞っており、その他のキャラはあくまでサブキャラとして
4人の日常にたまに関わる程度の位置づけに配置している。

あくまで日常ギャグを描きながら徐々に進んでいくファンタジーなストーリーの中で
4人のメインキャラの変化を描くことで原作をやっておらずとも、
徐々にキャラに感情移入しながら、物語の謎が気にならせる手法だ。
主人公の過去、ペコリーヌの生い立ち、キャルの謎。

いろいろな人との出会いの中で、かけがえのない日々。
そんな日々の描き方が秀逸だ。
例えば4話では4人で住む家の掃除をし、家具を作り、
必要なものを買いに行く。たったそれだけの日常だ。しかし、それが面白い。

ギャグを織り交ぜつつ、サブキャラを出しつつ、
メインキャラの魅力を掘り下げ、可愛さを滲み出させていく。
コミカルかつテンポよく描かれる日常の描き方が、
「生活感」すら感じさせ、その生活感が見る側への共感を生む。
異世界なファンタジーな世界でキャラクターたちがいきいきと生きている。

街でいろいろな人と出会い、時には体調を崩し、時にはたびにでかけ、
ときにはキャンプをし、そしてみんなで食卓を囲む。
何気ない日常が幸せに繋がり、そんな幸せがあるからこそ
日常がかけがえのないものになる。

放っておけない

キャルには使命がある、ペコリーヌを監視する立場にいる人間であり
本来なら敵として主人公たちの前に立ちふさがる存在だ。
だが、そんな自分の立場はわかっていながらもキャルはもうペコリーヌたちを放ってはおけない。
最初はペコリーヌを殺すはずだったのに、かけがえのない日々の積み重ねが
彼女を変えてしまった。

些細な日常の幸福と繰り返す日々を丁寧に描いたからこそ、
「キャル」の変化が見ている側に手にとるようにわかってしまう。
日常を積み重ねれば積み重ねるほど、幸せを噛み締め、
そんな日常と幸せを作り上げる仲間たちが大事になってしまう。
使命よりも、宿命よりも、過去よりも、今がなによりも彼女にとって大切なものだ。

日常の生活感の描写が秀逸だからこそのキャラ描写だ。
背景はリアルに描きつつ、そんなリアルな背景の中で
ギャグタッチな顔芸を交えながら、様々な衣装や髪型に変わる
キャラクターたちに愛くるしさと愛着を生む。

サブキャラたちも出会ってすぐにメインキャラたちとの話が描かれるのではなく、
出会いは挨拶程度に描き、少し話を勧めてからそんなサブキャラとの話が
描かれることでサブキャラたちが話の中ですんなりと馴染み、
出番は少ないのにサブキャラたちの印象もしっかりと残る。

戦闘シーンも頻繁にあるものの、そんな戦闘シーンを大胆な
演出と動きで見せることで盛り上げてくれる。

バッドエンド

主人公の記憶は徐々に呼び起こされていく。
それは時に夢という形で現れる。最悪の未来、最悪の過去、
起こりうる、いや、起こってしまって現実。
何度も何度も彼は味わった、バッドエンドを。
記憶を失っても刻まれた苦い経験をもう彼は味わいたくはない。

ペコリーヌも同じだ。
彼女は父と母だけでなく、人々から忘れられた存在だ。
家族を奪われ、立場を奪われ、居場所すらも奪われた。
だからこそもう1度手にした居場所を家族を仲間を、
失わぬように何度も何度も彼女はそこに有ることを確認するように抱きしめていた。

キャラはペコリーヌのことを知っていた。
知っていた上で彼女に接したはずだった。
だが、ずっと一緒に居たからこそ、自分の存在を認め、
抱きしめてくれた彼女がかけがえのないものになってしまう。
「あの方」が全てだった彼女の世界が変わった。

繰り返される日々の中での成長と変化、それがそれぞれの決断へとつながる。
すべてを知った少年はそれでもなお力をふるい、
すべてを失った少女はもう失わないために剣をふるい、
なにもなかった少女は守るために杖をふるう。
「ハッピーエンド」を手に入れるために。

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総評:この素晴らしい生活に祝福を

全体的にみて非常に手稲に作られている作品だ。
「なにか」があったあとの世界、そんな世界で記憶を失った主人公と
そんな主人公と出会った3人の少女たちの物語。
そんな物語を1話1話丁寧に日常を描きつつ、コミカルに、ギャグを交えながら
日常を積み重ねストーリーを進めていく。

その結果の結末だ。
日常の、幸せの、「今」を噛みしめるようなラスト。
メインキャラクターたちの変化と成長が手にとるようにわかるラストには
思わず涙腺すら刺激されそうになってしまう。

ただ気になるのは解決してる問題が少ないということだ。
キャルがいう「あの方」の目的はなんなのか、
主人公の過去には何があったのか。
ペコリーヌはなぜ居場所を奪われてしまったのか。
物語の重要な部分は殆ど明かされていない。

このあたりは2期につなげるためのものであり、
しょうがない部分はあるもののやや不完全燃焼感は残る。
しかしながら2期はすでに決定し放送されている。
1期で積み重ねた日常と幸せ、この「今」を失いたくない彼らが
繰り返されるバッドエンドを抜け出し、どうやってハッピーエンドにたどり着くのか。

だからこそ、あえて消化不良とは言わない。
2期で彼らが導き出す答えと「ハッピーエンドのその先」を
見せてくれることを信じたいと感じさせてくれる作品だった。

個人的な感想:続きが…

予想以上に楽しめたというのが正直な感想だ。
ソシャゲ原作特有のキャラの多さを、うまくサブキャラとして落とし込み
ギャグとコメディに溢れる世界を描きながら日常の大切さを中心に
描くことで1クールの中できれいなストーリーが描かれていた。

思わず続きが気になってソシャゲをインストールしたくなる。
ソシャゲ販促としても優秀であるものの、
私はあえてインストールせずに2期を待ちたい(笑)

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